第七章7 【2月3日/初等部4年生活動中】7/世界一大切な娘をよろしくおねがいします4
【芳一】は【鬼女】と成り果てていた【フェアリア】の【母親】の襲撃を受けたが、【鬼女】に取り憑いていた【鬼】の【心臓】を握りつぶし、【鬼女】は【フェアリア】の【母親】の姿に戻った。
【フェアリア】を虐待し続けた事は赦せない事だが、彼女もまた、世間から迫害を受けてきたと言う辛い過去を背負っていた。
そこに【鬼】がつけ込んだ事による悲劇だったのだが、【芳一】が一定の解決をしてみせたのだった。
とは言え、【フェアリア】の【母親】が実母である【フェアリア】の【祖母】を殺したという事実と【フェアリア】の【父親】を喰い殺したと言う事実は消えない。
彼女はもはや、【人】としては生きられない。
だからせめて、【フェアリア】専門の【鬼子母神】として、彼女の行く末を見守る様に【芳一】は提案し、彼女はそれを受け入れた。
【フェアリア】の【母親】は、
「あの・・・」
と言った。
【芳一】が、
「はい、何でしょう?」
と聞くと、
「大切な娘なんです・・・
何よりも大切な・・・大事な娘なんです・・・
ですから、どうか・・・
どうか、世界一大切な娘をよろしくお願いします。
貴方なら任せても良い。
貴方なら任せられる。
・・・いいえ・・・貴方にしか任せられない。
誰からも憎まれても文句が言えない、私を救ってくれた、貴方なら・・・
後生です・・・どうか・・・どうか・・・娘をよろしくお願いします・・・」
と懇願する様につぶやいていた。
【芳一】は、
「こればかりは娘さんの気持ちなどもあるので即答は出来ませんが、少なくとも、無下に扱ったりはしませんよ。
貴女の大切な娘さんです。
きっと世界一素敵な女性なのでしょうね。
お噂は聞いているのですが、とんでもなく綺麗な方だとうかがっております。
ただ、年の差がありますので、こんなおっさんで良いのかどうか?
そこは娘さんの意思を尊重させていただきますね」
と言った。
【フェアリア】の【母親】は、
「こんな私が言うのも何ですが、娘なら、貴方を絶対に選ぶ様な気がします。
それは断言しても良いです。
娘は明日、貴方に会いにきます。
どうか、娘をお願いします」
と言って消えた。
と、同時に気絶していた8名、
【唯野 芳果/4体目の御神体】、
【唯野 芳寿/4体目の怨魔体】、
【唯野 美和/リアライズ・イマジナリー・フレンド】、
【万能識のフィナレエンデ/七無神】、
【化門】/【抜狐】の【姫都音】、
【化門】/【祟狸】の【譚抜祈】、
【梁 雪玲日本名隠し名/神娘】、
【フィエーダ・シリラック】/ニックネームは、【ズィー】なので、【ズィー・フィエーダ】、
がみんな起きて、【芳一】に状況がどうなったか聞いた。
一瞬にして【今】の彼女達を気絶させた【鬼女】に脅威を感じての発言だ。
だが、【芳一】は、
「何でもないよ。娘さんをよろしくと言われただけだよ。
それより、今の【レベル】のままだと【選ばれし者】の戦いには負けてしまうかも知れない。
大切な娘さんを見守る親御さんからはっぱをかけられたのさ」
と答えたのだった。