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大好きなお兄様に溺愛されています。41



2人はゆっくりと王宮で過ごし、ワイズ家に戻った頃には昼を過ぎていた。

婚約パーティーまではワイズ家で過ごし、ライラックが2人の当日着る服を用意するだけで、後はユアン達が準備を進めてくれた。


パーティー後から王宮にリラが一緒に住むことはユアンの手腕でジョニーに話をつけたらしく、話し合って帰ってきたジョニーはぐったりとしていた。

一緒に行ったジェイスはいつもと変わらず笑顔だったけれど。







「しかし、あいつは全く変わっていないな」



ジェイスが笑いながら言うと、ライラックが首を傾げた。



「義母上は私の両親ととても仲が良かったんですね。知りませんでした」

「ああ、私はユアンの元婚約者だからな」



リラとライル、ライラックまでもが絶句した。



「それは・・・どう言うことで・・」



ライルが冷や汗をかきながら問うとジェイスが何事もなかったかのように言う。



「私とジョニーとユアンは幼なじみでな。とりあえず婚約してくれと言われてしていただけだ。本当の妃候補が出来るまでの肩書きかな。だからユアンがケイトを見つけたときやっとかよと思ったね」

「はぁ」



納得いかないような顔をするライルの肩をジェイスが叩いた。



「想像より遅くなってジョニーを待たせてしまうことになった」



ジェイスの言葉からすると、婚約中にはすでに2人は両想いだったのではないかとライラックは思った。



「・・・すみません」



ライラックが捨てられた子犬のように元気がなくなってしまっていた。

まさか親子二代にわたって迷惑をかけているとは思わなかった。



「君が気にすることはないよ。婚約者がいることは知れ渡っていたけれど、それがジェイスだと知っていたのはごく1部だからね。それに僕もまさかジェイスと結婚するとは・・・いてっ!痛いから!」



ジェイスがジョニーの耳を引っ張る。

仲が良いのだか、悪いのか。いつもの様子にライルやリラは声を上げて笑った。

ライラックは変わらず眉をさげていたのだが。






パーティー当日。

ワイズ家の使用人達はジョニー達を着飾るために朝から忙しなく働いていた。

一通りの準備が終わる頃には約束の時間ぎりぎりになっていた。



「じゃあ、行こうか」



ジョニーの声かけで馬車に乗る。

ライラックは前日から王宮にいるので、4人で馬車に乗った。



「なんかライラックが居ないと変だよな」



ジェイスがリラの肩を抱いて言うと、リラが何度も頷いた。



「最後の日くらいみんなで過ごしたかったです」



ライラックはワイズ家の一員だった。

これから2人でワイズ家を離れるならみんなと一緒に過ごしたかった。



「まあ、オーランド殿下が結婚したら2人揃って戻っておいでよ」



ジョニーの言葉にリラの瞳が輝く。



「はい!!」



ライラックともいつかワイズ家に戻りたいねと話していた。

ジョニーのお墨付きだったらもう迷うことはない。



「お父様大好きです!」



リラが笑顔で言うとジョニーやジェイス、ライルも嬉しそうに微笑んだ。





ある日の小さい幼馴染な3人


「ジェイス、すごいよ!海まで見える!!」


先に屋根に上がっていたユアンはジェイスの手を引っ張って屋根裏部屋から外に引っ張り上げた。


「本当だ!あの光は船じゃないのか?」

「ああ、向かい側の船に信号を送ってるみたいだね。ねえジョニー、なんて言ってるか教えてよ」

「ちょっ!殿下、私は肉体派ではなく知的系男子なんですよ!!」


屋根裏部屋から顔を出すジョニーは外の風景に息を呑んだ。


「知的系男子でもたまには筋肉系?男子でもよいんじゃないか?」


にかっと笑って振り返るジェイスとユアンにジョニーはため息をつきながらも「仕方ないですね」と言って海を見つめた。




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