表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
終末世界で時が止まったら  作者: ぺゅづゃぐょ
煌航の星・第一節 廃れた星とSOS工房
11/23

11.デッドエンドの次へ

 カロイルは創世者を含む五人を相手にしても敵対的な姿勢で二本の短剣を握る。


「貴様ら…私が【終世の傀儡アポカリプスヘタイロイ】と分かってこんなことを…?!」


 少し前…


 翠は小声でセルヒに囁いた。


「(こいつは【終世の傀儡アポカリプスヘタイロイ】と言ってな。すごい簡単に言えばあの『終焉』を創ったやつなんだ)」


「(うん、分かってる。でも本人はあんま強くないから安心して良いんだよな)」


「ああ」


 そして今に至る。


「「「「「ああ/はい」」」」」


 カロイルの怒りはただただ募っていく。


「(こいつら…正体を明かしても呆然としている…一体何者なんだ?)」


「いや、『終焉』を創ったとはいえ創った本人はあんまりじゃないですか。じゃあ試しにスキルじゃなく剣だけで僕の体を斬ってみてくださいよ」


 椋が決闘を申し込む。


「良いでしょう…はあぁっ!」


一秒後


「バタンッ!」


「はいっ、あなたの負けです」


 椋の圧勝。カロイルは剣の扱い方は心得ていないようだ。


「仕方ない…【スペクタクルの戒律】」


 カロイルはついにスキルを使った。それは想定外のものだった。スキルの動きに身を任せながら双剣で椋に迫る。あっという間に首元に刃が添えられていた。


「戻れ!」


「【スペクトルの欺瞞】」


 リズの時操魔法も無効化された。


「こいつ…スキルだけは強い…!」


「(だけはって何だよ!)」


 しかし椋も負けていなかった。


「【白日の創造】【冥界の幽雨】」


 椋は即座に相手の刃と自分の首の間に板を創造し、吹き飛ばされるだけで済んだ。その後、幻影を召喚し、10対1となった。


「上等です…【パンタレイの終端】」


 カロイルは幻影を一目も見ずに全て消した。カロイルは案外強いと判断したセルヒと翠も参戦する。


「【裂空の…」


 翠は刃に力を込めて全力で振りかざす。


「殲刃】!」


 しかしそこにカロイルはいなかった。全力の一振りは空振りだったのだ。


「【ファロスの亡失】」


 カロイルは身を隠すスキルを使っていたのだ。


「こいつどんだけスキル持ってんだよ…状況への対応手段が豊富すぎる…! あまりこの手段は使いたくなかったが…」


 翠は溜めていた力の一部を解放しようとする。


「その必要はない」


 悲歌が前に出た。どうやら夢遊しているようだ。


「【末路】」


 一秒も経たないうちに悲歌はカロイルの心臓に爪を突き刺した。しかし、


「【エリュシオンの回帰】」


カロイルは復活スキルまで持っていた。


「だからなんでこいつこんなにスキルあるんだよ!」


「何せ私は()()()()()()()()()()()()人間。そう思われても無理はありません」


 カロイルの真実が判明した後、翠はついに最後の手段を使おうとした。


「その必要はない」


「またかよ!」


 しかしそこにいたのは悲歌ではなかった。そこにいたのは…


「私はレイ。覚えているか?」


レイだった。


「あの後、ラレ…すまない、私の仲間から「黄金虚数世界で『予言』と戦った」と聞いてな。貴様らのおかげでやつの居場所が分かった。だから貴様らからまた別の情報を聞こうと思って来たんだ。だがこれは…とりあえずこいつと()り合ってるってことでいいか?」


 レイは刀を構え、カロイルの方を見る。


「なるほど、新しい仲間ですか」


「貴様が何をしたのかは知らないが、貴重な情報提供者に味方させてもらう」


 カロイルもほぼ意味がない双剣を握る。一時の静寂の後、レイが幻影と共に先制攻撃を仕掛けた。刀は確かにカロイルを捉えたが、


「【バイナリの特異】」


 カロイルは瞬間移動で刀を避けた。


「なかなかのやり手だな」


「次は私の番です…【デッドエンドの流転】」


 まさに地獄とも言える禍々しい雰囲気が広がり、空が赤く染まる。その空間にはカロイルとレイのみがいた。セルヒ達は隔離されていたのだ。


「ここは私の心象世界…逃れることはほぼ不可能。ここなら周りの妨害も効きません…」


「貴様がどう足掻こうと、貴様は世界に振り回されるだけの傀儡に過ぎない」


 レイは静かに刀を振り、空を斬った。空間にヒビが現れ、ガラスのように儚く割れていった。周りの人は何を斬ったのかは分からなかったが、セルヒと翠は気付いていた。


「「心象世界の境界を…斬った!?」」


「何が起こって…ぐはぁ! なぜ…」


 カロイルの身体は真っ二つに斬られ、復活スキルを使う前に木っ端微塵に斬り刻まれた。


「簡単に言うと、私はあらゆるものを斬ることができるからだ。たまたま心象世界と現実の境界を見つけてな。そこを斬ったんだ…もう尽きたか」


 レイは塵になったカロイルを見下す。


「(許さない…許さない…!)」


「(許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない)」


 意識はだんだん遠のいていき、やがて無に至ろうとする時…


「(【エリュシオンの回帰】【バイナリの特異】)」




 戦いが終わってしばらくした頃…


 悲歌は元の人格に戻った。その後、力を使い果たしていたようで気絶してしまった。


「ところで、レイが言っていた『また別の情報』って何だ?」


「ああ、本来の目的を忘れるところだった。貴様らは『エレオスシーフ』というものを知っているか?」

心象世界⋯一部の人間が持つ固有の世界。特定のスキルによって展開でき、指定した者のみを召喚することもできる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ