第七章11 【2月4日/初等部4年生活動中】4/【銀髪の少女/フェアリア】登場4
【フェアリア】は絶対的な推しであり、恋い焦がれている【芳一】に逢うために、【人形型の御神体/ひとちゅー】と【狸のぬいぐるみ型の怨魔体/まめぽん】を抱きかかえながら彼の自宅を目指して人目を避けながら行動していた。
その道中に【フェアリア】は、小学生くらいの【少女】の姿をとった何かと出逢い、それに【芳一】のライフワーク作品、【フィクション・レジェンド】のヒロイン【カノン・アナリーゼ・メロディー(ニックネームは【お花ちゃん】)】の名前を与えた。
【お花ちゃん】は人間では無いと直感的に理解していたので警察に届けると言うことを選択せずに同行を許していた。
そして、【フェアリア】は【芳一】の自宅を目指して更に進むのだった。
【お花ちゃん】は、ぼそっと
『・・・永遠の子供の夢の世界・・・気に入ったら女王様になってね・・・お姉ちゃん・・・』
とつぶやいた。
【フェアリア】は、
「え?何か言ったでござるか?」
と聞いた。
『何でもないよ・・・こっちの事・・・』
「そう・・・解った・・・ごめんでござる・・・」
『すぐに謝る癖、直した方がよいと思う・・・』
「あ、そうでござる、ごめんなさい・・・」
『また、言った・・・』
「そ、そうね・・・癖なのかな?・・・ごめ・・・あ、また・・・」
『女王様はそんなに頻繁に謝ったりしないよ』
「女王様?とはどういう意味でござるか?」
『何でもなぁ~い』
「そ、そう・・・」
かみ合っていない会話をしながら、【フェアリア】達は歩いていた。
だが、【フェアリア】がドキッとする言葉を【お花ちゃん】はしてきた。
『ねーねーねー、お姉ちゃん・・・【カノン・アナリーゼ・メロディー】って言う名前も素敵なんだけどそれって【誰か】と同じでしょ?
だからさぁ~私だけのな・ま・え・・・付けてくれないかなぁ~って思って。
名前の最後に【リア】がつくやつ・・・私達の命名権はお姉ちゃんにしかないからね・・・私と後、他に4つ・・・作ってよ・・・【リア】が多い程、強いイメージで・・・』
との言葉に、【フェアリア】は、
(な、何を言っているでござるか、この子???)
と思いつつ、同時に、
(【ファニフィーリア・カノニズム・メロディリア】・・・)
と言う名前が何故かひらめいた。
【お花ちゃん】は、
『うん、【ファニフィーリア・カノニズム・メロディリア】だね。
解った・・・その時が来たら、そう名乗るよ・・・
じゃあ、その調子で後4つお願い・・・【左心/本体】と【右腕】と【左腕】と【身体/盾】の分ね』
と言った。
【フェアリア】は、
「ちょちょちょ、ちょっと待つでござる。
君は何を言っているでござるか?拙者、何のことやら・・・」
と聞き返した。
『なぁんだ、自覚があった訳じゃなかったんだね・・・それはごめんね。
【首/顔】のお姉ちゃんが覚醒したから私が出てこれたんだけど【左脳】のお姉ちゃん、まだ自覚無かったんだ・・・』
「ななな、何を言っているでござるか?
拙者、皆目見当も付かないでござる。もう少し分かり易く・・・」
『解ったよ。
じゃあ、直球で説明するね。私とお姉ちゃんは元々、1つの存在だったの』
「え?元々1つって前世の?でもそれは・・・」
『【全知全能界アンサワルド】の最後の女王【ティコタシウ女王】には後継者のプリンセスが居たの。
それが、【ティシェルリア姫】。
前世の私達の姿だよ。
【ティシェルリア姫】の特徴は、【主軸体】と【従軸体】の2種類の身体を持っていたの。
その内、【主軸体】は5つの身体で形成されていて、
【右脳】、【左脳】、【首/顔】、【右心】、【左心】になってるよ。
(【右脳】や【左脳】などの考え方は人間のものと異なる)
【右脳】と【左脳】を合わせて【頭】、【右心】と【左心】を合わせて【心臓】、【頭】と【心臓】の連絡役を果たす【首/顔】として、3つの身体になっていたの。
全体のパーセンテージは【右脳】が3パーセント、【左脳】が7パーセント、【首/顔】が10パーセント、【右心】が20パーセント、【左心】が60パーセントになっているから、一番濃い【左心】が【本体】とも言われているね。
次に【従軸体】も5つの身体で形成させれていて、
【身体/盾】、【右腕】、【左腕】、【右脚】、【左脚】になっているよ。
【身体/盾】は、防御を司るから60パーセント、手足と言われる【右腕】、【左腕】、【右脚】、【左脚】はそれぞれ10パーセントずつだね。
それで、この世界に顕現されているのは、
【右脳】の【シェリアお姉ちゃん】(【金髪の少女/シェリア・プルスフィリア】)、
【左脳】の【フェアリアお姉ちゃん】(【銀髪の少女/フェアリア・トゥルーヴェリティ】)の2人だけだった。
でも、【フェアリアお姉ちゃん】が
【首/顔】の【ヴィナフェリアお姉ちゃん】(【【超造人間/姫超謎】の【ヴィナフェリア・エクセリア・トゥルーヴェリティ】)、
【右脚】の【ミリア】お姉ちゃん(【人造人間】の【姉】/【ミリア・ニア・トゥルーヴェリティ】)、
【左脚】の【レリア】お姉ちゃん(【人造人間】の【妹】/【レリア・ニア・トゥルーヴェリティ】)、
を作ってくれた。
それで、【ヴィナフェリアお姉ちゃん】の力で、この私、
【右心】の【ファニフィーリア・カノニズム・メロディリア】が名前を貰ったの。
名前を付けられるのは【フェアリアお姉ちゃん】だけだから、私が、残った、
【左心/本体】と【右腕】と【左腕】と【身体/盾】の分の名前も聞きに来たんだよ。
だから、後、4つお願いね』
と言ってきたのだった。
【お花ちゃん/カノン/ファニフィーリア】の言葉に少なからずショックを受ける【フェアリア】。
なぜならば、自分は【主軸体】というものの内、たった7パーセントと言われたのだ。
(3パーセントと言われた【シェリア】には悪いが)オマケの様なものでは無いかと自分の存在価値を疑った。
【お花ちゃん】は、
『何、言ってんだか・・・密度が7パーセントでも決定権は【頭】にあるんだからそれで良いと思うけど?』
とフォローになっていないフォローをしてきたのだった。
【フェアリア】と【お花ちゃん】の会話は続く。