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桜庭くんがいるから、きっと何かあると思っていたが、何事もなくあっさり終わってしまった。
少し拍子抜けだ。
私が思うに桜庭くんのストー…ファンが乱入するか、図書委員の隠れファンが荒ぶるか、と思っていたが。
「委員長ぉーーー。委員会終わったし、一緒に帰ろぉー」
「一人で帰れ。ハウス!!」
「えぇ、一人で帰るのぉ。一緒に帰ろうぜ。どうせ家隣だし。」
「お前と帰るとろくな事がない。一人で帰れ。それに、私は仕事がまだ残っている。」
「わかったぁ。遅くなるなよぉ。」
まったく、いちいち私と帰ろうとするな。
黙ってればむっつりスケベも、チャラ男のイケメン。一緒に歩く度に女の嫉妬の視線が鬱陶しい。
そんなことを考えながら、これからの事と今日の反省をまとめあげた。
窓の外は暗く影を落としていた。
「はぁ、終わった。さて、帰るか。」
先に副委員長を帰して正解だ。
いつもより暗いと思っていたが、雨がぽつりぽつり降っている。
図書館は、静まり返っていた。
広めな図書館に、私一人。
一年の時から結構遅くまでいたが、あまりこの時間帯は得意ではない。
いつも私の安心の場所が、薄気味悪い場所になる
ぶっちゃけ言えば、怖いのだ
これ以上耐えられない、そう思ったとき
---------ガダッ
「ひっ。」
誰だ………。
私以外居ないはずだ。
先生はさっき、一階に行ったはずたじ。
ほかの生徒は私が帰した。
委員会が終わったあと、図書館に生徒は来なかった。
と、いうことは……………
一瞬考えてはいけない事を考えてしまった。
「念のため音のした方に行かなくては………」
そうだ、もし本が何らかの原因で落ちてしまったら拾わなくては。
自分に言い聞かせながら、音がしたほうへ、近づいてゆく。
そこには、なにもなかった。
本も落ちてなくいつもの通りだ。
じゃ、空耳か?
私は何事もなかったのでそのまま帰ろうとた。
が。
「っうわっ。」
柔らかい何かに当たった。
「大丈夫?」
「っえっ?」
そこには噂の桜庭くんが立っていた。