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大好きなお兄様に溺愛されています。6




「・・・っ!」


昨夜から続く甘い微笑みにリラの心臓は早鐘を打つ。

今までにこんな表情を見た事はあっただろうか。


「大丈夫?」


急に俯いたリラを心配したライラックは顔を覗き込もうとするが、必死に大丈夫だと何度も頷いて真っ赤な顔を見られないように俯き続けた。


しかしその甲斐なく、髪の隙間から見える耳や首筋までもが真っ赤に染まっている事にライラックは気付いている。


しばらくの沈黙の後、チュッと音をたててリラの耳に口付けるとライラックはベッドから出て、服を着替え始めた。


それを見たリラも急いでベッドから降りる。

もうすぐライラック専属の執事が来てしまうかもしれないからだ。


「そんなに焦らなくても良いのに。それにアランは気付いてるよ、リラと毎日寝ている事」


リラが慌てて扉を開けようとした手をとめて振り返るとライラックは微笑んだ。


「一緒に寝てても、まだ周りは仲の良い可愛い兄妹にしか思わないから大丈夫だよ。でも、婚約の話が明るみになったら怒られてしまうかもしれないね」


口元に手を当てて笑うライラックは本当に美しかった。

リラは真っ赤になりながらまた朝食の時にと伝えて部屋を出た。


部屋に取り残されたライラックはシャツのボタンをとめながら口元をゆるめた。







「かわいそうなリラ。私なんかに捕まってしまって」




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