大好きなお兄様に溺愛されています。5
5話から本編になります。
よろしくお願い致します。
カーテンの隙間から朝日がもれていた。
あまりの眩しさに、リラ・ワイズは目を覚ました。
目の前には金色のサラサラな髪が陽の光を浴びてキラキラ輝いている男の子が眠っている。
リラの兄、ライラックだ。
寂しがり屋のリラは独りで寝る事が出来なかった。
そろそろ独りで寝る様にと親に自分専用のベッドを用意されたが、ベッドに入っても寝付けないため、結局毎日ライラックのベッドに潜り込んでいる。
何故かライラックに頭を撫でられると自然と眠りにつく事ができた。
大好きなライラックの側にいることがリラの幸せだった。
あまりにいつもと変わらない情景に昨日の出来事は夢ではなかったのかと思ってしまう。
リラはライラックを見つめ、そっとライラックの髪に触れた。
髪に触れられる事は常だったが、自分から触れたのは初めてかもしれない。
「そんなに見つめないで」
寝ていたはずのライラックが、リラの手を掴んでその手に口付けるとクスッと笑った。
「起きていたのですか?」
びっくりして、後ろに下がりそうになるリラの背中をライラックはそっと支える。
「さっきね。あまりにもリラが可愛かったからついつい寝たフリしてしまったよ」
そう言ってリラの額にキスをして微笑んだ。
「おはよう、私の可愛いフィアンセ殿」