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大好きなお兄様に溺愛されています。38




「・・・初耳だけど」

「それはそうだろう。陛下のサプライズだからな」



珍しくライラックが呆けた顔をするので、オーランドは少し愉快な気持ちになる。

何故かものすごく楽しい。



「リラの父上は知ってるの?」

「そこもサプライズだろうな」



まるで譲歩しているかの言い方にライラックは目を見開いた。

(確かに私は一緒にいたいけど・・・)

視線に気付いたリラが、ライラックに微笑みかける。



「離れないでずっと一緒にいられますね」

「えっ?リラ、良いの?!だって、いきなりだよ?」



リラがジョニー達を大好きな事はわかり過ぎるくらいわかりきっている。



「はい。確かにお父様達ともっと一緒に居たかったのですが・・・ライラックと離れる事は、ずっとずっと嫌だと思ってました」



リラが頬を染める。

たかが1年と周囲は言っていたけれどライラックにとっては永遠に感じる。

それでもリラとジョニー達の時間を奪うことは忍びなかった。

これからリラを永遠に奪うのだから。



「ライラックは私が一緒に住むのは嫌なのですか?」



涙を浮かばせて見つめてくるリラをライラックは抱きしめた。



「そんなことないよ。・・・リラを連れ去りたい気持ちを我慢してたんだよ?リラは本当に良いの?」



腕の中でコクンと頷くリラが可愛くて、少し腕を緩めて頭にキスをする。

びっくりして顔を上げたリラの唇に口付けて、お互いの額をすり寄せた。



「リラ、愛してるよ」

「私も愛してます、ライラック」



再び口付けようとした2人の横で、明らかにわざとらしい咳をするオーランドに気づいたリラがライラックから離れようとするが、ライラックが離さなかった。



「喜んで使わせていただくよ、ありがとう兄さん」



初めてお礼を言われたオーランドは目を見張るようにライラックをみると、フッと微笑んだ。



「陛下がこちらに来るからそれまで2人で寛ぐと良い」



オーランドが部屋を出ると、ライラックがリラに口付けをした。



「待ってくださいっ・・・陛下が・・・」

「大丈夫、予定の時間より早いからまだ来ないよ?・・・続きしよ?」



ライラックの言葉にリラが息をのむ。

いきなりユアンが来た時、平静でいられるのだろうか。



「リラ、愛してる」



耳を口付けられながら言われてしまえば、リラは応える事しかできない。

リラが弱いところはライラックが一番良く知っている。



「ライラックはずるいです・・・」



リラが涙目で言うと、ライラックが妖艶にほほえんだ。


「そんな私が好きだよね?そして、私に甘いリラが好きだよ」




2人は笑いあって、口付ける。

ユアンが来るまで、2人きりの時間を堪能した。
















「どう?気に入ってくれた?」



部屋に入るなり、そう言ってソファーにもたれかかった。

流石、この城の主人のユアンである。

新しく作られた部屋はとても似合っていた。



「あまり華美ではなく、それでいて質の良いものを揃えたんだ」

「ありがとうございます!凄く素敵です」



幸せそうに微笑んだリラを眩しそうにユアンが見つめた。



「ライラックがいなかったら、間違いなく私が求婚していたよ」



ユアンがこれまでにない極上の笑みをリラに向けたため、ライラックが咄嗟にリラの頬を両手で包み込み自分に向けさせる。



「リラは見なくて良いから」



少し引きつった笑みを浮かべるライラックにリラは笑った。



「ライラックがこんなに慌てるの初めて見ました」



あまりにもリラが楽しそうに笑うので思わずライラックも笑ってしまう。

その様子をユアンが愛おしそうに見ていた。




「パーティーはね、身内でやるつもりだよ。だからそんなに緊張しないで。それに、服以外は私とケイトで考えるから楽しみにしていてね。なんせ初の婚約パーティーだからね」



まるで初孫を祝うくらいの勢いにライラックは目を細めた。



「楽しみだなぁ」


そのまま鼻歌でも歌いそうだ。



「・・・陛下、私は3番目ですが」


「だから良いんじゃないか。1番目だったら格式ばらなければいけないけど、3番目で一番始めなんだから楽しまなくてはね」



ライラックは一瞬2番目の兄を思い浮かべたが、すぐさま頭から消し去った。


きっと王宮でもワイズ家と同じ扱いを受けているのだろうから。



鋭い観察眼?!のジョニーさんに聞いてみました。





一言で言うとどんな人ですか?


ユアン→天才

オーランド→真面目

エディ→馬鹿

ライラック→リラ

ライル→秀才

リラ→ライラック


ジェイス「おい、なんか1人変なのが混ざってるぞ」

ジョニー「・・・そうかな?」

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