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5話 勇者の仲間

宿を探す為にあちこちをみて回っていると叫び声が聞こえてきた


俺は面倒ごとには片っ端から首を突っ込む人間で放って置けないのだ

何よりクエストの匂いがする




「神官様はいないのか!」


「誰か、うちの子だけでいいから回復魔法をかけて!」


「なんだと!お前の子なんて死ねばいいんだ!俺を治してくれ!」




なんとも醜い争いをしている

イベントじゃん!

うっひょーーー!!


俺が助けないと


もちろんクエストの為に!



「俺がなぉs…

「オレが直してやる!!!!」」



誰だ重ねた奴は!


人混みを掻き分け出てきたのは、両手に華……奴隷を連れた黒髪黒目の男


主人公登場来たー!


ラノベや漫画だったら、こいつ主人公だよね笑

主人公君は変なモーションをしながら空中に魔法陣を書いた


回復魔法エリアヒール



村人を光のエフェクトが包むとみるみるうちに怪我を塞いだ


おおー、うわー


やら言っている傍観者供を無視し村人少女は勇者に近づいた


「ああ、勇者様!ありがとうございますぅ」


キター!勇者!

勇者かよ!わかりやすっ!


「君っ!かわいいね!よかったら僕と一緒に旅をしないか?」


ハーレム要員だ

うわ、マジでやるとか……尊敬するわー

リア充しね!


「はい!お願いしますっ!勇者様!」


おいおい、あっさりし過ぎだろ。

ご都合主義という謎の力が働いているらしいな

もう少し考えろよ……村人少女よ…


俺もついて行ってみるか?


魔導師だけど、勇者のお供って言ったら剣士だから、剣士風でいこう


「へへへっ!勇者さんよぅ!あっしも役に立ちますぜ!」


「なんだお前は」


「あっしは、剣士のギルです」


「嘘つけ盗賊め!くたばれ!」


ーーーザクッ!


「くわぁぁぁぁ!」



……何この展開


俺、ちょっとちょっかいかけただけなのに…

酷くね?!勇者…




いきなり斬りつける勇者


くわぁぁぁぁ!とか言う俺

突然の凶行に逃げ出す村人


斬る斬る斬る斬る斬る!


〈0ダメージ、0ダメージ、0ダメージ、0ダメージ、0ダメージ……)




イラついた俺は勇者に詰め寄ると右手の拳を握りしめ腹パンを食らわした


〈120572ダメージ……オーバーキル



スキル《手加減》発動


HPが10だけ残った〉



どうやらオーバーキルする所だったらしい

すぐに勇者を踏みつけ俺は宣言する



「おお、勇者よ。死んでしまうとは…笑

え?死んでない?……うんうん是非仲間になってほしい?


そうかそうか!宜しく勇者君!」



「言ってねぇーよ!」







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