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世界と世界、狩るは妖気  作者: ロキューノス
第一章 ノイズメロディー
15/106

15.訓練と修行の開始 3

 朝は死ぬ程走り


 学校では体の怠さと睡魔と戦い


 帰ればメルの坐禅をやり続けた



 1週間


 1週間やってもメルのように妖気をゼロにすることができなかった


15



『中々できませんね、と言ってもたった1週間でできる方が怖いですけどね』


「そう言ってもできないと次に行けなくないですか?」


『いえ、正直ノアの目的は妖気を感じるようになることだと思いますし時が来れば次に行くって言うと思いますよ?』


 メルはそう言ってくれるが……正直やれるようになりたい


 ――この1週間やってこれたのはメルが途中で見せてくれた白刃取りは凄かった



 やる気(モチベーション)が下がってきた頃にメルが見せてくれた白刃取り


 メルが坐禅の状態でさらに目を閉じた状態で『どこからでも振ってみてください』と言われて刃のついた刀で左後ろから振り上げるつもりだったが

 凄かった


 振り始めた瞬間にメルが正確にこっちを向き足で振り上げるのを止めた


 驚いてもう一度と頼むと全然いいですよ


 と、にこやかに言われ


 工夫をして正面からの振りさげ後ろに音がなるように石を投げるつもりだ


 それを実行するためにめちゃくちゃそろりそろりと道場の板が軋まないように移動して


 実行すると


 圧巻だった


 完璧にメルの額すれすれで刀を止めメルが右足を後ろに上げ石を見ることなく上に蹴り返すと驚いている俺の頭に落ちてきた



『『様々なもの妖気はある、そこから転じて気配となる』と私の師匠が言っていました、これが1つの奥義って。身につけなくてもやれますが身につけないと身につけるどちらが良いかと言えばあった方がいいですよ?』


 と言われてやる気が復活、これからは道場以外の所でも坐禅はしていた


 ちなみに妖気を断つのは道場以外で行うのは禁止と言われた


 理由を教えてはくれなかったけど――



「はぁ……1回外の空気吸ってくる」


『はい、行ってらっしゃいませ』



 ◇◇◇◇◇


 外に出ると家の庭でノアがクルクル回転していた


 あ、違う……ん?水が宙に浮いている?


「な、何してるの? ノア」


『およ? 陽建、何って水遊びじゃ、陽建こそ、〖虗〗はできたか?』


「ウツロ?」


『なんじゃ、メルは何も言っていないのか、名前がかっこいいと言うのに』


「虚ろってそんなにかっこいいか?」


『陽建、その言い方だと文字が違うのじゃ、こうじゃよ』


 そう言ってノアを中心に螺旋を描いていた水が形を変え1文字の形をとった


「見たことない字だな」


『特殊かの?』


「こだわる程かな?」


『大切じゃよ、ものに名がある、それは凄いことなのじゃ。名前を間違えるのは可哀想というものじゃよ』


「それも、そうかな…」


『そうなのじゃ』


 その時ヒュッと音がするとノアが作った水文字が割れた


「ん?」『んな!?』


 ビシャッとノアはびしょ濡れに俺にも少し水がかかった


(マスター)申し訳ございません、少しズレました』


『そっちじゃないじゃろ! なんてことしてくれるんじゃ!』


『私の召喚の時に間違いを言っても聞く耳持たない方がドヤ顔であんなことを言っており少しイラッと来ただけでございます』


『丁寧に言えばまかり通ると思うなよ!?』



 2人でギャーギャーと言い合いを始めた


 右半身がびしょ濡れ状態になっており風が吹くと服の水が寒さを連れてくる


 寒いな…………………


 あれ?


 なんか、この感じって………


 寒い中にいると熱が体を包んでいるのを身近に感じる


 家の近くの銭湯にあるサウナの後とかの水風呂に入る感じの下位互換で不快感増し増しの感じ……


 羽織る感じ、妖気に似てるよな……


 ふと、近くにまだ重いだろうバケツがあるのが目に入った


『ん? 主?』

『陽建?』


 何も考えずにバケツを持ち上げ頭の上でひっくり返した


『主!?』『陽建!?』

「寒っっっぶ!!!」


『馬鹿なのか? 阿呆なのか?』

『主何がしたいのですか!?』


 あぁ、あぁぁ!


「分かった!!!!」


『『な、何が?』』


「うん、風呂行ってくる」


『いや、待つのじゃ、何がしたかった言っていけぇぇぇ!!!』




 ◇◇◇◇◇



『で?何がしたかったのですか? (マスター)


 風呂から出ると直ぐに2人に捕まった(正座させられた)


「いや、ごめん。勝手に風呂行って」


『それはいいのじゃが、気が狂ったのかと思うたのじゃぞ?』


「そこは大丈夫」


『元々狂ってるからか?』


「そうそう、ってちゃうわ! 変に大阪弁出たじゃん」


『話を戻しましょうよ、何がしたかったのですか?』


 メルが疲れたような顔で聞いてきた


 そうだな、戻そう


「いや、水がかかった時に服が右側だけ濡れた時に右側に風が来ると寒いな〜みたいなこと思っているとその後に体から熱が出てるのを感じたんだよね」


『まぁ、それは普通じゃのう』


「そうだよね……まぁでも、改めてなると妖気に似ていて自然的な消え方を感じたんだよね」


『『……』』


 2人は黙って俺の話に耳を傾けてくれる


「右半身だけじゃこの感覚が正確に掴めないと思って水をぶっかけました」


『……あれですね、主、考えが極端的に動きすぎです……』


『阿呆なのだな』


「2人して辛辣すぎん?」


『まぁ、行動の理由は分かりましたが出来そうですか?』


「あぁ」


 そう言われてその場で1度立ち上がってからさっきのイメージをゆっくりと反映させる………



 スっと体に張り付くような妖気が無くなり


 目を閉じてもそこにメルとノアの存在を感じた



 これが〖(うつろ)〗ね





昨日と今日は二話投稿します。

昨日予告をし忘れました。

前の話は14話、『14.訓練と修行の開始 2』です。

読んでいない方は先にそちらをご覧ください。

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