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大好きなお兄様に溺愛されています。20



「私が作ったこの世界で一点しかない指輪なんだ」


ライラックは愛おしそうに指輪を見つめた。


「ライラックお兄様が?」


リラは瞬きを繰り返してライラックをみると、今度は指輪を自分の目の前に持ってきた。

とても素人が作ったように見えない。

真剣に指輪を見つめているリラを見てライラックはクスッと笑った。



「そう、ちなみにリラが着ているものは、全て私のデザインしたものだよ?最近はデザインだけでなく、この指輪のように私が直接作ったものもあるんだ」




リラは慌てて見下ろして服を見る。

今日も、お気に入りのブランドの”リラ"で揃えている。



「これは"リラ"というブランドで、デザイナーの方が愛する人に着てもらいたくて立ち上げた・・・って・・えっ??」



動揺して取り乱すリラの言葉に、ライラックは続いた。




「・・・そしてブランド名にはその"愛する人"の名を付けた」

















ライラックの独占欲は年々増加していった。

他者が作った物をリラが着ることが許せないくらいには。



最初はそんな歪んだ気持ちから始まった。

自分でデザインを考えて、縫う作業も自分で行う予定だったがジョニーに止められた。

作るのはプロにまかせて、デザインのみにするようにと。


リラが眠っている姿を見ながらどんなデザインが良いだろうと考える毎日は幸せだった。

出来上がった服をリラが着てくれた時は本当に嬉しかった。

まるで、自分が常にリラを包み込んでいるみたいに思えたからだ。



その喜びが忘れられなくて、どんどん新しい物を作っていった。

途中でライラックが作っていると気づいたライルがいつものように呆れた顔をしていたが、ジェイスが「娘は任せた!」といってくれたので、喜びで作業効率は上がっていった。



(母上は本当に私の扱い方をわかっている。・・・それに父上も)



慣れて来た今は少しずつだがライラック自身で作ることも許されるようになった。

今思えば睡眠時間を削ってでも作り続ける事を見越して、ジョニーがプロに任せるように行ったのかもしれないと思う。


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