第七章49 【2月14日/初等部4年生活動中】14/これもデートか?
【ティシェイナリア姫】の魂を受け継ぐ、6歳の少女【仁愛・ティシェイナリア姫】に圧倒された【芳一】だったが、デートは続いている。
【芳一】は2つ目のプレゼントとして、【白紙のサイン色紙】を出した。
予備の【サイン色紙】も持ってきていたのでそれは【シェリア用】として渡した。
【芳一】は、
「えーっと、自信過剰って言われるかもだけど、2人は僕の作品のファンだって聞いたから、リクエストして貰ったら、その絵を描こうかな?って思って・・・
ごめん、他に思いつかなくて・・・
【シェリアさん】もリクエストしてもらったら描くよ」
と言った。
それには、【フェアリア】は、
「ま、ままま、まことでござるか?」
と言い、【シェリア】も、
「え?ほほほ、ホント?」
と言った。
どちらも信じられない事として興奮を隠せない様子だ。
喜んで貰えるならそれで良いかと【芳一】も喜んだ。
そしてそれからが長かった。
【芳一】が描くのは色紙一枚分のイラストである。
どんな作品のどの絵を描いてもらうかで【フェアリア】と【シェリア】は悩みに悩んだ。
もはや、デートと言うよりは【芳一】のファンミーティングのサービスと化していた。
【フェアリア】は、
「しぇ、【シェリア殿】は何を描いてもらうでござるか?」
と聞いた。
【シェリア】は、
「え?ちょっ、ちょっと待ってよ。僕も突然の申し出で混乱しててさ。
一枚だからさ、あのスペースに何を描いてもらうかで悩むよね。
マストは、【フィクション・レジェンド】だろうね。
やっぱりどれか1つと言えば、【銀侍】と【カノン】と【くーちゃん(ラスボス/クスンタティーア)のスリーショットでしょう。
問題はどう言うシーンにするかだけど、親子連れの様に【銀侍】と【カノン】が【くーちゃん】の腕を引っ張っているシーンも良いけど、【銀侍】と【カノン】の再会シーンのイラストも捨てがたいし、悩むなぁ~」
と言った。
【フェアリア】は、
「王道で来たでござるな。
拙者は、ちょっとマニアックに行こうかなと思っているでござるよ。
なぜなら、【芳一殿】の実力なら、メジャーになるのも後は運次第だと思うでござる。
そうなれば、王道パターンは他でも描いていただける可能性が高いでござる。
そこでここは1つ、マニアックな作品の方が、貴重になる感じがするでござるよ。
だから、ここはあえて王道から外れて、【宇宙就活フィオナ】の【フィオナ・ジョンソン】か、【蛇遣いの憂鬱】の【蛇遣曇天リノン】か、【彼女達を追って】の【希世姫 千種】か、【うぃっちん&へピー】の【うぃっちん&へピー】あたりがねらい目かと思うでござるよ」
と言った。
「それまたマニアックにせめたね。
僕だったら【パンドラ】の【パンドラ】か、【クエスト・ガイド~冒険案内人】の【九歴 卯月】辺りが妥当だと思うけどね」
「それも捨てがたいでござるな、拙者は他にも・・・」
と言う感じで話題が何時までも終わらない感じだった。
結局悩みに悩んで、【シェリア】は、王道となる【フィクション・レジェンド】と言う物語の主人公ヒロインコンビの【銀侍】が【カノン】をお姫様抱っこしているシーンで、【ちょいちょいちょいな より シェリア・プルスフィリアさんへ】と言う文字を添えてもらった形に決めた。
また、【フェアリア】は、【フィクション・レジェンド】のラスボス、【クスンタティーア】の【第1本体】/【クスンタティーア・セレークトゥース】を中央に配置し、そこから6方向に、
真上/【第2本体】/【クスンタティーア・ルーミス】、
右上/【第3本体】/【クスンタティーア・レクアーレ】、
左上/【第4本体】/【クスンタティーア・ミールクラーム】、
右下/【第5本体】/【クスンタティーア・リステミュウム】、
左下/【第6本体】/【クスンタティーア・レアク・デ】、
真下/【第7本体】/【クスンタティーア・テレメ・デ】、
と言う配置のシンプルな【曼荼羅】状態にして描いて貰い、その曼荼羅の右横に、
【ちょいちょいちょいな より フェアリア・トゥルーヴェリティさんへ】と言う文字を添えてもらった。
その後、デートも佳境を迎え、メインイベントである【チョコレート交換】を済ませたのであった。
その際、【シェリア】もチョコレートを用意していたので、【芳一】は【フェアリア】に買ったものと同じものを買って渡したのだった。
途中、【帽子】に化けている【姫都音】と【マフラー】に化けている【譚抜祈】が変化を一部解除して、デートで食べていた【クレープ】をつまみ食いしたり、【まめぽん】が、【芳一】にエッチなアドバイスをして【ひとちゅー】に怒られたりなど色々あったが、これはデートだと言うことで、それは語らぬが花であろう。
こうして、これもデートか?と思える様な一波乱も二波乱もあった【バレンタインデート】は終了したのであった。




