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大好きなお兄様に溺愛されています。25




帰宅後、ジェイスに無事に戻ってきた事を2人で伝えた。

今日はジョニーが仕事で夕飯を一緒にとることが出来ず、4人で済ます。

食後リラと過ごしていたライラックの部屋に仕事から戻ってきたジョニーが顔を出した。

話があると言われ、ライラックはリラを部屋に残し、ジョニーの部屋に行くと促されるままソファーに座った。




「明日、君だけらしいよ。検定対象者」

「・・・そうですか」


あらかた予想していた通りだったため、ライラックは驚きもせず返事をした。


「なんだかわかっていたみたいな顔だね。つまらないなぁ」


そう言うと、ジョニーは気怠そうにソファーに寄り掛かった。


「僕も同席するから」

「はい?」

「保護者同伴。可能であれば、ライルを連れてこいとも言われたから連れて行くね」


ライラックはため息をついた。

なぜ、先程まで感じたことのない幸せを味わっていたのに、これほどまで気持ちを落とされなければいけないのだろうか。


「素直に受けてくればそれでよいから。僕が居るし、ライルもああ見えて出来る子だから」

「ライルが出来る事は知ってますよ。だから呼ばれたんでしょう」

「下手な小細工しないでね。陛下も来るから」


ライラックは逃れられない現実を突きつけられると逆にやる事が決まり、笑顔をみせた。


「精一杯頑張ります」

「うん、頑張って。・・・それから」


ジョニーは足を組み、その上に手を乗せた。


「今まで良く頑張ったね。勉学は勿論、剣術も師範を越えるほどだと聞いている。ブランドも順調だ。明日の検定でどう出るかわからないけど・・・僕は君の父として誇りに思うよ」


ライラックは一瞬瞳を大きく見開くと破顔した。


「父上、私も貴方を誇りに思っています。明日、宜しくお願いします」


その言葉にジョニーは頷き微笑んだ。


「話はここまでだよ、明日は検定だし早く寝てね。あっ、そうだ。リラとは健全な付き合いでお願いします」


ライラックは笑って「勿論です」と言うと部屋を出た。

扉を閉めると気持ちを整えるかの様に深く息を吐いた。










「お帰りなさい」


ライラックが部屋に戻るとリラが先にベッドに潜り込んでいた。

その様子にライラックは緊張していた気持ちが一気に解ける。


「ただいま」


ライラックもベッドに入り、リラを抱きしめた。





「明日が来なければ良いのに」


珍しく弱音をはくので、リラはギュッと抱き締め返した。


「きっと成功しますよ!」


心配事が検定と思っているリラは励ましてくる。

それが愛らしくて愛おしい。


「うん。リラが一生一緒にいてくれるって約束してくれたら頑張れる」


額に口付けて微笑むライラックにリラは素早く唇に口付けた。


「私の今までもこれからもライラックの物です」

「・・・私がリラに隠し事をしていても?」


リラは想定外の質問に言葉がつまってしまう。

一瞬で不安に苛まれ、リラは震える声で言った。


「・・・ライラックは私を愛していないのですか?」

「愛してるよ、私の全てを捧げるほど」


即答するライラックの瞳を見つめる。

その瞳に嘘はないと思ったリラはライラックの唇に両手を添えた。


「私はライラックに愛されているなら、それだけで構いません。隠し事をしていたとしても、ライラックが私を愛してくれているなら信じてついていくだけです」


戸惑いながらもリラははっきりと言葉にする。

これはライラックにプロポーズされてからずっと思っていたことだった。







「あー、もうどうしてそんなに可愛いの?」



我慢できないと言わんばかりに好きと何度も連呼しながらリラの顔中に口付けを落とす。

リラがびっくりしてされるがままでいると、最後に唇にチュッと音をたてて口付けた。


「好きすぎてごめんね」


申し訳なさそうに言うライラックに「どんとこいです!」と微笑むリラが可愛くて今度は深く口付けた。



「んっ・・・」


リラの鼻にかかった声が愛らしい。

ライラックの手がリラの頬を覆い、夢中になってリラの口内を味わう。

満足するまで口づけを交わしてから、リラの胸元のリボンをとき、鎖骨を指でなぞった後、唇を寄せて強く吸った。

一瞬痛みを感じた部分をライラックは指で撫で、うっとりとした表情を見せて顔を上げた。


「私の跡、付けたかったんだ。ずっと」


リラが大きく目を見開きライラックを見ると、今日何度も見たあのドキドキする美しくて妖艶な笑みを浮かべていた。



(本当にお兄様が私の恋人になったんだ)



幸せを実感して、ライラックの背中に手を回して抱きしめるとライラックは一瞬びっくりした顔をしたが、ぎゅっと抱きしめ返した。

2人はそのまま抱きしめ合いながら話をして、いつの間にか寝てしまった。




ずっと一緒に居られることを祈って。





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