第七章39 【2月14日/初等部4年生活動中】4/蓋はこじ開けられました・・・
【芳一】が【シェリア】達同伴で【フェアリア】とデートしている頃、【芳一】の公式ストーカー、【万能識のフィナレエンデ】はある【存在?】と会っていた。
【謎】の管理者、【ミステリー・テラー】である。
【フィナレエンデ】がこの存在と前に会っていた頃は、【謎】は13類しか確認できなかったが、現在では、【謎】は相当増えている。
また、【超越】や【出鱈目】など【謎】には収まらない【脅威】も数多くあふれ出てきている。
【祈清】が知っている情報では、
(01)【超態至】/(【超越】)、
(02)【謎歪虚】/(謎)、
(03)【超様謎】/(【超越】&【謎】)、
(04)【理に当てはまらない問題】/【不理問】/(【出鱈目】)、
(05)【答えに迷い散る】/【答迷散】/(【出鱈目】)、
(06)【解の無い完全体】/【無解完】/(【出鱈目】)、
(07)【唯一無二の間違えた種類】/【唯類違】/(【出鱈目】)、
(08)【人の思念と謎の結びつき】/【亡恐謎】/(【謎】)、
(09)【無有変】、
(10)【不在理】、
(12)【想造思】、
(13)【唯絶違】、
(14)【隠例外】、
の14種類にまで膨れあがっている。
【ミステリー・テラー】が知っていたのは、【謎歪虚】と【超様謎】の一部に過ぎない。
その【謎歪虚】は、66類、【超様謎】は49類まで出て来てしまっているとされている。
現時点での【謎歪虚】の第66位、【ミステリー・テラー(謎/神秘の語り手)】、もしくは、【ミステリー・ヒストリー・テラー(謎/神秘の歴史の語り手)】または【禁教】/【禁教師】/※【ミステリー・テラー】の認識内での【謎の第13位】程度の存在が、【蓋】をした程度では、もはや、【謎歪虚】や【超様謎】ですら、全てを抑えきれない程膨れあがっていた。
ちなみに【ミステリー・テラー】が行っていた、【蓋】とは小さな【謎】を手前に出して、大きな【謎】を見えなくすると言う方法であり、例えば、夜空に輝く月を見えなくするには月よりもずっと手前に、対象者の目の前に誰かの手で覆うだけで月が見えなくなるのと同じ方法で、【芳一】の元カノの内、【真緒】以外の3名に【小さな謎】を与える事で、それで他の【謎】を見えなくすると言う方法を取っていたのだが、元カノ3人は【フェアリア】の配下の【サーティーン・カラーズ】によって撃退されている。
それにプラスして、【龍竜体】と契約している【辰巫女】達が、【化果体】を呼びに向かったため、【世界の破滅?】が前倒しになったのである。
【フィナレエンデ】は、
『どうも、役立たずさん・・・お久しぶりと言った方が良いのかしら?
エルフの寿命から考えれば、ついこの間会ったばかりだけれど・・・』
と言った。
【ミステリー・テラー】は、
『これまた手厳しいお言葉ですね。言い訳させていただけるなら、私は私の出来る限りの仕事はさせていただきました。
ですが、貴女がストーキングをされている方と【河池 祈清嬢】の出逢いもいただけなかったのですよ。
原因はそれだけではございませんが、その出逢いにより、【謎】と【超越】だけでなく、【出鱈目】などもこの世界で【存在】を得てしまった。
ここまで来てしまったら、私ごときではどうにもなりません。
予想していたよりも、早く、そして想像を絶するほど大事になってきていますね。
【覇王】となる資格を得る者のレベルが跳ね上がっているのもその内の1つでしょう。
【覇王の中】でも【10番目】に迫る勢いで成長しているのではないでしょうかね?』
『【10番目】・・・ねぇ・・・』
『えぇ。【覇王/オーバーロード】はこの世界の者だけではありませんからね。
他にも存在します。
それらの【覇王】が【超越】や【謎】から主に【世】を守っていたのですが、この世界の【覇王】となられる方にも【主力】として、【世】を守っていただかないと行けなくなる可能性が出て来ましたね。
これまでの様に【お飾り】のただ、存在しているだけの【数合わせのためだけの覇王】で居て貰っては困ると言う事になります。
遊びで【覇王】になって貰っては困ると言う事です。
ちゃんと仕事をして貰える方を選ばないと駄目だと言うことですね』
と言った。
【フィナレエンデ】は、
『うちの【唯野 芳一】はお薦めよ。
彼ならばやってくれる様な気がするわ』
【ミステリー・テラー】は、
『能力と精神的な面でのバランスを考えれば、確かに【唯野 芳一氏】が一番でしょうね。
ですが、現時点ではありませんね。
彼には、もっともっと成長していただけませんとね』
と言った。
『解っているわ。私はそのサポートをするためにいるのだから』
『頼みましたよ』
『ねぇ・・・』
『何でしょうか?』
『蓋は・・・もう、閉じられないの?』
『無理ですね。蓋はこじ開けられました・・・
【唯野 芳一氏】と【河池 祈清嬢】の邂逅だけが原因ではありません。
様々な要素が複雑に絡み合ってそれを為してしまったのです。
やはり、無理に、臭いものに蓋をしていたと言うのが原因なのかも知れませんね。
やれやれ・・・と言う感じですね・・・
困ったもんです、ははは・・・』
『笑い事じゃないでしょう?』
『笑うしかないのですよ・・・こうなってしまってはね・・・』
『なるほど、やっぱり貴方は役立たずだわ・・・』
『否定はしませんよ・・・確かにその通りですから・・・謎の調整者としては失格です・・・このままだと世界は終わりますね・・・』
『それを防ぐのが【覇王】って事でしょ?』
『そうです。ですが、今のレベルでは到底世界は救えませんけどね』
『肝に銘じておくわ』
『宜しくお願いしますよ』
と言う話をしていたのだった。




