日本の二次元コンテンツはこれからどうなるのだろう? ~漫画、アニメの将来について真面目に考える~
娯楽。
恐らく、人生で一度も娯楽に触れたことがない人間は一人もいないだろう。
いるとするなら逆に教えてほしいくらいだ。その人がどんな人生を歩み、何を考えているのか学術的な知見から興味があるので是非こちらの連絡先にメールを⋯⋯
と、まあしょうもない話をしてすみません。
これ以上グダグダ話すと皆さんブラウザバックしてしまうので早速本題に移ります。
実は最近、あることを思うようになりました。
といっても明確なデータを集めたわけではありませんし、某御方風に言うところの『それって貴方の感想ですよね?』的な話に過ぎないのですが⋯⋯⋯
「最近、ラノベってそんな流行ってなくない?」
ということです。
恐らく私のこの発言によって、全世界推定数億人のアクティブ・ラノベラバーズが私に対して殺意を抱き、私の個人情報を特定して社会的に八つ裂きにする計画を立てるかと思いますが、どうかそれは勘弁してください。
私は皆様方に恨みなど毛頭ありませんし、敵意もありません。
私は悪意あってそう言っているわけではなく、純粋に「何となくそう思ったから」そう主張しただけなのです。
『悪意がなきゃ何を言ってもいいのか』と言われるかもしれませんが⋯⋯それはその通りです。
であればせめて、最期に私の醜い言い訳を聞いてから介錯して頂けると幸いです。
ラノベ流行ってなくない?などと言いましたが、近所の本屋に行くとカラフルなラノベの数々が壁をつくっているのは良く見ますし、売り上げに関してシビアな出版界隈が温情でそんなことをするはずもありませんから、実際はある程度売れているのだと思います。
なろうでも近年は恋愛ものが強力なシェアを占めている気がしますし、それ以外にもスローライフものからバトルものまでいろいろあるなあと感じます。なろうも、一時期の異世界転生バトルファンタジー一色時代に比べると大分環境が変わったなと思いますね。
ただ、同時に思うこともあります。
それは「ラノベに新たな革命は今後起きるのか?」というある種の不安です。
ストレートに言ってしまうと、今後この業界が劇的にシェアを伸ばす未来が現状感じられないのです。
勿論、これは全て私の『感想』です。
ラノベの出版数自体はもしかすると伸びているのかもしれませんし、少なくとも不景気ではないかもしれません。新しいアニメが出て、それがきっかけで別のタイプのラノベが流行って⋯⋯と流行の所在地が変わりながらも一定の需要は確保し続けるかもしれませんし、私はこの業界が『オワコン』になるとはあまり思いません。
ですが⋯⋯私はあることを同時に思いました。
日本は、世界的に見れば恐らく最強クラスの『娯楽大国』です。
漫画のインクで産湯を浴び、アニメを子守唄に物心つく頃にはゲームのコントローラーを握り、子供ながらにスマホを使いこなしては世界中のコンテンツを日時浴び続ける、そんな生粋の娯楽星人が日本人です。
おまけに昨今ではポリ〇レやら人種の壁やらが原因でアメリカでは創作活動に甚大な影響が生まれているのに対し、単一民族性が強く性事情にも寛容で、何なら二次創作を極め過ぎた余りにカオスの領域に足を突っ込む変態が屯する我が国は文化的にも強大なベースがあると思います。
実際に、日本の創作コンテンツは世界的に見ても巨大だと思います。
兆単位のビックビジネスだと聞いたこともありますし、日本の内需が極めて大きいとしても世界で今や日本の二次元産業は一つの超巨大な金のなる木と位置づけられる所まで来たのだと思います。
娯楽というと、例えば"スポーツ"などもその一つですが、ヨーロッパの方では絶大な人気があるサッカーですら人気の低迷を懸念する動きがあるくらいです。
ソースが不透明なので話半分に聞いてほしいですが、あるサッカーに精通した方が「最近の若者はサッカーをあまり見ない。で、空いている時間に何をやっているかというと『サッカーゲーム』だ」とジョーク交じりに言ったなんて話も聞きます。
無論、境地アフリカの少数民族とかだと、独自の民族文化だったり、より直接的でボールがあればできるサッカーなどの分かりやすい娯楽に興じるのかもしれませんが、今は発展途上国もある程度発展し、大半の人がスマホを持ちゲームも軽く楽しむくらいなら課金なしでできて、動画サイトや著作権に喧嘩を売るようなよろしくないサイトを使えば漫画やアニメを海外の人も見れる時代です。体を動かすより、ベッドに寝転びながらでも興じることが出来る娯楽が今後は世界的にも強くなっていくのかもしれませんね。
ただし⋯⋯それは同時に「ビジネス競争が激化する」ことを意味します。
それは世界的にもそうですし、何なら「日本国内でも」そうです。
日本には漫画、アニメ、ラノベ、ゲームと様々な娯楽があります。
それらはある程度差別化されてはいますが、お互いがお互いに全く干渉しない不可侵的立場かと言われれば恐らく違うでしょう。では今後激化が予想されるこの業界の派閥争いで、ラノベは果たして生き残れるのか?
私は敢えてその答えは言いません。
何故なら「分からない」からです。
ある日突然一人の天才が新しいコンテンツを創造してそっちに人と資本が流れるかもしれませんし、漫画やゲームが不景気に陥ればラノベがその恩恵を受ける、またその逆も起きるかもしれません。
それに日本国内の二次コンテンツだけに的を絞りましたが、ライバルはそれだけではないでしょう。
近年では韓国発の「ウェブトゥーン」が国の支援を受けて日本が占有状態にあるこの領域に殴り込みをかけています。
日本ではさほど影響力が無いようにも思えますが、実は南米の一部地域や東南アジア諸国だとウェブトゥーンが広まりを見せていたりもします。また現在日本で使われている電子書籍や電子漫画の販売プラットフォームは韓国系だったりもするので、実は日本市場を攻略するための足掛かりは固められてしまっていたりもします。実際に、最近はウェブトゥーンの広告を良く見たりもしますよね。
ゲームでも中国企業発の原神が大ヒットしたりと、主に東アジアの資本強国がこの分野で静かに火花を散らしている印象です。
では、漫画、アニメ⋯⋯そういった日本が得意とするコンテンツの未来はどうなっていくのでしょうか?
ここからは、全て私の勝手な予想と感想です(前までもそうだっただろ、とはツッコまないでください)
結論から言うと、「産業自体はこれからも成長を続けるだろう」と予想します。
ざっくりしすぎだろ、とツッコまれるかもしれないのでもう少し詳細に言うと、『漫画、アニメ、ゲームといった二次元コンテンツ産業は以後も成長を続けるだろうし、ますます重要な文化財になっていくと予想される。"ただし"、産業内における各勢力の割合、及びそれらコンテンツを所有する国が果たしてどうなっていくかは不透明』という予想です。
では順を追って説明していきます。
産業自体が今後も拡大していくと予想する理由は、主に先ほども言った通り最近の娯楽がベッドに寝転んでも出来るような、より楽に手に入るものを求めるような風潮になっていると感じるのもありますが、そもそも娯楽自体が『大量消費』の時代になっていると感じるからです。
そこで少し私なりの例え話をしようと思います。
皆さんは、高級寿司を食べに行った経験はありますか? 因みに私はあります。
とろけるようなトロの繊細な旨味と、歯ごたえのあるプリプリとしたアワビの弾力。そして何より私が長年ただ食べられるだけの廃棄物だと思い込んでいたウニが、実はプリンのように滑らかで臭みの無い極上の逸品だと知った時の感動は忘れられません。
あの体験はそうそう忘れられるものでもないですし、今でもよく覚えている経験です。
しかし思い出してみると、私はそれ以外でも沢山寿司を食べています。
それこそ近所のスーパーのパック寿司然り、回転寿司然り、手軽に楽しめるお寿司は沢山あるわけです。
確か高級寿司に行った時に払った額は一万円?くらいだったと思いますが、私が過去に行ったことのある高級寿司はその一回限りです。つまり私が寿司界隈において生涯で"高級"に対して支払った額は一万円だと見ていいでしょう。
ですが、パック寿司、回転寿司、その他有象無象寿司に対して私が生涯で支払った額は間違いなく一万円を超えています。つまり"高級"に支払う額よりも、"低級"に対して支払う額の方が高いという逆転現象が起きているのです。
『それはお前の生活レベルが貧相だからだ』という意見もあるかもしれません。確かに、そうかもしれません。世の中には回る寿司など行ったことがないという人もいるでしょうから。
しかし、私はこう思います。
『結局、世の中の経済を回すのは中流以下の人間だ』と。
データがあるかは分かりませんし私の予想に過ぎませんが、経済規模で最も影響を与えているのは高級寿司ではなく、チェーン店の回転寿司や近所のスーパーにならぶパック寿司なのではないでしょうか。
それは経済面に限らず、普段の生活にいかに根付いているかの文化的側面や認知度の意味でも、舌の上でとろけるトロより表面がパサついたなんちゃって赤身マグロの方が強い。私はそう思います。
それはひとえに、そちらのほうが「大量にかつ気軽に消費できるから」です。
勿論、高級寿司に価値がないとは全く思いません。私に唯一無二の思い出をくれたのは高級寿司ですし、需要の観点でも高級を求める富裕層の方々はそちらを求めるでしょうから。これは単なる棲み分けの話でお金諸々の話とは別だと思います。
では少し話が逸れましたが、上記の寿司の話から何か言いたいのか。
つまり、アニメ、漫画といったコンテンツも同じ傾向があるのではということです。
美術館に飾る様な芸術的絵画や哲学的な概念を想起させるような映画も一つの娯楽かもしれませんが、今の時代は見て分かりやすく、楽しいアニメ漫画の方が遥かに「大量消費」の観点から優れていると私は思うのです。
加えて今はSNSの発達によって「大量消費」に拍車が掛かっている状態です。じっくり腰を据えて一つのことを長時間考えさせるようなものよりも、短時間でパッと見てパッと楽しくなれるものに需要が集まるのは当然ではないかと思いますし、特にアニメはその意味で兎に角強烈に"強い"んですよね。
そう考えると、今後最も成長が見込まれる二次元コンテンツは『アニメ』かもしれません。
何も30分見ずとも、切り抜いたごく一部のワンシーンだけでも"アニメ"が成立してしまいますし、短時間で大量消費というトレンドに完全に合致しています。加えてSNSやYouTubeといった媒体とも非常に相性が良く、完成されているものを切り取って流すだけであら不思議。あっというまに百万回再生です。
著作権的観点からは完全にアウトなのでそれ自体を肯定はしませんが、ただでさえ漫画アニメを始めとした二次元文化はアングラな場所から広がった文化的側面もあるので、そういうグレーな広がり方による波及効果も考えるとアニメの影響力は極めて強いと推定されます。
少し余談ですが、前にこんな話を聞いたことがあります。
予め言っておきますが、私の記憶を当てにしたものなので正確性は欠けています。
所謂賞レースのような分野において近年日本のアニメはあまり結果を出せなくなっている。昔のジブリ作品のようなアニメを今のアニメ界隈が生み出せなくなっていることを憂慮しており、フランス?辺りのアニメ映画品評会で日本のアニメ作品が紹介されるたびに少し恥ずかしい思いをしている。幼稚で派手な映画ばかりだけでなく、もっと芸術的で深みのある作品を作れないと日本は世界からおいていかれる⋯⋯といったことをアニメ制作関係者が言っていた記事だったと思います。
確かに、最初その記事を読んだときは「なるほどなあ」と思いました。
ただ時間が経つにつれて疑問が出てきたのです。
というのも、かつてそういった国際的な長編アニメ作品大会で最優秀を取った作品を興味本位でYouTubeで調べたところ、そもそもまるでヒットしなかったという経験があるからです。
他にもいわゆる「芸術的な」作品について調べては数千再生?くらいの所謂バズりからは程遠い作品であるのを見ては、「何でそんなに評価が高いのに注目されないんだろう?」と不思議に思ったものです。
しかし逆に、関係者様が仰る「幼稚で派手な」日本のアニメは事実上の無双状態。
となるとこう考えざるを得ません。
『結局世の中は大層な芸術性など求めてない』と。
芸術家気質を気取ってお涙頂戴のハンカチ販売に勤しむより、純粋に作品を見てアドレナリンを出せるものを作った方が大衆に響く。
これは過去も未来もそうであるとは思いません。
芸術がかつてそうだったように、人々の趣味趣向は変わっていくものですから。
ただ「現時点では」そうなのではないかと思うのです。
そして、そういった余計なことを考える必要なく面白さにダイレクトに直結するアニメ、評論家の皆々様が仰る所の「幼稚で派手な」アニメが結局は最も需要、そして"金"を生んでいる。そう結論付けました。
仮に日本が芸術嗜好に走り、そういった幼派手アニメを駄作と切り捨てて一億総ジブリ化をしていたらどうなったか? 私は今ほどアニメ産業は成長していなかったのではないかと真面目に思います。
逆に、それこそウェブトゥーン産業筆頭に現在国をあげて二次元コンテンツにも力を入れている韓国辺りがアニメのシェアも奪っていたのではないでしょうか。それこそ、日本の芸能業界が敗北したKpopと同じように。
少し話が逸れましたが、アニメの影響力は時代の波に押される形で今後も加速していくだろうと自分は考えます。
まあ⋯⋯アニメ制作もいろいろ闇が深いと聞いたことはありますが、そういった部分のリスクについては専門家ではない私が語ることは今回は避けます。私はただ、業界における闇の部分が足を引っ張らないことを願うばかりです。
と、ここまで主にアニメについて語りましたが、漫画についても概ね同じです。
特にアニメの相乗効果によるバフが強いので今後も需要は根強く残ると思います。
ただ、SNSに翼を授けてもらい、勝手にパタパタ世界中に飛んでいけるジェネリック・レッドブル属性持ちのアニメに比べて漫画については少し改善の余地があるのではないかとは思います。
というのも日本で供給される漫画の数に比べて、他の諸外国で実際に手に入る漫画のバリエーションは極めて少ないという話を聞くからです。
日本では漫画コーナーが本屋の半分を占有しているというのもあるあるなくらいメジャーかつ簡単に漫画が手に入りますが、海の向こうで中々難しい状態だそうで。
個人的には、出版社が正式に海外版漫画販売プラットフォームを用意して場所を選ばず電子コミックとして漫画を買えるような環境づくりをしたりすればいいんじゃないかとも思うのですが、そういうのってやってるんでしょうか?(この辺いまいち分からないので教えて頂けると幸いです)
海賊版やらが蔓延っている理由はその辺の整備が整っていないからじゃないかとも思うのですが⋯⋯それこそインドとか南米、東南アジアみたいな場所だと本屋でコミックをズラッと並べているともあまり思えないので、いっそ海外では冊子ではなく電子書籍!と割りきってネット上でのビジネスに切り替えるのもアリなんじゃないか⋯⋯とか思ったりもします。
⋯⋯ただ、アメリカだとアメコミの置き場所が日本のコミックに侵略を受けている(需要がアメコミを上回っているから)なんて話も聞くのでその辺の事情も変わってきているのかもしれませんが。
あと東南アジアだと、そういう著作権的認識が大分壊滅的だそうで。
露店で普通に今もコピー商品が売られてたりするなんて話も聞くので、現実は中々難しいのかもしれません。
漫画もアニメもそうですが、やっぱりグレーな形で世に広まるのは認知度を上げるという意味ではアリな反面、本来得られる収益が得られないという闇の側面もあるため業界の人にとっては頭が痛い話なのかもしれません。
私自身の意見だと、多少収益は犠牲になるにせよ世に広まることによるメリットを考慮すれば多少のグレーゾーンは許容すべきじゃないかな、とも思うのですがこれについては人によって意見が分かれるかもしれませんね。
玉石混合の側面はあるにせよ、日本の漫画の質は非常に高いと感じるだけに海外でもメジャーからマイナーまで様々な作品をパッとスマホで検索して買えるようになればより漫画の売上も上がるし、コンテンツとしての強みも増すのではないかと思います。日本の漫画=紙媒体、という認識がまだ海外では強いようですが、出版各社の方々には是非その辺頑張ってほしいなと思います。
と、つらつらと書きましたが漫画、アニメについてはそれくらいですね。
ラノベやらゲームやらも言いたいことはありますが、今回はこれくらいにしようと思います。
そして最後に⋯⋯『漫画、アニメで日本の立場を脅かしうる勢力はいるか』について少し考えようと思います。つまり、日本一強状態の現状に穴を開けてシェアを奪う存在はいるかという話です。なおマーベル作品やディズニー作品をこの枠に入れていいのかは正直迷いましたが、今回は外しました。
これについては、正直ほぼいないと思います。
マーベル、ディズニーの動向次第で変わるかもしれませんが、今回その影響については排除しました。
強いてその可能性があるとするなら東アジア諸国、特に前述したウェブトゥーンを売り出す韓国かとは思いますが、ウェブトゥーンが日本の牙城を崩すのは極めて厳しいでしょうし、出来たとしてもかなり後の話になると思います。
まず「東アジア以外の国が急に二次創作に力を入れ始める」という可能性もあるにはあります。
しかし、現状は極めて難しいでしょう。
というのも、この分野でどうしても重要になってくるのは「文化」だからです。
特に日本でこの文化が発展した理由は性的な認識や宗教観、二次創作に関する寛容性などの文化的地盤が圧倒的に固いことや、ある程度経済面でも恵まれたものがあるのが大きいと感じます。
改めて世界中を見てみると、特に宗教観でハードルが高いように感じます。中東諸国の人たちが異種族レビュアーズを創り出す絵面なんて私には想像すらできませんし。
あと、日本の作品って不思議と「デフォルメ」が上手いなと感じるんです。
たまに中国の人の作品とかを見ると、思わず「ウッ!」と思う様な生々しい絵とかグロ描写が多かったりするんですが、その辺のバランス調整が日本の作品は上手いなと感じます。
恐らくそれは文化の力じゃないかなと思うんです。
言い方アレかもしれませんが、ド素人がF1カーに乗ったらエンジンをふかして急加速からの壁に突っ込んで大爆発するのと同じように、普通ならそういう際どい描写のギリギリを攻めると爆発します。
しかし日本で創作にあたる方々はエロからグロまであらかた知り尽くした真性の変態でしょうから、逆にその辺を知り尽くし過ぎて"やり過ぎない"ギリギリを制御できる一流のスーパーレーサーなんじゃないかと思います。
そう考えると、そういった自由な創作が許されて、かつ選りすぐりのスーパーレーサーもといド変態が創作に勤しめる環境というのはぶっちゃけ日本くらいしかないと感じるのです。
その意味で文化的にも日本に似ていて、経済的にも余裕があり自由な作風が許されるのは台湾か韓国くらいかと思いますが、特に日本を喰う野心を感じるのは韓国かと思います。
日本韓国の両国間のすったもんだは話すと別問題になりそうなので割愛しますが、確かにウェブトゥーンはデジタルコンテンツですし簡単にスマホで見られる分、前述した日本の漫画のデジタル化等の問題を既に解決しているとも言えます。
最近は日本のアニメ会社が韓国のウェブトゥーンをアニメ化するという話もありますし、それをきっかけとして日本の牙城を崩すという考えがあってもおかしくない、というか間違いなくそう考えているかとは思います。
主題歌を有名なkpopのアイドルに歌わせたりすればその層のファンが見るでしょうし、その意味では最も日本を攻略しうるポテンシャルがあるのは韓国ウェブトゥーン、となるのももっともです。
ただ、私はその辺りのウェブトゥーンの強みを理解した上で、「それでも難しい」と考えます。
というのも、私は過去に結構な数のウェブトゥーン作品を読んではいるのですが、大体総じて思うのが「日本の漫画と似た展開が多い」というのと「面白さが持続しないな⋯⋯」というものです。
作品の印象としては、日本の作品のコピーにならないように着色やコマ割りなどを派手にしたりと、いわゆるパッと見て分かる部分では差別化したり、なんならモノクロの日本漫画より勝っている部分もあるように思うのですが、話の展開に日本の作品特有の狂気じみたこだわりを感じないんですよね。
例えるなら歴代上位のなろうで高評価を得た作品を真似して量産された有象無象のなろう作品を見ているようで、最終的に日本の作品との差別化要素に色の付け方やキャラの書き方のようないわゆる"見た目"に活路を見出している作品が多すぎるかなとは思います。
ようは、文字通りルッキズムですね。
無論、中にはこだわりを感じるものもあるにはあるのですが、やはり創作の文化が未成熟なせいか表面はなぞれてもその先のドロドロした変態性までは真似できてないと思いました。
あとウェブトゥーンは一話単位で売っているためか、だんだん話がその場しのぎならぬ「一話しのぎ」になって先細る、ようはつまらなくなるというケースも多いと感じます。それでも売る側としては一話売れれば収益なので良いのかもしれませんが、全体として見るといまいちになっているのに気づきにくく、気が付けば駄作になっているような感じです。
とはいえ「大量消費」の観点から見ればある意味ウェブトゥーンは一話単位で安く売り、ウェブ上で気軽に買える利便性を売りにしているので時代に合致しているとも言えます。ただ言っちゃアレですが、日本の漫画に色付けて冊子ではなくウェブ上で一話単位で売ったら完全にウェブトゥーンの上位互換になってしまうとも思います。
その辺の未熟さがウェブトゥーンの課題であり、韓国の文化の成熟が及んでいない所なのだろうとは思いますが文化の成熟が進む、もしくは全く別の活路を見出して課題を解決したりした場合には、日本のアニメ漫画の脅威になるのではないかと私は考えます。
現状、それ以上のことは言えません。
アニメ漫画の需要拡大と共に現れるであろうビジネスライバルに関しては現状、海の向こうではなく同じ島の中、日本国内の同業者であろうというのが私の考えです。
と、およそ9500字もの長文に読者の皆様を付き合わせてしまったことをここに深くお詫び申し上げます。
総括すると、
・日本の二次元創作コンテンツ、特にアニメはこれからも需要拡大していくだろうし、世界的にも巨大な娯楽コンテンツとして成長するでしょう
・一ファンとして応援しているので、業界の皆さん頑張ってください。
ということです。
私自身気が付けば一万字もエッセイを書いてしまい、もう疲れて仕方がありませんのでこの辺りで筆を置かせていただきます。
なお、このエッセイは全て私の思い込みと真偽不確かな記憶の集合体から生み出された、便所の落書きに勝るとも劣らない駄文でありますため、どうか内容の良し悪しに関しては穏便にして頂けると幸いに存じます。
私もしがない一作者としてこれからも作品を書き、時には読みと二次創作の世界を楽しんでいきたいと思います。
それでは、失礼いたします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。