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世界と世界、狩るは妖気  作者: ロキューノス
第一章 ノイズメロディー
1/106

1.歩ける日常

 遠くの山が窓から見える


 いい天気、ああ、今日はいい日になるかな


「若ー!!」

「朝でこぜぇやす!!」


 はい


 前言を全て破棄します


 ぶち壊しだコノヤロー


 頬に大きな傷跡を持つ巨漢に室内なのに太陽を反射させるスキンヘッドの男


 と微かながらにも大きく主張してくる()()


「あ、あぁ、おはよう」

「「おはようごぜぇやす!!」」


 あぁ、普通ないい朝が……

1


 俺が暮らしている街は都会ではない


 かと言って田舎と言うと首を傾げたくなる


 それくらいには栄えている


 電気屋はまぁまぁな規模のがあり、超最新というのは無いかもしれないがテレビに取り上げられるくらいの最新機器ならば普通に売っている


 スーパーに至ってはなにを競うんだよ? と言うくらいの近さで三軒ある。まぁ車で10分くらいが最寄りのスーパーだな


 都会要素と言えないくらいの大きめなホテルが一軒


 田舎要素と言えるが中々いい物が揃う八百屋が数軒


 こうなると上京や隣の県に行くなんてのも別にと言うくらいに住む条件は揃っている


 ちなみに学生の友とも言える電車様は市内に二箇所駅をこさえてくださってるが大きめの市に行くのに各駅停車で30分位はかかる


 言うなれば田舎の都会、そんな感じで俺的にはすごく気に入っているし、この街のことは好きだ


 ただ、俺は隣の隣の市の高校に通っている


 もちろんこの街にも高校が二校、普通科高校とと工科高校があるがそれでもこの街を出たなぜなら


「だーーテメェー俺の肉だクソが!」

「置いておくのがわりーんだよ」


「だはははは! 禿げてんじゃねーかよ、ギャハハハハ!!」

「うるせぇわ!!!」

「名誉の傷だよな」

「逃げんの遅れただけだろうが!」

「うるせ」


 この街の自警団()()()


 まぁ基本893に近い、と言うか街の人たちもここのことはそう呼んでるし


 まずまず見た目をそれ系に寄せている節さえある


「若!時間ですよ」

「姉御を待たせちゃダメでっせ」

「あ、うん。ありがと、行ってきます」

「「「「「「いってらしゃいませ!!」」」」」」


 馬鹿みたいにでかい声で話していた連中も話をやめて俺を見送る声をあげてくれた


「学校か、陽建」

「あ、おじいちゃん、虎。うん。行ってきます」

「若、いってらしゃい」

「陽建、まだここを継ぐ気はないのか」

「ないよ、ここのことは尊敬してるけど俺にはその才能がない」

「若、そんな――」

「あ、ごめん!時間が!行ってきまーす!!」


 虎が何か言いかけてたけどまぁ帰ってきてからでいいか


「若には才能があるんですけどね」

「ふん、全く変なとこを似よって」

「頭も少しは素直に言ってくださいよ」

「やめじゃやめじゃ、こん話は!」

「へい」



◇◇◇◇◇



「陽建、おはよう」

「陽乃おはよう」


 俺と身長は余り変わらない目の前の高身長の彼女は俺の幼なじみ


 昔は結婚だのなんだの(将来お嫁さんになって)と俺も言ったものだ……


 ああ、ハズい(黒歴史)……


 まぁ今となってはこうやって同じ高校に通っていて会うくらいにしか会えない


 と会うか少し俺が避けている


 彼女は見た目も内面(性格)も人気が高くクラスのカーストも上位


 俺は隠していたこの家の表側だけがバレて軽くハブられてしまっている


 泣いていいものか……


 陽乃は俺が避けなければ普通に話しかけてくれるだろう。なぜなら


「まだ学校じゃ話しちゃダメ?」


 こうして俺の孤立を心配してくれているから


「陽乃の関係を崩す要因を作りたくない。楽しむ時に楽しんでくれ」


「陽建と一緒の方が楽しいと思う」


「ありがとう、でも他が違うからな。心配してくれてありがとうな」


 そういうといつも少し何か言いたそうな顔をした後に何も言わずに下を向いてしまう


 しばらくすると違う話をしてくるから別に気にしなくていいんだろうな……



 電車で揺られること一時間弱、俺たちの通う高校に着く


 電車では無言な(勉強する)時もあれば一時間弱喋っている時もある


 この時間は何も喋らなくても俺にとって幸せな時間だ




◇◇◇◇◇


 陽乃と俺は同じクラスだか二人で入ったことは無い


 駅を出て学生の波に流されながらクラスのというか人と人とが認識を示し出すエリアに入る頃に自然と陽乃と離れる


 最初は早くから離れていたが今はギリギリのどこら辺で離れる


 たまに別れた瞬間と言う時間差で陽乃の友達が陽乃に話しかけるタイミングがあり肝を冷やした


 陽乃の幸せな関係を壊すなんてことは絶対にしたくないからだ



 教室に着きカバンから午前使う分だけ出す


 そのあとは基本誰も俺に話しかけに来ない


 カバンから最後に1冊の本を出して読む


 毎日教室で行う行動だ



◆◆◆◆◆



 幻獣、妖、物ノ怪、怪物、妖怪


 色んな言い方をされるがその存在を信じる人は少ない


 だが、それに分類されるもの達の名と姿をある程度に共有出来る


 もちろんテレビにアニメ、漫画と色んなところでこれを題材にしたものがあることも影響しているだろう


 それでも永きに渡りその名を共通させることはできるものだろうか?


 答えは今の状況、できている


 さて理由は?



 それはその存在が存在しているから

  そしてそれが実際に世に残ってしまう残り方をしたから



 俺の家は自警団ではなく妖祓師


 人を人から守るのではない、人の秩序を守るのではない



 人を人ならざるモノたちから守るためにいる




新年明けましておめでとうございます!!


一区切り分のみ先行的に投稿させていただきます


先行というのは現在20近くのストックはありますが1月中旬以降に短編を一気に投稿しようと思っている期間があるのでそこで同時に連続投稿しようと思います。


話は長くなるのか短くなるのか、内容崩壊するのかしないのか、完結するのか……完結はしますね、とりあえず見切り発進に近いモチベーションアップの意味も含めて少しでも面白いと思っていただければ下の★を塗りつぶすかブックマークをいただけると嬉しいです。



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