復讐を込めて剣を(仮)
「早く先に進みなさい」「振り返るな進め」女の声と男の声が聞こえる、
『パンパン』銃声2度なると「よし、二人は殺した残りのガキを殺せ」と図太い男の声が聞こえる。
それでも彼は足を止めることなく深い森をひたすら走った
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数時間前
「ふぅ、やっと終わった」俺アルド=カルマ15歳は父の畑の手伝いをしていた。
「カルマ終わったか?」父が後ろから声をかけてきた。
「あ、父さん今ちょうど終わったよ」
「どれどれ、、さすが俺の息子だよくできてる」
「父さんには敵わないよ」
「はっはっは当たり前だ俺が何年してきたと思っている」
「二人ともーご飯できたよー」家の方から母親の声が聞こえる
「よし、カルマ家に帰るぞ」
「うん」
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父がテーブルを覗き込み話した「おぉ、今日はシチューか旨そうだな」
「二人とも早く手を洗って食べましょ」
それから手を洗い三人で食事をしていると
『ドンドン』ドアを叩く音がし「邪魔するぜ〜」身長が190センチメートルある大柄な男と他にも三人の男たちが家に入ってきた
「あんたら誰だよ!!」父が聞くと「おいおい、冗談がきついぜ旦那あんたが一番俺たちの事分かってるんじゃないのか?」男が言うと父は小声で「裏から逃げるぞ」俺は全く二人の話が分からなかったでも今逃げなきゃいけないそれだけが頭によぎり三人で一斉に裏口に向かい走ったそして外に出て目的地も分からないまま父と母の背中をおった「クソ!ここまで頑張ってきたのに」父が悔しそうに語り「もう無理なのよ私たちは平穏に暮らすことは」と母親が言う男たちとの距離はだんだんと近くなり「カルマ、お前だけでも逃げてくれ」父が俺に向かってそう言う「なんでだよ、なんで俺たちが追われているんだよ!あいつらは一体なんなんだよ!」ようやく聞けた疑問、しかし父は「カルマ悪いな今は時間がないんだでもお前が生きている限りいずれは分かるはずだ!だからお前だけでも生きてくれ」「カルマ私からもお願い貴方だけには生きてて欲しいの」母が涙を流しながら話す「いたぞ!捕まえろ」
「「カルマ進め!!」」
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父と母が殺されても俺は走り続けた目的地も分からないままただひたすら森の中を走り続けた
次第に男たちの声も聞こえなくなり足を緩めた「はぁはぁ」息を切らしそして涙が溢れてきた「何でだよ!何でこんな目に合うんだよ!!」森の中でひとり叫んだ
それから落ち着いてまた歩き始めると一つの屋敷を見つけた
『ドンドンドン』「誰か!誰かいませんか」俺は無我夢中でドアを叩いた「誰か、、、」すると大きなドアは開き大柄な男の人が出てきた「どうしたんだ?」男の人は声をかけると俺は「変な男たちに追われてそれで父と母が殺されてひとり森の奥を逃げて、、、」「事情は分かった一旦家に入りなさい」男の人は俺を家に入れてくれた、
「まずは君の名前を教えてくれないか」
「カルマ、アルド=カルマです」そう答えると
「アルド、、、」男の人は深刻な顔で何かを考えていた
「その、何か問題でも?」
「いや、大丈夫だ何でもない、、、そうだ私の名前を言っていなかったな私は桜代 孝弘一応ここの道場の師範をしている」
「どうじょう?しはん?」俺は慣れない言葉に疑問で返した
「あぁそっか分からないかここは道場という場所でまあ簡単に言ったら剣術を教える場所で俺はその先生みたいなものだ」
「剣術、、」俺が深く考えていると
「カルマお前これから行く場所はあるのか?」そう孝弘に聞かれて俺は横に首を振ると「なら、カルマ家で暮らすか?」孝弘に言われ「え、良いんですか?」と聞き返すと「あぁかまわないお前が良ければだが」「是非お願いします」「そうかそうかなら今日は遅い部屋に案内するからそこでゆっくり休みなさい」
それから部屋に案内され布団で休むことにした「父さん母さん俺はこれからどうしたら、、」一人呟きそのまま眠りについた、、
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「おはようございます」
「おう、起きたか」
「あの、実はお願いがあるのですが」
「何だ?」
「先生は剣術を教えているんですよね?」
「まあ、昔の話だがな、、」
「その、俺に剣術を教えてくれませんか?」
「なるほどな、教えてやっても構わないが俺について来れるかな?」
「全力でついていきます!」
「いいだろう、ならまずはこの道場の雑巾掛けだ!」
「え?雑巾掛け?」
「何でもするんだろ?」
「わかりました」
それから1時間かけて雑巾掛けを終えて
「先生終わりました」
「うん、良くやった」
「次は?」
「まあ、そんなに焦るないいかお前は全然体ができていないだからこれから一年間は基礎体力をつけてもらう」
「一年も!?」
「剣術はそういうものさコツコツとすることが大切だ」
「なるほど、、」
それから一年俺は先生と共に基礎的体力作りを行った
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一年後
「だいぶ身体も大きくなったな」先生がガッハッハと笑いながら言う
「先生にこれだけ鍛えてもらえれば大きくなりますよ」
「さて、ちょうど一年経つしこれからレベルをあげた修行をしてもらおうと思うがついて来れるか?」
「はい!待ちわびていましたよ」
「なら、木刀を持て」
木刀を持つと「よしこれから半年素振りの練習だ」
「半年も!?」俺が聞き返すと「何だ文句でもあるのか?」先生は俺を見て言う
「あぁ分かりました!」先生の言われた通りに素振りを始める
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それから半年
最初はキツかった素振りも段々とキツさも感じなくなりとうとう実戦練習が始まった
実戦練習は今までの練習とは比べ物にならないくらいキツかった先生に攻撃は一切当たらないし先生の攻撃はとにかく痛いそれでも何とか立ち向かいそして一年がすぎた年「うをぉーー」『バシン!!』先生のお腹に一撃当てることが出来た「おぉ、良くやったな」先生は笑顔だったそして俺は「有り難うございました!」こうして俺カルマは18歳を迎えた
「先生俺は街に行きます」
「駄目だ」
「何でですか!?」
「お前では通用しない」
「先生は高みを目指せって言いましたよね?だから俺は」『ドンっ』先生はテーブルを叩き
「俺に一撃しか当てることしか出来ない奴が敵うはずも無い」「諦めろ」そう言うと立ち上がり先生は自分の部屋に戻って行った
その日の夜『コンコン』「先生話があります」ガチャと言う音がしてドアが開くと先生が出てきて「なんだ」と一言言う「明日僕と勝負してください!もし僕が勝てば街へ学園へ通わせてください」と言うと「もしお前が負けたら?」そう聞かれ「その時は先生の言うことを何でも聞きます」そう答えると「良いだろうその挑戦受けよう」
「有り難うございます」そう言うと自分の部屋に戻る
明日先生との決戦、絶対に負けられないそれにしても先生がどうして止めるのかが全く理解できないそれでも父さんと母さんを殺したやつを倒す、、いや殺すためには進まなければいけないそう決意を胸に眠りにつく
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翌日
「準備はいいか?」先生が聞く「はい!」そう答えると「なら始めるか先に言っておく俺を殺す気でこいよ?」
「はい!そのつもりです!」
「そうか、、なら良いそれじゃ『初め』」その言葉の瞬間俺は先生に向かって勢いよく走った木刀を後ろに構えそして振り上げ振り下ろした『バキッ』先生はその木刀を止めると俺の横腹目掛けて木刀を振りかざしたすぐさま刀で止めようとするが間に合わない「グハッ」うめき声を上げると「どうした?もう降参か?」先生は余裕の表情で聞く「まだまだ行きますよ」俺は今までに無いくらいの速さで先生に攻撃するしかし全く当たらない「おいおい無闇に攻撃しても意味は無いぞ」と笑いながら先生が言う、分かっている意味がないとでもそこまでしなければ勝てない無意味な攻撃でも『ズドッ』腹に激痛が走る「ウワァァァ」先生の突きは今まで味った事のない痛みを感じた「さあ、終わりにしようぜ降参しろよ」先生が近づいてくる「まだ、終われない」俺は木刀を握りしめ立ち上がり無我夢中で攻撃した「無意味だ何度立ち上がっても私には敵わないんだよ諦めろカルマぁぁ」
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いいかカルマただ剣を振り回しても無意味だそれはただ自分の体力を削るだけだもし自分より強い敵で攻撃が当たらないのなら呼吸を一度整えろ自分の心拍を取り戻すんだ慌てるな落ち着けろ
これはいつの話だったのだろうか先生に教わった遠い記憶、、呼吸俺は焦っていたのかも知れないいや焦っていたここで負けたらそのことしか頭になかったまさかここでも先生の言葉に助けられるとは目を覚ませ俺、、お前はここで終わってはいけない父さんと母さんの仇を討つんだだから目覚めろぉぉぉ
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激痛がするそれでも俺は立ち上がる「カルマ、お前」先生は驚いた表情をしているしかしすぐに笑った「そう来なくちゃな、、さあ来いよカルマ」俺は一つ呼吸を入れると先生を見つめたそしてゆっくりと木刀を握りしめ振りかざしたそして鋭く振り下ろすが勿論止められるそ瞬間俺は『連撃』先生に何度も斬りかかる全て避けられてもいいどこか隙が生まれるのを待てばいい先生は無闇な攻撃はやめろと言うでも俺にとってはこの攻撃こそ意味のある攻撃なのだから
あと少しあと、、、その瞬間俺に異変が起きたそれは周りのスピードが遅く感じたのだ刹那先生の隙を突いたそれからは何も覚えていないただ先生が笑顔で倒れていくのが俺の目に映った『ドンっ』「勝った、俺が先生に勝ったんだぁぁぁ」
こうして先生との戦いは幕を閉じた
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「本当に行くんだな」
「はい、俺はもっと強くならなければいけないから」
「そうか、、」
「先生寂しいんですか?」
「何を言うおお前がいなくなって久々に平穏な暮らしが訪れるわ」
「先生どうして俺を街にいかせたくないんですか?」
「それはお前が弱いからだ」
「それ嘘ですよね」
そう言うと先生は考え込みそして
「すまないが俺からは言えない」
「そうですか」
「そんなに落ち込むな街に行けば嫌でも分かることさ」
街、、本では読んだことあるが一度も行った事のない場所そして街にある学園俺にはまだわからない事ばかりだ
「まあ、そんなに考え込むな」先生は微笑んで言う
「はい!それじゃ行きますね」
「あぁ、気をつけてな」
そして歩き始めた時に
「そうだカルマ」先生が声をかける「伝え忘れていたがお前は俺を倒しただからお前はアルド=カルマじゃなくて桜代 カルマだ」俺がキョトンとしていると
「何だ嫌なのか?」
「そんなことは無いです!では、桜代の名に恥じないようにします」
「頼んだよ」
それから俺は歩みを進めた
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カルマが見えなくなり私は一息ついたあいつが街に学園に行きたいと話した時には厄介な事になったと思っていたでもあいつが決めた事だ先生として最大限の応援をしてやる事しか出来ないがきっとあいつなら大丈夫そう思いながら愛弟子を見送る見えなくなってもずっと
END