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終末世界で時が止まったら  作者: ぺゅづゃぐょ
永冬の星・第二節 全てを守り抜く天梁星
20/22

20.星間案内図奪還作戦

新たに灯った暁は全てを照らし、二つ目の新生を知る。

「ルナが手紙を送ってくるなんて、よっぽど重要なんだろうな。おまけに偽物の俺まで用意しやがって…」


 ルナソノーレの手紙を読み上げた後、オルヴォワールは手紙をポケットにしまい、レフコローゼを目覚めさせた。


「お前、起きてるだろ。気絶してるふりして何の意味がある?」


「バレちゃってたか〜」


 カヴァリエーレは咄嗟に剣を構えたが、オルヴォワールがすぐに止めた。言葉は発さず、無言でカヴァリエーレを見下した。するとカヴァリエーレは剣をそっと鞘に入れた。


「あの…」


 オルヴォワールの存在感がすごい空気の中、椋が小さく手を挙げた。


「団長様だったら、星間案内図を見つけられるんじゃないですか?」


「星間案内図? なんだそれ?」


 星間案内図について、翠とリズがオルヴォワールに説明した。セルヒも解説しようとしたが、語彙力が無いことを理由に翠に断られた。


「なるほど…星間案内図とやらについてはよく分かったが、俺の霊化の目では探すことはできないな。俺の霊化の目、【暗澹の血炎(イグナイト)】は捜索するものじゃないからな。だが、だいたい見当がつく。星間案内図なんてすごい技術、研究所Xが目をつけないわけがない。雪山中のどこを探してもないなら、もう誰かが拾ったんじゃないか? それこそ…キミヒとかがな」


「キミヒ…ああ、僕が指を一本切り落としたあの女性ですか。彼女は、研究所Xの者なのですか? 彼女は自身をエレオスシーフの乗務員の生き残りと言っていましたが」


「お前、キミヒになんてことしてんだ。あいつは研究所Xの所長だぞ? …まあ、それだったら指を一本切り落とされたところでほぼ無意味だろうがな。あと、エレオスシーフの乗務員ってのも、嘘じゃない。あいつは一時的に、エレオスシーフの様子見に来てたんだ」


 アステオーリアはキミヒが研究所Xの所長だという事実を静かに受け入れ、自分の槍を心臓に刺そうとした。


「待て待て。彼女もお前らのところに勝手に入ったんだろ? だったらそれでお互い様じゃねえか。そうやすやすと命を捨てようとするな」


 茶番に付き合わずに腕を組んで佇んでいた翠が、片目を少し開けて手を広げる。


「なら、研究所Xに乗り込んで交渉(制圧)でもするか?」


「それも策の一つだが、研究所Xの戦力を舐めてはいけない。あそこは、『終焉』が創られた場所だからな」


 そこにリズが質問を入れる。


「『終焉』を創ったのって、カロイルさんじゃないんですか…?」


「それは…少し違うな。カロイルが設計図とコアを作成し、研究所Xがそれと()()()()()()を基に『終焉』を創ったんだ。ともかく、研究所Xはそれだけの技術力と知力、そしてそれから織り成される戦力があるってことだ。まあ、言葉での交渉がベストだと思うが」


 研究所Xに行くという話を九人で続けた。少しした後、コユキの考えによってコユキの家で会議することになった。その光景を、遠くでずっと見ている者がいた。


「こちらスペッタトーレ#410。セルヒ、リズ、『運命』、1:6F«kūṭastha»《エットペール・クータスタ》、コユキ様、カヴァリエーレ、アステオーリア、レフコローゼ、オルヴォワールはコユキ様の御宅へと向かいました。これから、研究所Xに侵入する計画を企てるようです。どうぞ」


「分かった。向こうが向こうのやり方で攻めてくるなら、私達も私達なりの方法で()()しよう…ヴォルク! 進行員達に、あれの改造を早めるよう伝えてきてくれ!」


「承知しました」


───コユキの家にて。


「さて…星間案内図奪還作戦についてだが、プランを3つほど練っておきたい。プランA、言葉での交渉だ。無駄な戦闘も避けられて、一番平和かつ可能性があるプランだ。プランB、戦力を集めて突撃だ。プランAでの交渉が破綻した時、カヴァリエーレ、レフコローゼ、そして俺が三方向から研究所Xに攻め込む。だが、できるだけ戦いは避けたい。俺が所長室に向かい、キミヒと直接話をするからだ。そしたら説得の可能性も増える。プランC、囮作戦だ。プランBが失敗した場合、俺が囮となってみんながレフコローゼが作る道を通って逃げる。レフコローゼの霊化の目で作る頑丈な蔓の道だから、安全だぞ。俺の方も安心してくれ。キミヒとはたまに酒を交わす仲だ。きっと、生かしてくれるはずだ。以上! 意見はないか?」


 カヴァリエーレがはっきり手を挙げる。


「プランBでの攻め込み、私とお嬢様で行かせていただけませんか。忠誠を誓った者として、守り抜かなければなりません」


「分かった。カヴァリエーレの忠誠心は本物だからな。コユキも行かせるとしよう」


 呆れたような顔をしている翠がめんどくさそうに手を挙げる。


「まず、研究所Xに星間案内図があることが確定したわけでもない。まずはアステオーリアの霊化の目で星間案内図の存在を確認するのが最優先だろ」


「ははっ! これは盲点だったな。失敬、実行前に俺がアステオーリアを守りながら捜索に向かおう。それでいいな?」


 翠は少し頷く。


「じゃあ、みんな準備が揃い次第、作戦決行だ!」

キミヒについて

 研究所Xの現所長であり、オルヴォワールとはたまに酒を交わす仲にある。

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