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57 大森林中級エリア

やっと小麦相場が崩壊して事後処理に追われているが第二旅団がある程度の戦力になってきたので中級エリアに挑む事にした。

デルタを中心に500体の戦闘ジェネラルと中級エリアで狩り経験のあるベテランハンターにアドバイザーとして10名のチームに参加して貰っている。


本来であればもう少し戦力を強化してからにしたかったが中級魔石の不足やモンスターの卵の不足で研究が停滞しているために計画を早めた。

大砲や爆弾は試作品がいくつも完成しており爆発物の原料である中級魔石があれば次の段階に入れるところになっていたが資金だけでは魔石が手に入らなかった。魔力に組み込む自爆の魔術術式も研究と改良が進んで実験段階まできたそうだ。


新たな従魔化は現在2種類しか出来ていない。

正確には半数のモンスターは従魔化は出来るのだが使えないのだ。

指示が通じない、活用法がないなど理由は様々だが飼育する程ではないのだ。公爵令嬢に聞いたところゴブリンは数年調教してやっといくつかの作業ができるそうだ。一匹が出来るようになると集団で出来るようになるらしい。モンスターは同種同士なら意思疎通ができるのだろう。


ただ、攻撃は基本的な行動なのですぐに出来るそうだ。実際に俺の実験でもそうだった。


攻撃だけなら棒を持たせて手本を見せれば出来るのだ。

しかし、一般の兵士と戦わせてもすぐに殺されてしまう。戦力外だ。


使えると思い量産したのは6本足のバイソンのようなモンスターと茶色をした芋虫のようなモンスターのみ。


バイソン型のモンスターはこれまでの騎獣よりも安定した走行と突撃攻撃の能力があり、体毛による防御力も高い事だ。速度や走行継続距離は劣るが突撃騎兵には向いているとして量産していた。


スケルトンジェネラルなら扱える操作性の良さも評価された。

荒れた地面でも山でも適応している。


芋虫型のモンスターは見た目はとてつもなく気持ち悪いが意外な程おとなしく指示も理解する。

全面いついている8つの白い目が不気味さを増幅しているがこいつの有用性は飛びぬけていた。

戦闘能力は皆無だが吐く糸が極上の素材になるのだ。


太さはあるがシルクのような手触りで真っ白で光沢もありとても美しい。

性能もくもの糸のように伸縮性も強度も兼ね備えているのだ。木材を食べさせておけばどんどん吐き出してくれるのだ。現在専用の飼育場を作り繭の様に吐き出した糸を使えるようにする紡績工場も併設させる事にした。今後のヘンリル領の一大産業になるだろう。


当面は軍服の生産にまわす予定だ。服なのに鎧に近い防刃能力を持っているのだ。

下手な鎧なら必要なくなる。装備の重量を軽減すれば兵士の体力消費を減らし速度を上げる事が出来る。

装備の軽量化は地味に戦力を向上してくれる。


現在も従魔化できるモンスターを調教して有効活用の方法を模索しているが進捗は良くない状況だ。

中級モンスターになると知能も高くなるので有効活用できる種類も多いと予測している。


まもなく中級クラスのモンスターが出現するあたりまで大森林を踏破してきた。

魔力探知を使うと下級モンスターに混じり魔力の強いモンスターも前方にちらほらと確認できる。


「お前達の判断だとこのスケルトン達は中級モンスターに通用するか?」


「閣下、正直に申しますとおそらく余裕だと思います。何度か模擬戦をしましたが1対1では私達では歯も立たず、集団戦だとさらに連携されて厄介になります。余程の準備と奇策を使わなければまともにやっては勝てません。1対1で勝てるハンターは極僅かな特級のハンターのみでしょう。彼らは1人で中級モンスターを倒しますから。」


「そんな奴らもいるのか。心強いけどヘンリル領には5人しか居ないんだったか?数百人いたらいい戦力になるのに残念だ。」


「彼らは産まれ持った天才的な才能と、地獄の訓練をした結果ですから。そんなに沢山居たら恐ろしいですよ。でもヘンリル領のハンターの扱いはこれまでではありえない高待遇ですから移ってくる奴も居るでしょう。ハンターはゴロツキや犯罪者扱いされて忌み嫌われていて、素材の買取なんかも商人にいいようにされてきましたから。閣下がハンターギルドを整備してくれたお陰で俺達は堂々とハンターを名乗れるようになり仕事も収入も増えました。ハンター希望者も増えたし、装備も安く提供して貰えてまともな仕事が出来るようになって死人も大幅に減りました。皆感謝しております。ハンターギルドメンバーはヘンリル領の危機の際には全員命を閣下に預ける覚悟です。」


「ありがたいが本業をしっかりしてくれ。必要な時に必要な事を臨機応変にこなしてくれるハンターのお陰で助かっているのはこちらだからな。偏見で正しい評価をしないなんて間違っているだけで俺は特別に何かしたわけじゃない、当たり前の事をしただけだ。」


「正しい事が認められないのが当たり前の事で閣下のような存在は無いのですよ。閣下やヘンリル領を守る事が将来のハンターの為なのです。なので皆覚悟をしているのです、ハンターはヘンリル領のためにあれと。」


ハンターという仕事は命を賭けた危険な仕事なので底辺の人間がなる仕事だったのだ。いやヘンリル領以外は今もそうなのだろう。彼らほど有用な人材はいないのに評価されないから成長しないのだ。


ヘンリル領で運搬業務、護衛任務、モンスター素材と日々の需要にすぐに対応してくれる。時には調査や採取も行う。それだけでなく現在は引越しの手伝いや貴族の子供の訓練、忙しい役人の家事代行まで幅広くやってくれているのだ。


日本で言えば最強に便利な派遣会社なのだ。


「分かった。期待に応えられる様に善処しよう。ではアドバイスをしながら狩を始めてくれ。俺はもう1つの目的のあれの調査と採取に向う。持ち帰れるだけの物資が集まり次第撤退を始めてくれ。デルタも後は頼んだぞ。」


「承知しました。」

「ウケタマワリマシタ」


こうして狩猟部隊を眼下に飛行で目的地に向けて飛んでいく。


目の前にいくつもの岩が浮かんでいる。

ラ○タよりも小さいが木や植物が自生しているものも有るが建造物は無い。

大人気となったハリウッドの名作のア○ターの世界観のほうが近いだろう。


映画って懐かしいな…アバ○ーを見に行ったら途中で腹が痛くなってトイレに行って内容が分からなくて2回見たよな確か。

どうでもいいかそんな事は…


元住んでいた家の近所にあった駐車場の有るコンビニサイズの島に降りる。

島とは言うが一つの大きな岩で、上部に土があり木が生えているようだ。


まるで地面からすっぽりと飛び出したようにみえる。

木を切ってみるが切られた木は浮かぶことはない。草や落ちている石ころも手にとって軽く投げれば普通に落下する。


上部を探索してみるが生き物は虫と鳥を見かけるだけでモンスターはいなかった。


再び飛行して岩の部分を周回しながら観察するが単なる岩だ。

別に変わった点は見当たらない。


試しに押してみるがぴくりとも動く気配は無い。


刀で横の部分から拳大の岩を切り出してみるが浮くことは無かった。

しかし、落下する速度が僅かに普通の石より遅いように思う。


切り出した岩に魔力を込めてみると重量が減ったようで落下速度も更に遅くなった。


浮遊する原因がこの岩に有るのは明らかだ。

浮遊島は魔力の影響或いは魔力を燃料に何らかの物質で維持されているのだろう。


研究して浮遊する仕組みを解明できれば飛行船ぐらいは出来るかもしれないな。


一番小規模な岩を見つけて可能な限り中心部に近いところまで切ってサンプルを採取した。


5往復で浮遊島から切り出したサンプルの岩や、自生している植物を採取してスケルトンを預けた頃には狩猟も終わり初めての中級エリアの探索は成果をしかっりとだし無事に帰還することが出来た。


「デルタ、中級モンスターはどうだ?このあたりも狩場に出来るか?」


「モンダイアリマセン。シカシ、スケルトンウォーリアデハキビシイデショウ。」


「分かった。第七から第十一基地の指揮権をお前に与える。他の指揮官は別の任に付いてもらうから城にくるように伝えろ。ここともう一カ所に開拓基地を作って生産体制を作れ。魔石や素材はこれから必要になるからな。それとモンスターの卵も見つけてくれ。可能など限り戦闘ジェネラルも増やしたいからその辺の調整も頼むぞ。」


「ギョイ」


こうして中級エリアの開拓は順調に動き出した。全ての研究がこれで捗ることだろう。



「閣下、自爆の魔術の魔石への組み込みは成功しました。一つの魔石に術式は一つ組み込むのが限界です。威力は魔術師が使った場合の4割から5割です。最適な魔石はこのモンスターの種類になります。今後は術式の複数封入と威力の強化に務めます。仕掛けによる爆弾と大砲の発射には成功しました。今後は実用化に向けた更なる研究に移ります。」


目の前には小包サイズの金属製の箱型爆弾と大砲用の円柱形の薬莢が出来ていた。

研究を初めて数ヶ月でここまで出来るとは予想外だった。


「儂の方もまだまだ時間が必要じゃ。箱型が簡単なのじゃが言われたようにムラが有るから丸型の開発をする。大砲本体もライフルリング、砲塔の原料や厚みなど最適にする必要が有るからな。それとやはり冷却装置を組まんと数発で熱くなりすぎ使い物にならんくなる。」


「爆発する砲弾開発も難航しているしまだまだ時間がかかるな。照準関係もしっかりと頼む。いくら強力な攻撃も当たらなければ何の意味もないからな。取り敢えず来年の夏までには数十個でいいから使えるものを完成させてくれ。」


「分かりました。それと浮遊の原因が特定できました。透明で黄色のこの砂粒です。単独で使うのか、閣下案の金属へ融合させるのかなどこれから研究します。ただ、もしもそれなりの物体を動かすとなると莫大な魔力が必要です。魔力供給には上位モンスターの魔石が必要になると思われます。推進方法もまだ開発出来ていないので空飛ぶ乗り物の完成は相当に時間がかかると思います。」


方々から集めた変態研究者は30名を超えていたので想像以上に開発は進んでいたがまだ時間はかかる。


「焦らずじっくり頼む。これなら成果は想像以上だ。獣魔はどうなった?見に行ってくる。」


兵器研究所の一角にある従魔牧場に向かうと

そこで数匹の大きな白い犬が調教されていた。


詳しくは銀色の毛をした尻尾が二本ある狼だ。大きいと言ったが、大きな犬では無くゾウのように大きいのだ。


「おいっ!この中級モンスターは従魔化に成功した白い子犬か?親はこんなだっのか!とんでもねーな、お前よく育てれるな!俺は正直怖いわこれは…」


中級モンスターの卵はいくつも採取されては届けられていたが、俺がやっても従魔化出来たのはこの一類だけだったのだ。


「はい、これは大人しいです。とても忠誠心が高くかわいい奴らですよ。閣下の騎獣にどうです?これまでの騎獣なんか比べものにならない能力ですよ。」


「ここにいるのは3体か…こいつらだけでゴブリン数万壊滅させれそうだな。」


「…すぐに出きるんじゃないですか?と言うかゴブリンじゃすぐに逃げ出しますよ。」


帝国はゴブリンで一家惨殺事件なのにうちはいったい何なのだ…これはヤバいやつだ。


ペットとかにはしていい感じじゃないんだよな、ライオンと遊ぶやついないだろ?

日本には一人いるけど…あれは例外だ。


「まじで大丈夫か?噛ませたら腕無くなるよな?痛いの嫌だぞ俺は。」


「はぁ、閣下びびりすぎです。大丈夫です。ホエスラも順調ですよ。こいつらも騎獣とし調教したら送りますので。それと量産予定だから卵が来たら魔従化をしに来て下さいよ!聞いてますか?戦力アップするんですよね?おおーい、閣下。」


「うん、分かったよ。頼むわ!」


一口でパクリと喰われるサイズの狼にビビるなは無理じゃない?

普通の狼より牙も大きいし顔も怖い。


最初の真っ白な子犬は滅茶苦茶可愛かったのに…なんで?

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