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大好きなお兄様に溺愛されています。12



「あまりリラをからかわないでくれ」


リラを部屋に送って、自分の部屋に向かう途中でライラックはライルに声をかけられた。


「私が本気なのはとうに知れている事だと思っていたけれど」


挑戦的に微笑まれてライルはいささか不機嫌そうにライラックを見つめた。










お産のために実家に帰っていたジェイスがリラを連れて戻ってきた時、ライルは部屋で本を読んでいた。

すでに家庭教師に天才と謳われていたライルは、何でもこなせていた事から何かに興味を持つという感情を持ち合わせていなかった。


妹についてもどうでも良かったが、無視する事も出来なかった為、見にいったという程度、そしてただ気まぐれにリラの手を触っただけだった。


それなのにリラは声をあげて嬉しそうに笑った。

さっきまで、ぐずっていて泣きそうだったのに。




(可愛い・・・)



初めて感情にどうして良いかわからなく、固まってしまう。

正直面倒だと思っていたし、家族に対しても感情を揺さぶられる事は今までなかった。

それなのに、この込み上げてくる感情は何だろう。


追い討ちをかけるかの様にリラはライルの指を握ってきた。

真っ赤になる顔を見てジェイスが豪快に笑うのでより一層恥ずかしかった事を鮮明に思い出す。



こんなに可愛い子が自分の妹に生まれてきてくれた。


どんな物からも自分が守り抜こうと決めたのに、リラが初めて覚えた言葉は、父でも母でもライルでもなく、ライラックの名前だった。




悔しい気持ちもあったが、日々ライラックがリラに愛情を注いでいたところを近くで見ていた。





(リラの一番がライラックになるのは必然だったんだ)





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