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嘘ですよね  作者: 遊風
9/14

8

目の前には、麗しの桜庭京がいた。

近くで見たことないなかったが、本当に美しいな、睫毛ながいし、肌もきめ細かい。

近くで見ても美人だ。


けど、なぜまだここに?


「委員長?」


こてんっと、首を傾げる姿はそこらへんの女子よりも可愛く見えてしまう。

the桜庭マジック!!


「あっ、ごめん。ちょっと驚いてた。なんで、まだいるの?」


「忘れ物して」


どうやら、今日委員の子に頼んだ本の紹介の本を忘れたらしい。

彼が選んだ本は、だれもが知る有名な童話を集めた童話集らしい。

なかなかのちょいすだ。

それにしても…………。


「懐かしいなぁ。」


「えっ?」


「その本。昔男の子に読んで聞かせたんだ。」


「男の子に?」


「名前は、わからないんだけど。偶然公園でであって仲良くなったんだけど…いつの間にかその子、公園に来なくなっちゃって。それきりだけど。」


「………………覚えてくれてたんだ。」


「えっ?」


ふわっと香るシトラスの香りが私を包み込む。

人間の体温って、こんなに気持ちいいものなんだ…

と、半ば現実逃避をしていた。

が、ふと我にかえる。


ワタシ。サクラバクンノ、ウデノ、ナカニイルノ?


「嬉しい。俺もずっと、覚えてたんだ。」


「えっ、もしかして………。あの公園で読んで聞かせした子なの?桜庭くん。」


「そうだよ。ずっと。ずっと。覚えてた。」


「えっ、あうん。」


ギュッと強まる腕の力。彼がどんなに美しい人だと思っていても、やっぱり男の人だと思ってしまった。


「あの。どいてくれる?」


「………………」


そっと、彼はを離してくれたが、その顔は何処か不満を表していた。

私もさっきまでの暖かさを寂しくおもっていた。

…………が。


「なんで、抱きしめたの?」


いくらなんでも、懐かしいからといって抱きつく奴はいないだろ。

それとも、美形どもはそういうことが普通なのか?


「だって…………。嬉しくて…………。覚えてくれたこと。嬉しくて。ずっと、ずっと、好きだったから。」


「…………………はい?」


今なんといった。

桜庭くん。


「ずっと、好きだったから。」


嘘だよね?

桜庭くん。

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