表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/68

大好きなお兄様に溺愛されています。13



それからは散々な毎日だった。

日々、弟の惚気話に付き合わされるだけでなく、弟に勉強を教えていたはずなのに気付けば、肩を並べて同じ家庭教師に学ぶまでとなった。

劣等感に苛まれなかったのはジョニーの存在があったからだ。


「ライラックは天才だからしょうがないよ。ライルは僕と一緒で秀才だからね。努力を怠らない様にしないといけない。あっという間に手が届かなくなってしまうから。本当に恐ろしいよね。神は何を作ったんだ」


ため息まじりでそう言うジョニーを見て、ライルは笑った。

きっと実体験なのだろうと思った。



自分には自分の役割がある。その役割をいかにこなすかが大切なんだと教わった。



兄としてリラを守るのはライルの使命だ。


ライラックのリラへの想いは認めている。

リラのライラックへの想いも認めている。




ただ、一週間くらいで戻ってくるのに、それを告げず要らぬ動揺をリラにさせたことに腹を立てていた。





「無理矢理、リラに自覚させるな。あの子の悩む時間が増えるだけだ」



ライルを横目にライラックはそのまま自分の部屋に入って行き、扉を開いたままライルを見つめた。


ライルが導かれるように部屋に入ると、ライラックは扉を閉めてソファーに腰をかける。










「ライルは本当に私が一週間で帰って来ることが出来ると思っているの?」



向かいのソファーに座ったライルはその言葉に眼を見開いた。




「私はね・・・難しいと思うんだ」


「何言っ・・・!まだ期間は・・」


珍しく動揺して大きな声を出したライルを見てライラックは笑った。



「私がこんなにも優秀でなければね。初めて自分の能力の高さを呪うよ」




まるで楽しい事を話すように笑うライラックを見てライルは眉を下げた。


リラのそばで本当に嬉しそうに笑うライラックを見てきたライルは胸が苦しくなる。





もう少し。

もう少しこの日常を一緒に過ごしたいと。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ