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大好きなお兄様に溺愛されています。17




ずっと黙っているライルを不思議に思い、顔を覗き込もうとしたリラの耳元にライルはそっと唇を寄せた。


「あいつ、王宮に行ったら帰ってくる事が出来ないと思ってる」


リラは「えっ」と声を上げ両手で口元を覆った。


「実際に家に帰らずにそのまま騎士団に入るまで教育を受けた者も居るらしいから可能性は無くはない」



リラは言葉にならないのか、ただライルを見つめていた。口元を覆った手が震えている。



「だからあいつが諦めず戻る努力をするように力になってやってくれないか」

「わたしには何も・・・」


出来ないと言おうとしたが、ライルの言葉に遮られた。



「あいつがお前を想う気持ちを利用すれば良い」

「えっ?」


リラは何度も目を瞬かせてライルを見つめる。



「・・・じゃあ、よろしく頼むな」



ライルはリラの肩を軽く叩いて、そのまま自分の部屋へ向かってしまった。

入れ違いで部屋から出てきたライラックが一瞬ハッとした表情を見せたと思ったらすぐさま笑顔になる。


「リラ、可愛い!!」


勢いよく抱きしめ、さっと唇にキスをするといつものように腰に手をまわした。


「さあ、行こうか」


リラはすぐに気持ちが切り替えられず、慌ててエスコートされるがままに馬車に向かう。


「これはまた愛らしいですね、お嬢様」


馬車の前で待っていたアランが微笑む。

リラはライルからの難題を解く方法を模索し始めた為、アランの声かけに気付かず、ライラックに促されるまま馬車に乗った。

せっかく大好きなライラックと一緒の初めての外出なのに、気持ちは全く別の場所にあった。


ライラックの気持ちを利用するなんて、今まで一度も考えた事がなかったから、どうしたら良いかわからない。


それでも、戻って来てもらうためには何でもしようと決めた。





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