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大好きなお兄様に溺愛されています。32




「第一王子ならまだしも第三王子であまり聞いた事無いんだけどね。でもユアン陛下はお望みなんだ。契約書にサインしたら、結婚は逃れられない。それでも良い?リラ」


ジョニーの言葉にライラックが不安そうにリラを見る。

リラの手のうえに乗せているライラックの手が少し震えているような気がして、リラはライラックに微笑んだ後、ジョニーを真剣な目で見つめた。



「勿論サインさせていただきます。婚約の時点で、ライラックお兄様と永遠を誓えるなんて、喜び以外の言葉は見当たりません」


リラの言葉を受けてライラックがリラの手を強く握った。

もう逃さないというように。




「そっか、了解。じゃあ、ちゃっちゃと書いちゃおうか」


ジョニーがペンをライラックに渡してライラックがサインすると、リラにペンを差し出す。

リラは頷いてペンを受け取り書類にサインした。



「じゃあ、陛下に渡しに行くね。・・・ライラックとリラも行く?」


軽く言うジョニーに、ライルが声を上げた。


「お父様!リラに危険がおよぶかもしれないんですよ」

「そうかなぁ、逆に牽制になると思うよ。まあ、ライラック次第だと思うけどね」


ジョニーがライラックにウインクをする。

つまりライラックの家族にリラを紹介しろという事なのであろう。


約束の日まではまだ時間はある。

ここで動く事ですぐに離れ離れにされて一緒に暮らせないかもしれない。

それでもリラの性格上、相手に紹介されないとはやりきれないと思うのでないか。



「リラ、支度出来る?」

「えっ!?はい!!」


ジェイスが立ち上がり「私が手伝う」と言ってリラの手を取った。

リラとジェイスが部屋を出た後、ライルがライラックに詰め寄った。


「おい!陛下が危惧していたではないか。第一王子と第二王子がリラを狙っているって。それをわざわざ・・・」

「契約書を交わしているんだ。大丈夫だよ。それにリラが婚約者の家族に会わずに過ごせると思う?あれだけ周囲の人間を大切にする子なんだ。早めに会わせてあげたほうが良いよ」


ジョニーがライルの頭に手を乗せた。


「まあ、まあ。弟の事を信じてあげてよ」


全てはジョニーの作戦通りなのかと、ライルはため息をついた。





支度を終えると、ジョニーとライラックとリラは馬車で宮殿に向かった。

宮殿に着き、ライラックにエスコートされて馬車から降りると初めての宮殿にリラは感嘆の声をあげる。



「とっても大きいですね」

「リラと初めて出会ったのは、奥にある王宮なんだよ」


ライラックはそっとリラの手をとって指を絡めながら握った。


「えっ?」

「赤ちゃんのリラを陛下に見せに行ったら偶然ライラックに会ってね。出会ってすぐにリラにキスするとか本当に普通じゃないよね」

「えっ??」

「リラの初めては全部私の物ですよ、父上」



飛び交う言葉にリラはびっくりして2人を交互に見る。


「まあ、その辺の話は後でゆっくりライラックから聞いてね」




どんどん中に入っていくジョニーについていく事に必死なリラをライラックは愛おしく思い口元が緩んでしまう。

しかし、これから会う相手を思い出して気持ちを切り替えた。



「父上、私たちが来ることは・・・」

「うん。思念送ったから知ってるよ。第一王子と第二王子も呼んだみたい。王妃もね」



ライラックにとっては本日二度目の応接室の前にいた。


「リラ、大丈夫?取り敢えず挨拶すれば良いだけだから」

「はい」


緊張からかリラがライラックの手を強く握った。

その手をライラックは自分の腕に添えた。



「初めの挨拶だけで良いから。後は私とお父様にまかせてね」


リラはコクンと頷く。

ジョニーが扉をノックした。







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