表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/77

第七章6 【2月3日/初等部4年生活動中】6/世界一大切な娘をよろしくおねがいします3

 【芳一】は、【フェアリア】の【母親】である【鬼女】の襲撃にあい、血の涙を流すその姿から、【フェアリア】の壮絶すぎる人生を感じ取り、【涙】を流した。

 【鬼女】は、

『解るの・・・』

 と言った。

 【芳一】は、

「【日本】に伝わる【仏教】には、【鬼子母神】と言う守護神が居ます。

 貴女はそれになるべきだ。

 毎月18日が【鬼子母神】の縁日になります。

 今日じゃない。

 今から半月後、おなりなさい・・・

 今日は節分。

 鬼を祓う日だ。

 鬼は外、福は内。

 貴女はこれから娘さんの幸せを一心に祈る、【フェアリアさん】だけの【鬼子母神】になるといい・・・」

 と諭した。

 【鬼女】は、

『・・・大切な娘なの・・・

 本当は誰よりも・・・

 誰よりも幸せになって欲しい・・・

 だけど私は何てことをしてしまったの?

 私は悪い親。

 娘に相応しくない鬼女・・・』

 と嘆き悲しんだ。

 すると、

『ぐるるるるる・・・今更、何を言っているのやら・・・

 お前は鬼だ。

 お前も鬼だ。

 儂が話さない。

 儂は約束を果たした。

 娘は世界一の美しさを手に入れた。

 だから、娘の人生は儂のものだ。

 娘が不幸になればなるほどあの娘は最強の鬼へと進化する。

 儂の娘だ。

 儂が育てたのだ・・・』

 と言う地獄から響いていそうなドスの利いた男の声が、【鬼女】の口から出て来た。

 【芳一】は、

「そうか・・・本物の【鬼】は貴女に取り憑いていたのですね。

 では僭越ながら、祓わせていただきます」

 と言って、【鬼女】の左胸に手を突っ込んだ。

 思った通り、【2つの鼓動】がある。

 1つは【鬼女】の、もう1つは【フェアリア】の【母親】を【鬼女】にした本物の【鬼】の心臓だ。

 【芳一】は迷わず、片方の【心臓】を握りつぶした。

 すると、

『ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ』

 と断末魔の叫びとともに、【鬼女】に取り憑いていた【鬼】が消滅した。

 後に残されたのは、元の人間だった頃の【フェアリア】の【母親】の姿だった。

 お世辞にも美人とは言えない。

 だけど、【芳一】は、

「さすが、世界一の美人さんのお母様だ。

 貴女もとても美しい」

 と言った。

 【鬼女】では無くなった【フェアリア】の【母親】は、

「ありがとうございます・・・それだけで私は救われます・・・」

 恐らく【フェアリア】の【父親】も含め、誰にも綺麗だと言って貰えなかったのだろう。

 それを言って貰えてだけで、彼女は救われたのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ