表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/68

大好きなお兄様に溺愛されています。21

ライラックお兄様の溺愛ぷりが次々と披露されていきます・・・。

「・・・私が身につけてるもの"全て"って、本当に"全て"ですか?」


リラは、何かに気付いたかのように顔をあげた。

ライラックは一瞬目を見開いたが、すぐに言いたいことに気づいたんだろう。

凄く良い笑顔でリラに答えた。



「うん、そうだよ」

「・・・その・・・タグがついてない場合もありますか?」

「うん、私自身が作った1部のラインにはついてないよ」



くすりと笑ってライラックは耳元で囁いた。



「君の肌を一番近くで守ってる物にはね」



その言葉にリラが絶句している。

真っ赤になりすぎて最早、本当に言葉の通り、リラの頬は熟れたりんごのようになっていた。


(ああ、可愛い・・・この顔を見たかったんだ・・・)


うっとりするようにリラを見つめて頬を撫でる。





「愛してるよ、リラ」




追い討ちをかけるように耳元に唇を当てて愛を囁かれる。

リラは恥ずかしくてライラックの胸に顔を埋めた。

それなのに、頭に何度もキスが降ってくる。


正常な状態だったら嬉しくて、抱きしめて自分の想いも伝えただろう。

しかし今のリラの耳には何も入ってきていなかった。

その前の話でリラの頭はパンクしてしまっていたのだ。

折角のライラックの愛の言葉が聞こえない程に。



(いつもくる"リラ"の人が、ランジェリーは作ってないっていってたから・・・)



初めてジェイスに相談して手渡されたランジェリーは、本当に本当に可愛くてリラの好みそのままだった。

その後もランジェリーだけは、ジェイスから受け取っていたが、どれもリラの宝物になっていった。


リラの好みをそのまま形にしてくれるブランドは"リラ"しかなかった。


だから絶対に"リラ"ブランドだと思い、ジェイスに聞いてみたが、ただ笑っているだけだった。


我慢ができず、勇気を出して"リラ"のスタッフに聞いても作っていないとの回答だったのだが、どうにもリラは納得がいかなかった。



(やっぱり"リラ"だったんだ)



今までずっと気になっていたことが明らかになり、ようやく脳が機能し始めた後、先程のライラックの言葉を思い出した。



『うん、私自身が作った1部のラインにはついてないよ』



ランジェリーにはタグが付いていない。

付いていなかったから"リラ"ブランドだとわからなかったのだから。



(ライラックお兄様の手作りってこと?!)



「ひゃあっ!」


今日、折角全ての甘い行為に対する叫びたい衝動を堪えていたのに、これには耐え切れず声を上げてしまった。

熟れたリンゴを超えたら、人の肌はどこまで赤くなるのだろうか。


ライラックは漸く、どこか遠くに意識を飛ばしていたリラが戻ってきた事に気づくと、そっと自分の胸の中にいたリラを離して顔を覗き込んだ。



「お帰り」



優しくリラに向けて微笑む。

リラが自分の愛の言葉を聴き逃している事は気付いていた。

一度に色んなことを知ったり、気付いたりしてびっくりしているのだろう。


理解するまで待つのは平気だ。

リラが自分の気持ちに追い付くまで10年以上待ち続けているのだから、この数分なんて大した事はない。




「男が衣服をプレゼントするのは、その後プレゼントした衣服を着た彼女を暴く為なんだよ、リラ」



指でリラの頬から首、首から鎖骨までをなぞって妖しく微笑む。



「あっ・・・」


リラか唇を震わせている。


(やっと理解してくれたんだね。私が君をどんな風に求めているのか。そしてその先を・・・)



初めて自分の欲望を理解してもらえた事に、口元が緩んでしまう。

リラにバレないようにライラックはそっと手で口元を隠した。




ずっとこの瞬間を待っていた。

リラがライラックの感情をちゃんと理解してくれる瞬間を。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ