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【序】出張から戻ったら、新妻が消えていたんだが。
おのれエキドナ
まぁ何やかんやあったものの、吾輩は先生――元勇者アウロラことイルヴァ・ビョルクルンドを娶ることとなった。
結局、吾輩の名をすべて読み上げるのに1ヶ月半かかってしまったものの、式は滞りなく終わり、めでたしめでたしのハッピーエンドである。
しかし、読者諸君は、そのハッピーエンドにも続きがあることを御存知だろうか。
我々からしてみれば、結婚などというものは単なる通過点のひとつなのである。ハッピーエンドのその先も、物語は当然続いているのだ。
さて、我が愛しの(こう言えと強要されているのである)新妻なのだが、出張から戻って来てみると、どうにも様子がおかしい。
様子が……というか、何ていうか、いないんですけど。
その代わりにそこにいるヤツ! お前誰だ!
それから、もうこれだけは言わせてくれ。
「おのれエキドナ!」




