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大好きなお兄様に溺愛されています。19



ライラックは満足するまでリラと口付けを交わした後、リラの顔にかかった髪の毛を耳にかけてあげる。

そして、さきほどと同じように耳を甘噛みしながら囁いた。


「ライルお兄様に何を言われたの?」


リラは誘うように言われそのまま言葉をはく。

ライラックに嘘なんてつけない、それが身に染みてわかってしまった。


「ライラックお兄様が王宮に行ったら帰ってこれないと諦めてるって」


ライラックはゆっくりリラを離すとリラの額に自分の額をくっつけた。





「・・・考えがあるんだ」

「考え?」


ライラックはリラの頬を両手で包み込んで微笑む。


「何があっても私はリラを離さないよ、絶対に」


そのまま誓うようにリラのまぶたに口付けを落とした。


「だから覚悟してね」



身を挺して護ってくれたあの日から、リラの覚悟ならとうに出来ていた。

それが別れではなくずっと側にいる覚悟であれば、リラにとってこれ程幸せな事はない。


「目を瞑ってくれる?」


リラが頷き目を瞑ったことを確認して、ライラックはポケットから箱を取り出し、そっとリラの左手をとった。

リラは左指の感覚からこれから幸せが訪れる予感に胸がいっぱいになる。


「目を開けて」


ライラックが左手の薬指に口付ける。

唇の先、左手の薬指には深く澄み切った空のような石が付いた指輪がはめられていた。


「これでリラは私のものだね」


嬉しくて叫びたくなる衝動を抑えながら、リラはライラックが指輪をなでる様子を見つめていた。

ライラックには、可愛いと思われたい。

リラはずっとずっと大好きなライラックの特別になりたかった。

兄妹は結婚できないと知ってからは特にその想いが強くなっている。

先が見えないからこそ、今の幸せを大切にしたかった。


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