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作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

うーん。この作家に出てくる子、私のように浅ましくて、あんまり好きではありません。でも人間臭さが嫌いになれません。

愛憎籠った感情です。


「ふふふ。有難う御座います。凄く嬉しいです。でももっと、私ではなく、私が作った登場人物を見て下さい。この子達を通じて、私を見るのではなく、もっとこの子達を見てあげて下さい」

彼女はそう言って、自身が作った小説を愛おしげに眺めた。


事の発端は俺が相手の小説を褒めた事から始まる。登場人物の一人一人が優しくて、暖かくて、優しい世界が広がっていた。作者である彼女が穏やかで優しいからかも知れない。作家の気質が反映されている様に思えた。だから思いのままにその感想を伝えた。

「貴方みたいだ。どの子も皆優しい。やっぱり作者の嗜好とか、浮き彫りになるだな」

そう言われた彼女は僅かに大きく目を見開いて、少しだけ眉根を下げた。困った様な表情だった。苦笑い。と言う言葉が的確で、心からは笑っていない様に思えた。

それから上記の台詞である。『もっと、この子達を見てあげて下さい』。

「……」

「私がどうしようもない悪人で、出てくる登場人物が全て優しかったとしたら。この子達は偽善と囃されてしまうのでしょうか?」

前を見ると静かな海の様な目で此方を見詰めていた。幾度となく自分の息子、娘である原稿を撫でながら、彼女は静かに問い掛ける。

俺は真剣な顔で彼女を見る。傍から見れば睨んで居るようにも思える表情だと思う。それでも彼女は視線を逸らすこと無く受け入れた。

「そんな事はない」

「有難う御座います。別物ですよ。私とこの子達は」

そう言われた瞬間、黙って彼女の原稿に手を伸ばした。もう一度、登場人物と向き合う為に。彼女は突如伸ばされた手に臆する事無く、黙って原稿を差し出した。

文章の一つ一つに目を向ける。優しいだけの世界だと思っていた。けれども文章の端々に目を向けると、仄暗い、現実の過酷さを物語っている。其れは読んで、思考し無ければ分からない境地であった。

「よく見て無かった。何も」

「良いんですよ。私もズルをしたので。私の事を優しいと感じている人に、これを読ませた。登場人物と私の人格を混同しそうな方を選びました。その上で、『仄暗い』と仰られたら、私は本物になれたと思うのです。でも最後は駄々を捏ねてしまいました。全てにおいて半人前。小賢しい真似をして……申し訳ありせん」

彼女はそう言って、深深と頭を下げた。その様は美しくも醜い、この登場人物のようだった。

すみません。ご不快に思われる事もあるかも知れません。

嫌な思いをされなら、ミュート、ブロック宜しく御願いします。


例えば凄くいい作品を書いたとして、後からその作家さんが不祥事を起こしたとして、その作品に罪はあるのかと。

作品が茶化されても、甘んじて受け入れるべきなのかと。


勿論、作家さんに限らず。です。

演者さんが演じたキャラが茶化されても甘んじなくてはいけないのかと。

代役を見つけるにしても、同じ技量、似た性質ならば受け入れられます。

でも、そう出なかったら、しばらく時間がかかると思います

複雑ですね。感情ぐちゃぐちゃです。


だからこそ、そっとしてあげなくては。

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