大好きなお兄様に溺愛されています。9
「わかったよ」
ジョニーがため息まじりで言うと、リラは勢いよく立ち上がった。
「認めてくださるのですか?」
今日初めて声を上げたリラを見つめ、ジョニーは唇に人差し指を当てて悪戯っ子のように微笑んだ。
「ただし、まだ誰にも言っては駄目だからね、僕たち家族の秘密だよ」
リラは頷き、椅子に座った。
ライラックが誰にも見えないようにそっとリラの手を握った。
気付いたリラがライラックを見上げると「大丈夫」と声を出さずに言って微笑んだ。
リラは本当に認めて貰えたのかよくわからず、不安になってライラックの手を握り返した。
ただ、少なくともジョニーは2人のことを悪くは思っていないようであった。
「一週間離れるなんて初めてだから、不安になるのはしょうがないよね」
ジョニーが笑うとジェイスも笑った。
「婚約する事でリラの気持ちが少しでも落ち着くならいくらでも婚約すれば良い」
「いや、婚約なんて一回しか出来ないから。普通」
冷静に切り返しライルは口元をテーブルナプキンで拭った。
「一週間・・・ですか?」
プルプルと震えるリラに気づかず、ジョニーが答える。
「そうだよ。魔力検定合宿と言ってね、去年ライルも行った集まりだよ。ライラックもライルと同じように検定後合宿に参加させられちゃうと思うからね。大体一週間見越した方が良いかなぁ」