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大好きなお兄様に溺愛されています。55



(ジェイス殿っ?!)

リラ、ライルとライラックが驚きに目を見開く。


「・・・おおらかなお母様にはあまり似合わない敬称ですね」

「リラ、ごめんね。兄は昔気質な人のようだ」



半ば呆れたような表情をしたジェイスがライラックを手招きするので、リラに声をかけて手を離し、ジェイスの座っているソファーの横に行き、立て膝をつく。

ジェイスはコソッとライラックに話しかけた。



「あいつは本当にユアンの息子なのか?なんかヤバそうだが・・・」



(義母上に言われたくないでしょうが・・・最近、変わった本を読んでるみたいだし・・・その本の影響かな)



失笑して「残念ながら」と言って頷く。

ジェイスが諦めたようにティーカップを持って口元に運んだ。



「まあ、好きに呼んでくれて構わないけれど・・・」

「じゃあ、姐さんでお願いします!」

「はぁ?」



ライルが大きな声を上げる。



「お前、馬鹿なの?」



今まで見たことのないライルの暴言にリラとライラックまでもが固まってしまう。



「ジェイス殿がダメなら姐さんと呼びたいんだがなにがいけないんだ?」

「お前の姉さんじゃないだろ。・・・私のお母様だ!!」





部屋が一瞬静まり返る。



「ライル・・・マザコンだったんだ・・・」

「お兄様・・・」



若干というよりもかなりひいたライラックとリラの声に気づいてライルがコホンと咳をした。



「私はライルが大好きだぞ」



ジェイスがふんわりと微笑む。



「お母様・・・」



ジェイスの一言で穏やかな雰囲気になり、ライラックはジェイスから離れてリラの元へ戻った。



「勿論、リラもライラックもな」



その言葉にリラとライラックは見つめ合った後、ジェイスに微笑みながら頷いた。



「姐さん・・・」

「エディ様は普通です」



期待して瞳をキラキラさせているエディに向かって容赦なくジェイスが言った。



「えっ?その流れだと私もそう言っていただけるのではないのですか?」



どちらが王族かわからない。

エディは明らかにジェイスを敬っていた。



「知り合って間もないではないですか。しかも話したのはパーティーを除いて今日で2回目ですよ」

「愛に時間は関係ありません」



エディがソファーに近づいてジェイスの手を取る。









「・・・なんか、エディが義母上を口説いてる様に見えてくるんだけど」



リラがライラックの服を引っ張って小声で言う。



「ライラック!エディ様を呼び捨てにしてますっ」



ライラックが微笑み、慌てているリラの頬に口付ける。



「・・・っ!!」

「大丈夫、だれも見てないし、聞いていないから」



リラの頭を撫でて口付けた。

リラとライラックが甘い雰囲気を出して盛り上がっている間にライルは立ち上がりエディのジェイスを掴んでいる手を叩いた。




「エディ様、母を口説くのはやめてくれませんか?」



エディの視界を遮る様に前に立つとライルがエディを睨み付ける。












「騒がしいなぁと思ったら・・・何してるの?」


場にそぐわぬ低い声が聞こえてきて、一同がその声の方に向く。

この城の主人、ユアンが音も立てずに入り口に立っていた。


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