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5 スケルトン召喚

オリジナルスキル 鬼兵旅団


骨鬼スケルトンの初召喚である。


骨の山の下に魔方陣が浮かび上がり黄色に輝いている。


”スケルトンを召喚しますか?”


鬼兵旅団の魔法陣に表示が現れる。

もちろんのイエス。


召喚と念じると


”スキルを付与しますか”


どんなスキルがあるかは不明だが当然少しでもスキルをつけて強化したい。

「旅団」とスキル名に入っているのであれは兵は5,000ぐらいまでしか召喚できない可能性が高いのだ。まだ確認は出来ないが最大兵数制限はあるであろう。

異世界なので地球の軍隊の数が参考になるかは分からないが、旅団の規模は5,000名ぐらいの構成であったはずだ。

数に限りがあるのであれば個の質をあげておかなければ軍としての質も上がらないのだから。


スキルを付与すると念じると


”スキルをリストから選択してください”


剣術

槍術

斧術

杖術

弓術

体術

農業

木工

料理

俊敏性上昇(常時)

筋力上昇(常時)



選択できるスキルは意外にも多く基本的な格闘術、簡単な作業系スキルがある。

魔術はないが筋力上昇・俊敏性上昇など常時発動の強化スキルも一部にはある。


しかしどうしても今、絶対に獲得しなければいけないスキルを発見してしまった。

このスキルは今すぐ獲得しなければならないと確信する。

このスキルよりも有用なものは複数ある。戦闘用に取得したいスキルもあるが選択の余地は一切ない。


そして強く念じる


スキルは「解体」を付与


念じた瞬間に骨の下に展開していた魔方陣が一際大きな光を放ちながら下から円筒形に上に浮き上がっていき目線の先で停止した。

魔方陣が煌きながら霧散していくと中心部分にスケルトンが立っていたのである。


初めて召喚したスケルトンは理科室で見るた骨格標本とはまったく別の姿をしていた。

額の中央部に一本の小さな角があり、骨同士は完全につながっており人間の骨格よりもはるかに太く逞しい骨をしているのである。

背骨は猫背のように湾曲しており、手足は一本の太い骨のみで間接部分は丸みをお帯びて膨らんでいる。手足の指は4本で太くいが人間よりも間接が多い。

背骨から生えている骨が前方に半円状に伸びており、あばら骨を構成しているがまるでバッファローの角のように立派である。

頭蓋骨は人のものではなく禍々しい顔つきである。


まさしく鬼の形相であった。


身長は高くなく160センチ程で小柄なのに、かなり強そうに思える。

そして鳩尾の奥の部分にはまるでルビーの様な輝きを放つ正八面体の結晶がゆっくりと横に回転しながら浮遊しているのである。これが神核なのであることはすぐに理解できた。

乳白色の艶のある骨で出来たスケルトン兵である。


「こいつは強そうだな。ゴブリンぐらいなら余裕だろうな」


武器は一切持っていないので何か探さないといけないな。まだ解体途中のゴブリンがあるしこいつに解体させてもう一体召喚するか。

俺の刀を与えて解体をさせるのは嫌だからどうしようかな。そういえば荷物にナイフあったから取りに行くかな、などと考えながら初めての命令をする。


「今から拠点に一旦戻るから俺が帰ってくるまでゴブリンの死体を見張っておけ。見張りをしながらこぶしサイズの石と硬くて真直ぐな槍になる長さのある枝をいくつか集めておけ。いいな。」


返事は返ってこなかったが眼孔の赤黒い炎が揺らめき、頷いた。

声は出ないようなので意思疎通は面倒だなと思いながらナイフを取りにテントまで戻るために歩き出す。



ナイフを持ってゴブリンの死体の集めてある場所まで戻るとスケルトンが立っており、足元にはきちんと数個の石と木の枝が置いてある。

スケルトンにナイフを手渡しゴブリンの解体を命じる。


「ゴブリンを解体して骨を取り出せ。他にも使えるものがあれば確保しておけ」


スケルトンは頷くと早速解体を始めたがなんの躊躇いもなく腹にナイフを突き刺し切り裂く。切り裂いた腹部から内臓を引きずり出しているので気分が悪くなり視界に入らないように少し離れる。

森の警戒が出来る場所で、枝を使い槍を作ることにしたが刀が汚れていたので湖で刀を綺麗に洗った。

のんびりと5本有る木の枝の先端を鋭くなるように切っていく。

すぐに終わってしまったがスケルトンの解体はまだ終わっていない。終わっている量を見ると俺の数倍のスピードで解体しているのは一目瞭然だ。


「解体スキルは必須だな。自分で解体しなくてもいいのは精神的に助かるわ。もう2度とゴブリンの解体だけはしたくない。次の召喚は何のスキルにするかな」


今日はもう労働意欲が湧かないので解体が終わるまでのんびり魔術の訓練をする事にした。ちなみに魔力はモンスターを倒さない限り回復しないことが判明していたのであまり酷使は出来ない。


魔力が自然回復しないのは正直きつい。


30分ほど経過し、もうすぐ夕方かなというタイミングでスケルトンが歩いて近寄ってきた。


「臭い!湖で体を洗って来い!」


血まみれのスケルトンは異臭を放っていたのである。

ゴブリンの死体は解体され骨と血肉や内臓に分けられていた。骨の横には親指の先ほどの黒い石のようなものが10個置いてあった。


「やっぱり想像通り魔石があったか。モンスターには定番だよな。小さいけど何かに使えるって事だろうし有効活用しよう。現金に換金出来るならホクホクだ」


骨も結構な量あるしもう一体召喚しよう。神核を起動して保有魔力を確認すると685である。

魔力感知をかなりの回数使用し、魔術の訓練もしたのでもう一体召喚すると大幅なマイナス収支であるが必要経費であると無理やり納得して2体目のスケルトンを召喚する。


付与するスキルは「運搬」である。


これで狩りの効率が上がるだろう。召喚が終了したところで洗浄し終えたスケルトンが戻ってきた。そして2体のスケルトンに問いかける


「お前たちは睡眠や休息は必要なのか?」


2体とも左右に首を振る。やはりアンデットは眠らないか。これは高効率だな。


「では命令だ。明日の日の出までモンスターを討伐して解体を行い骨と使えるものと集めろ。使い道のない部位は穴を掘って処分をしろ」


と命令をしながら木の枝で作った槍を渡す。さあどれだけ集まるんかな。魔力も獲得できたらいいがそこまではうまくいかないだろうななどと考えながら拠点に向けて歩き出しながら振り返り


「武器は壊れたらそこの予備でも石でも勝手に使ってくれ。勝てない相手からは逃げろよ」


自分も含めて安全マージンは大切だよねと思いながらなんとも気楽に歩く。さぁ明日の朝が楽しみだ。


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