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大好きなお兄様に溺愛されています。26





検定当日。


見送ってくれたリラを抱きしめ、「行ってきます」と告げ、ライラックはジョニーとライルと共に検定会場に向かった。

検定会場に着くと、第四騎士団長と国王陛下が待っていた。

2人と挨拶を済ませ、ジョニーとライルが見守る中、ライラックの検定がおこなわれた。

幸い何事も起きずにライラックは魔力検定を終えたが、国王陛下から食事会に誘われた。

食事会は正式なものではなく、だいぶ簡略化されたものと言われ、断る事は出来なかった。



「流石ですね。こんなにすぐに検定が終わる方は初めて見ました」


検定時の様子を思い出しながら興奮気味に第四騎士団の団長であるトムが声を上げた。


「将来は是非うちの団員になっていただきたいですよ」

「ありがとう。でもまだ先の話だから、聞かなかった事にするね」

「そうやっていつもはぐらかすんですからっ!」



暑苦しいトムの勧誘にジョニーが飄々と返事をするとトムはジョニーに泣きついた。

ジョニーは嫌そうな顔をしながら「暑苦しい」と言ってトムの顔を手で押さえつけた。




「・・・第四騎士団長ってあんな方なんだな」


ジョニーとトムの後をついていく様に歩いていたライルが、呆れた顔をしながらライラックに言った。

王宮に居てもいつものライルである事が嬉しくなり、ライラックはくすりと笑った。



「ライルはブレないよね」

「どういう意味だ?」

「誰に対しても公平で素晴らしいって事だよ」



なんだか馬鹿にされた気がして、ライルは眉間にシワをよせた。

その様子をチラリと見ながら、ジョニーが立ち止まり、トムに声をかけた。


「じゃあここでお別れだね。今日はありがとう」

「とんでもない事でございます。それでは、ごゆっくり」


ジョニーの言葉に先程とはうって変わって騎士らしくお辞儀をした後、トムはその場から離れた。


ジョニーが扉をノックして入ると、ソファーに国王陛下であるユアンが座っていた。

すらっとした長身で、ブロンドの髪に整った顔立ち。

見るもの全てを惑わす外見である現国王の国民支持率は歴代の中でも抜きん出ていた。



「夕食まで時間あるからお茶でもしようよ」


テーブルには既に紅茶が準備してあり、手で持って食べることができるお菓子が可愛らしく飾ってあった。

まるで友達の様に気さくに話しかけてくるユアンにライルは動揺しながらも表情には出さずにジョニーの後についてお辞儀をした。

向かい側のソファーにジョニーとライルとライラックは並んで座る。



「改めて・・・よく来たねライラック」

「お久しぶりです。国王陛下」



ライラックは澄ました笑顔で返す。

ユアンがライルに視線を移すと、国王スマイルでライルに言った。











「ライルも手伝ってくれてありがとう。愚息の為に」





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