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初めに
私、齋藤優希は、平凡か、平凡以下である。
限りなく。
目は黒く、髪は、少し毛先がクルンと丸まっていて、ややぽっちゃり。
勉強も運動も、普通にできるか普通以下しか出来ない。
決してそれ以上は出来ない。
だから、高望みをしないし、しようとも思わない。
努力もしようとも思わないし、これからしようとも思わない。
何一つ魅力がない人間と私は、自負している。
そんな私の日々が、これからも続くと思っていた。
これからも、これから先も後も。
私の人生が幕を閉じるまで。
だけど、人生はそんな簡単ではない事を、私は思い知る。
「それって、嘘ですよね。」