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第七章38 【2月14日/初等部4年生活動中】3/三角関係?

 さて、【芳一】には、帽子に化けた【祟狸】の【譚抜祈】とマフラーに化けた【抜狐】の【姫都音】がくっついてきて居て、【フェアリア】の方には、デートなのに背中にしょった大きなリュックに【御神体】の【人形/ひとちゅー】と【怨魔体】の【狸のぬいぐるみ/まめぽん】を詰め込んで、【シェリア】を連れて来ている。

 【芳一】のファッションは、ピンクのセーターの上に青いジャケットを着ている。

 何となくちぐはぐなイメージがある。

 だが、【芳一】よりも致命的なのは、【フェアリア】の方である。

 【フェイクファー】と【フリル】がいっぱいついた【ロリータファッション】プラス【うさ耳帽子】に【トレンチコート】を羽織り【サバイバルリュックサック】をしょっている。

 【ロリータファッション】ならもっと別の持ち物があるだろうがと突っ込みたくなる様な出で立ちだった。

 どうやら【ロリータファッション】と【うさ耳帽子】は、【ひとちゅー】が提案し、【トレンチコート】と【サバイバルリュックサック】は【まめぽん】が提案した様だ。

 【フェアリア】は、折衷案として2人の希望を叶える形で両方採用したのだろうが、違和感しか残らなかった。

 更に類い希な【フェアリア】の群を抜く美しさがその違和感を更に際立たせていた。

 彼女は【婦人警官】に職務質問をされていた。

 そこに、【シェリア】が駆けつけ、

「か、彼女は、日本文化には疎いので、怪しくないです」

 と言ってかばっていた。

 【フェアリア】は、

「かたじけない【シェリア殿】。拙者、曲者と間違えられた様でござるかな?」

 と言った。

 【シェリア】は、

「まぁ、それだけ怪しい格好をしていれば、職務質問もされるだろうね。

 僕らはお互い身を隠して生活している身だろ?

 もうちょっと考えてファッションを決めないと」

 と注意した。

 【フェアリア】は、

「はて、面妖な・・・拙者の格好は何かおかしいでござるか?」

と間の抜けた事を言っていた。

 【シェリア】は、

「相変わらず、独特な感性だね・・・それで芸術を極めた腕を持つんだから凄い・・・

 さすがは僕が惚れた女性だ」

 と言った。

 そう、【シェリア】は、【フェアリア】にも惚れているのである。

 【LGBTQ】の【クイア】である【シェリア】にとって【芳一】も【フェアリア】も好意の対象なのだが、これが【恋愛感情】なのかどうかは彼女には解らないので混乱していた。

 とにかく、自分の半身でもある【フェアリア】と憧れの【芳一】がくっつくのは嬉しくもありちょっと嫉妬する事でもあるという微妙な感情を抱いていたのであった。

 だけどこのまま自分が蚊帳の外なのは嫌だとして、彼女は【芳一】と【フェアリア】のデートに乱入する事を決めて来たのであった。

 【フェアリア】は、

「【シェリア殿】、【芳一殿】との待ち合わせ時間まで後、1時間を切ってしまったでござる。

 急がねば」

 と言った。

 【シェリア】は、

「大丈夫だよ。ものの10分でそこには着くから」

 と言った。

 すると【フェアリア】は、

「そうは行かぬでござるよ。推しを待つのに一時間は心の準備が必要でござるよ。

 もし、【芳一殿】が一時間早く来ていたらどうするでござるか?

 推しを待たせるなど、切腹ものでござるよ」

 と言った。

 【シェリア】は、

「いや、さすがに大丈夫だとおも・・・」

 【・・・う】と言いたかったが、【芳一】は来ていた。

 【フェアリア】同様に【芳一】は待たせるのが嫌いだった。

 よって、【フェアリア】が早く来てしまった事も考えて1時間以上前に待ち合わせ場所に来ていたのだった。

 【フェアリア】は、

「ももも、申し訳ないでござる・・・【芳一殿】を待たせるなど、拙者、何とお詫びすればよいのか・・・」

 と言っていた。

 【芳一】は、

「いやいやいやいや、そんな滅相もないっす。僕の方こそ貴女を待たせるのはどうかと思って早く来ただけだから。それに今来たばかりだから」

 と言った。

 【シェリア】は【芳一】と【フェアリア】が同じ思考を持っていた事に何となく疎外感を覚えたのだった。

 こうして、【バレンタインデート】は始まったのであった。

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