大好きなお兄様に溺愛されています。28
ライラックの交渉で、ジョニーの家に住む事が決まった。
期間は16歳までジョニーの家、ワイズ家の子ということで生活をする。
ジョニーの息子と学び、リラと愛を育み、リラがライラックを選んだ時点で婚約。
王子としての業務は17歳になって戻ってきてからとなった。
17歳になる前にリラの同意を得なければリラとの結婚はないという制限付きで。
「僕に拒否権はないのですか?」
ジョニーが疲れた顔をして言うと、ソファーに寝かせているリラと遊ぶライラックを見ながらユアンは言った。
「うん」
良い笑顔で頷くユアンにジョニーはため息をついた。
「ですよね・・・ってライラック様!」
リラに何度もキスをしているライラックを止めに入ろうとしたジョニーの手をユアンがとった。
「1回も2回も変わらないって」
「変わりますよっ!」
「大丈夫、リラちゃんはライラックが嫁に貰うから」
ジョニーは呆れた顔をして、掴まれていない手で髪をかき上げた。
「・・・こんな幼い時の感情で何を言うんですか」
「普通の子だったらね難しいと思うよ。でもあの子は違うと思う。今まで何かに執着した事ないんだから」
ユアンはジョニーの手を離してニコリと笑った。
「ごめんね、念願の女の子が産まれたのに、うちで貰っちゃって」
(謝ってる顔じゃないんだけど)
怒りを通り越して涙が出そうだとジョニーは思った。
「・・・スパルタで育てますから」
「うん」
「17歳まではライラック様はうちの子ですから」
「うん。ありがとう。よろしくね」
初めて見るユアンの父親の顔に、ジョニーはほんの少しだけ満足するとリラとライラックを連れて自宅に戻ったのだった。
普段は飄々としているジョニーがユアンとライラックに翻弄されている所がUP出来て満足です。




