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大好きなお兄様に溺愛されています。3
肯定した様にコクンと頷くと、私の頬を指で撫でてふわっと微笑んだ。
「ありがとう」
そんな言葉が聞きたいわけではない。
ただ側に居たいだけなのに、どうしたら伝わるんだろう。
「いつだってどんな時だって、一緒にいて私を守ってくださいました。こんなに私を甘やかしたのに、離れるなんてひどいです」
わがままだってわかっている。それでもやっぱり言わずにはいられなかった。
本当は泣き叫びたい。
それでも我慢したのは感情を露わにして嫌われたくなかったからだ。
お兄様は私を抱き寄せて、ギュッと抱きしめた。
慰めようとしていることはわかる。
私はお兄様の服を握りしめた。
こんなこと、もしかしたらこれから出来ないかもしれない。
お兄様は私の頭にキスを落として背中を撫でる。
いつもだったら嬉しくて抱きしめて返すのに今日はどうしても出来なかった。
しばらく私の背中を優しく撫でていた手が止まると、お兄様は私の耳に唇を寄せた。
「じゃあ、私と結婚する?」