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世界と世界、狩るは妖気  作者: ロキューノス
第一章 ノイズメロディー
12/106

12.解放

12


 鋼さんに家まで送って貰うことになった


 夜も深まり交通量は地元に比べれば多い方になるが仮にも栄えてる所だ。この交通量は少ない方になるのだろう


 窓から見える車のヘッドライトが線になるのを見ながらそんなことを思いながら先程の話を整理していた


 大きなもので(メインを)言えば神殺しの事


 俺は今まで堕赫羅を狩ることで世界平和みたいなことを考えていた


 でも、よく考えるとたった数体の妖を狩ることで全ての妖が消えるわけが無い


 神を消すだけの力となれば……妖の一掃なんて容易いことなのかも……


『陽建、考えすぎじゃ、少しは落ち着け』


 突然隣に座っていたノアが話しかけてきた


 頭の中で考えていることがわかるかのように


「な、何を?」


『妾と陽建は二心一体、考えていることなんてすぐにわかる』


「それはそれでやだな」


『ストレートじゃな!? まぁ、なんて言おうと進む道は進むしかないんじゃぞ?』


「そう……か」


「陽建、俺は会議で何が話されたかなんて知らないが、お前は今まで知識を遠ざけられてきた、今は知れる知識から集めてけ、もう、後戻りはできないんだ、最悪だな、なんて思いながら両足を突っ込んどけ」


「戻るつもりは……いや、最初からここに立つのを望んでいたと思いますよ、折角力を貰えたなら……それをちゃんと使いたい」


「……そうか」


『安心せよ、妾がついているのだからな!』


「ありがとう、ノア」


 そう言ってつい、頭を撫でると少し嬉しそうな顔をしていた


 ノアは小さい見た目のそのまま子どもってことなのかな?


『失礼な! レドゥィイに向かって』


「ませてるようにしか見えんな」


『なんだとー!? 鋼、見損なったぞ、いつかこの恨みーーー』


 の、ノアに身長とか見た目はNGぽいな



 ◇◇◇◇◇



「ありがとうございました」


「おう、風従の魔女にもよろしくな」


「え? 誰……ですか?それ」


「ん? あぁ、哲平の隣にいた奴だよ、まだ、実践数が少ないが技術に才能と双月荘で有名……あ~まぁ詳しくは直接聞きな?」


「あ、はい」


『またな、鋼。お前の身長縮めてやるからな』


「こいつどうなってんの? 護獣なんだよな?」


「そうだと思いますけど?」

『それ以外にあるか、()()()、鋼』



 軽く鼻を鳴らして


()()()


 と


 意味深のように言ってるけどなんかあるのかな?



 車の窓を閉めるとそのまま行ってしまった



『当然じゃろ? 人は傷付けば早々に治ったりしない、一部が無くなればそのままじゃ。妖はそうじゃない、傷はすぐに癒え、肉も生える。そんな相手に戦い続ける、命をかけているんだからな』


「……………そうだ、ね」



 失念していた


 いや、甘い考えを持っていたのかもしれない


 あっちの世界に2回行ってどちらも助けが来てくれた、緋乃もそれが分かって理解して俺を逃がそうとしてくれてた



 …………………………



 両足を突っ込む覚悟





 ガラガラっと音がどうしてもなってしまう玄関の引違い扉を開けると椅子に座って待っている人がいた


「おじいちゃん……」


「本当に覚醒したみたいだな」


 覚醒した?


「どういうこと? その言い方だと俺には護獣が元々いたみたいな言い方だけど」


「その通りだ」


「なん、で」


「見えたあの頃、儀式の時に見えたのは一欠片だけ、それで十分に分かった。鬼の力だと、いや、違うか正確には鬼に準ずる何かか」


 鬼に……


「それでも――」

「言いたいことは分かるが……明らかに護獣も覚醒していなかった、それに覚醒してない方が良かった」


「なんで?」


「明らかに妖気の器が足りなかった。あのまま覚醒まで持っていけばこの世に鬼が生まれていたかもやもしれん」


「鬼……いや、それでも戦いに関わらなくても妖祓魔 師の仕事を手伝わせてくれても」


「そうもいかん、せめてもに、幸せに生きて欲しかったのと……体面だ」


「体面?」


「儂の孫と言うだけで発言力が陽建には持てる、それにつけ込み煽て気づいた時には戦闘の場に駆り出され死んでいたかもしれん、無理やり力を引き出し鬼になっていたかもしれん。そんなことには……したくなかった」


「おじいちゃん……」


 やっぱり色々……考えてくれてたんだな……


「話はもう来ておる、陽建を各地に行かせるつもりだった所を捻じ曲げた、まだここに入れるように願い出てそれを承諾して貰えた」


「え?」


「その代わり」


 そういうと暗い顔を続けていたおじいちゃんの顔が少し悪めの顔でニヤッと笑った


「強力な人員が増えたから担当の区画が増えたがな」


 強力な人員………


「おじいちゃん……いや、頭、全身全霊を持って努めさせていただきます」


「頼んだぞ」


















[陽明さんが孫のためにそこまでするとはね]


「ダメか?」


[意外なだけですよ]


「そうでも無いだろ、あの時もお前に頼んだのだから」


[それも、そうですね~、まっ、どれくらい持ちますかね]


「大きな事件が起きなきゃ3年かな」


[そうですか……これは勘ですし確証はないですが……状況的に言うとですね]


「なんだ?」


[あの護獣はいや、あの2人、と言った方が良いですかね、今ある引っ張りぱなしの糸を断つ存在な気がしてままならない]


「糸……か、相変わらず無駄な比喩が多いのぅ」


[でも伝わりますよね?]


「あぁ、要するに陽建……うちの可愛い孫は逃げも出来ずに争いの目になるんだろ?」


[そうなった時、上は何をするんでしょうね]



「……何も言えないな、今は……力を蓄えさせるかね」


[それは絶対に条件ですね]


「この先は――」

[「流れるようにしかならねぇ」ですね]


「ん、わざわざ被せてくるな」


[師匠の口癖くらい聞き飽きましたよ、できる限りの協力はしますが……]


「わかっている、これで立場を危うくしただろう?ここまでしてくれてた上にさらにを望むほど阿呆になったつもりは無い」


[すみません]


「ありがとうな」


[はい、また、何かあればお願いします]


「ああ」


 短く紙が焼ける音がすると部屋は静寂が支配した






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