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大好きなお兄様に溺愛されています。30




「あぁ、そういう事」


ジョニーが顎に手をあてる。


「この前、初めて声かけてきたと思ったら僕の家で現在の国の状況について討論したいとか言ってきたんだよね。ライラックの事がバレたのかと思ったけど、そんな様子じゃなかったから・・・なるほどね」

「どっかでリラちゃんが可愛いと聞いたみたいだよ。本当迷惑だよね。くだらない」


何処で漏れたんだろうとジョニーは思った。

外に出たのはライラックに見初められた日と、リラブランドの店に顔を出した日だけれど。

宮殿からの使いが来ても塀から中には入れないほど徹底しているのに。



「・・・潰しますか?」


ライラックが地を這うような声で言う。


「いや、一応跡継ぎだから。君は王とかやりたくないでしょ?それに私の跡を継ぐのはあの子が良い」

「それは貴方が引いたレールをそのまま変化なく政を行うからですか?」


ユアンが一瞬目を見開くと呆れたようにため息をついた。


「ねぇ、全然交流ないのにどう言うこと?ジョニーがなんか吹き込んでるの?」

「さあ。僕は自分の価値観を息子に押し付けたりしませんよ」


目を細めてジョニーを見るユアンが恐ろしく、ライルは少し後悔した。

なぜここに来てしまったのかと。


「まるでお前もそう思っていると言ってるみたいだな。・・・まあとりあえず、これから帰ったら2人とも契約書に記入してね。それをそのままジョニーが持って来てよ。今日中に」

「全く人使い荒いんですから・・・じゃあ行こうか2人とも」

「お父様?」


立ち上がるジョニーとライラックを見上げるライルは明らかに困惑していた。


「今後の事は後で考えようか。リラと話そう。また、後で来ます」

「うん。食事はまた今度にしようか。またね、2人とも」


何事もなかったかのように王様スマイルを見せて手を振るユアンに挨拶をして3人は足早に部屋を出た。











ワイズ家に戻ると、リラが出迎えた。

その表情はライラックが帰ってきた事に明らかに安堵している。



「ただいま」

「お帰りなさい!!」


リラがライラックに抱きつくと、ライラックはリラの頭を撫でた。


「まるで新婚みたいだね」


ライラックの言葉にリラが頬を染める様子を見ながら呆れたようにジョニーは息を吐いた。


「2人の世界のところ悪いけど、ライルはジェイスをライラックの部屋に連れてきて。ライラックとリラはこのままライラックの部屋に行こうか」

「はい」




ライラックがリラの手をとりエスコートする姿を、ジョニーは横目で見つめた。


(あの無表情だった子供がここまで変わるとは。いつも何も写していなかった、生きているのにまるで死んだような目をしていたあの子がね)


優しい笑顔を向けられるリラも幸せそうに微笑んでいた。

ライラックの部屋に入るとすぐに、ジェイスとライルもライラックの部屋に入ってきた。

何も知らないジェイスは興味津々で瞳を輝かせた。


「お帰り!楽しかったか?」

「うん、それなりにね。それでみんなに話さなきゃならない事が出来たから集まって貰ったんだ」


屈託のない笑顔を向けるジェイスにジョニーはエスコートしてソファーへ促す。

2人がけのソファーにライラックとリラが座り、その向かいの2人がけのソファーにはジェイスとライル、1人がけの椅子にジョニーが座った。


それを見届けると、ライラックの合図でアランが部屋を出て扉を閉めた。









「これから久しぶりの家族会議を始めます」




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