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39 冬の終り

領都に暖かい日差し降り注ぐ。やっと冬も終わり春を迎えようとしていた。この辺りには雪が降る日もあったが積もるのはまれだった。


冬の間に新領地に新たな大森林のモンスター狩りの拠点を作った。

最初の基地から数えると第六基地まで出来た事になる。全ての基地のスケルトンウォーリアを500に増やし役割なども基地に合わせて再編する事が出来た。


ハロルゼはハンズやアリーシャに任せているが計画は順調で貿易都市も少しずつ建設が進んでおり各商会の協力もあり市場も形になってきて活発な取引が行われているようだ。


王都ではライラの助力とネームバリューもあり武官・文官ともに多数の志願があり、登用している人材は高水準で有るとのことで期待以上だ。


基本的には貴族の子息が中心になるが、貴族に仕えている部下の関係者など紹介されてやってくるようだ。

新興貴族でも金と力を持ち、王女を娶って王家の縁戚になるというのであれば渡りをつけたいと考える者も多い。当然、自分の意志で来ている者も多い。これは、人材の需要に対して供給過剰だからだ。

寿命が長いエルフはなかなか役職の空きが出来ないのだ。

ただ、さほど募集していないメイドの応募が多くて困っているようだ。貴族の推薦で息女などをこぞって寄越してくるようで断るのに苦労しているらしい。


つわものになるとまだまだ危険も多いヘンリル領まで押しかけてくる。メイドになってお手つきになれば嫁入りのチャンスと考えているからだろう。自宅にハニートラップだらけとは気が休まらないので、古くからの奴隷のメイドに身の回りを任せている。


ライラはアース商会の販路の拡大を進めているがなかなか難航しているようだ。販路の拡大と同時に新たな商品を扱う計画らしいが既存の勢力に抵抗を受けているようだ。


「ライラ、商会の成長を頑張るのも大切だが、うちだけで全てをやることは出来ないし独占は良くない。これは健全な経済を破壊する。うちが値上げしたら国民の生活はどうなる?潰れた商会の家族や従業員やその家族はどうする?」


「それは…そこまで考えておりませんでした。とにかく大きくすることしか頭になくて。」


「君の気持ちは良く分かるがステークホルダーや社会への責任も考えなければいけないよ。皆が納得して自発的に協力してくれるようにするにはどうすればいいか考えてみるといい。権威で商売をすると失敗する。王女としてでは無くライラとしてやるように。」


「承知しました。まだまだ駄目ですね私も。」


「そんなことはないよ。良く頑張ってくれている。みんな助かっているよ。さぁこっちにおいで。」


向かいに座っていまライラを膝の上に座らせて頭を撫でてやる。まだ子供なんだから優しくしてやらないとな。とても嬉しそうにするのだから可愛くてしょうがない。でも、妻というより親戚の子供をあやしているようだ…。


「それで他の妻は決まったかな?」


「はい。レスサス伯の4女とリンドガルド伯の次女を考えております。レスサス伯の領地を一部分譲する話は聞いております。しかし、王国に認められませんでした。レスサス伯は約束したことなのでと主張されており直訴されましたが、1人の貴族に二つの領地と言うのは前例がありませんので許可されなかったようです。それで世継ぎに爵位を授けたのちに領地をという事になりました。完全にという事は出来ませんが間接的にお渡しするという事です。リンドガルド伯も同じで奪い返した領地といっても印象が悪いので縁戚になり協力関係をアピールするねらいです。それにお二人とも、とても良い方なのでうまくやっていけるかと思います。」


「そうか。あのお二人の息女なら間違いないしな。それでいこう。話を進めてくれ。春になれば辺境伯領に侵攻して領地を奪うからそれが終わったら婚姻の儀をしよう。その準備も頼むぞ。秋には終わらせる予定だ。」


「分かりましたら。相手は武勇で有名な辺境伯ですのでお気をつけください。またしばらくはお会いできないのですね。」


「そうなるな。ただ、侵攻が終われば俺の戦争も終了だ。妻になればずっと一緒だよ。」


「はい。楽しみにお待ちしております。」


頭を撫でながらそっと抱きしめてやる…やはり子供をあやしているようだ。周りのメイド達も兎獣人の2人もほんわかした雰囲気で見てくる。


世間では殺戮伯や盗賊貴族、爆炎伯爵、奴隷製造伯なと悪名ばかりが聞こえるが。

わりと自国では評判は良いようだが、他国では滅法評判は悪い。やっていることを考えると致し方ないのだが…ちょっと微妙な気持ちだ。


冬の間にヘンリル軍も編成してスケルトン軍も充実した。

編成したスケルトン達を冬の間はもっぱら農業と土木作業員に樵をさせていた。


スケルトンを使い村々の農地の開墾をした。スケルトンだけではなく兵士も協力して行ったが労働力が違う。春までに平均して三割の農地が増えた。


村や町を繋ぐ街道の整備も進んで凸凹だった街道は今では平らになった。いずれは石畳にする計画だが莫大な費用と労働力を必要とするので計画段階だ。


村や町の新たな建設資材や塀の建設に膨大な量の木材を必要としたため俺も時間が有る時は協力して木を切りまくった。伐採には辺境伯の次男坊から獲得した剣も役に立った。ドワーフの鍛冶師に鑑定をさせたらアダマンタイトという魔力を通す金属製だった。金に長い時間・強力な魔力を浴びると魔化するようだ。銀がミスリル、金がアダマンタイト、プラチナがオリハルコンになるようだ。鉄や銅も魔化した素材は魔力を通す様になるとのことだ。天然の魔金属は大森林の奥地でなければ採掘できないとされていて、出回っている物は殆どが人工のものか遺跡などで発掘されたものだそうだ。


通常の斧では一発で切り倒す事が出来ないがスケルトンウォーリアが使えばそれが可能なのだ。

かなりの価値を持つ剣だが使わなければ意味がないから、木材の伐採に大活躍中である。


そしてこの冬の最大の成果と言えば狐獣人姉妹や裁縫職人、衣服関係の商会を協力で開発されたメイド服であろう。素材から厳選して何度も思索してようやく最近、完成した。絵を描くことを出来ないのでいイメージを何度も伝え、デザイン画を少しずつ修正しながら試作品を何着も作ったのだ。その成果もあって完璧に好みのものができた。また執事服も作った。こちらはスーツを自分が使うために仕立てたものを改良した。


こっそりではあるがミニスカートのメイド服も製作していた。それは狐獣人の姉妹の母親に任せた元貴族のみの超高級娼館で使用させることにした。メイド服を気に入った女将はすぐに飛んできて他のアイデアは無いかと詰め寄られた。なので一晩かけてコスプレやその種類をいろいろと聞かせた。また実地で着衣したままのプレーというものを教えた。新たな境地を発見したと喜んでくれた。もちろん、こちらも大満足であったけど。


ちなみに王都へ行った際に数名の貴族や大商人にその娼館の話をした。俺の紹介が必要な会員制でプライバシー保護をしていることなど少し宣伝しただけなのに、冬の間に陣中見舞いなどと称した面会がひっきり無しだって。おかげで有力なコネクションを作ることがで、お土産もたくさんいただいた。

新たなスタイルを提供した大人の社交場は大変に賑わい、100%が次回の予約をして帰ったそうだ。

一晩で最低でも金貨5枚は必要にも関わらずの大盛況は驚いた。今後はカジノやモンスターレースなども準備中である。


もちろんうまくいった事ばかりではない。広大な領地の管理が上手くすすんでいないことだ。自国からの住民の流入と敵国への流出などが断続的に起きていたので処理が追いついていない。パソコンも無ければネットも無いのだ。現在はスケルトンを活用して何とかしているが徴税がかなりの難航と遅れを発生させた。


また、税として徴収した大量の小麦などの穀物の換金や税金の管理が大変であった。これはどうにもならないとリーゼッヒ商会や娼館でつっくたコネクションを使った。貴族も経験のある役人を派遣したり、商会は快く買取をしてくれた。

為替で代金をやり取りして必要な物資や奴隷を提供してくれる商会も多く助かった。


一番困った事態はおれ自身ではあったが。


それは、鬼兵旅団の限界。


旅団なので兵数は限界が有ると覚悟はしていた。


実際に9999体召喚したところで打ち止めになった。


10000体目の兵は魔方陣が出なかったのだ。


しかし、悪いことばかりではなく良いことも有った。

限界まで兵を増やしたことでスキルが成長したのだ。


「ついに限界が来たけど、再編はほぼ完了だな。タブレット起動」


鬼兵旅団 Lv3


兵種

骨鬼(スケルトン 148兵

戦骨鬼(スケルトンウォーリア 8154兵

将軍骨鬼スケルトンジェネラル 303兵

幽鬼ゴースト  951兵

幽卿鬼スペクター 430兵


特殊操作


合成進化 Lv2 旅団拡張 Lv1


新たな兵種が増えて特殊操作も増えた。


将軍骨鬼(スケルトンジェネラル…成長限界に達した戦骨鬼500兵を合成進化した兵

召喚 必要魔力 100000 必要素材 なし

固定スキル付与 指揮型50000 戦闘型30000

スキル継承 なし

成長限界100%


幽卿鬼スペクター…成長限界に達した幽鬼10兵を合成進化した兵

召喚 必要魔力 10000 必要素材 なし

スキル付与枠 1 スキル付与必要魔力 5000

スキル継承枠2 継承必要魔力 1スキル 5000

成長限界200%


旅団拡張は1億の魔力を使いもう1旅団召喚できるようにすることが可能という能力だった。


いろいろ思案したが現状の魔力では旅団拡張は不可能であったので兵種を再編することにした。

しかし、ゴーストは死体がいるので安易に合成してしまうとかえって戦力を減らすことになってしまうので慎重に行う必要があった。


春まで再編した鬼兵旅団は暫定ではあるが何とか形になった。


第一基地狩猟大隊 戦骨兵スケルトンウォーリア500兵

第二基地狩猟大隊 戦骨兵スケルトンウォーリア500兵

第三基地狩猟大隊 戦骨兵スケルトンウォーリア500兵

第四基地狩猟大隊 戦骨兵スケルトンウォーリア500兵

第五基地狩猟大隊 戦骨兵スケルトンウォーリア500兵

第六基地狩猟大隊 戦骨兵スケルトンウォーリア500兵

ハロルゼ守備中隊 戦骨兵スケルトンウォーリア200兵 幽鬼ゴースト 20兵


辺境迫軍追撃大隊 戦骨鬼(スケルトンウォーリア 1254兵 幽鬼ゴースト 421兵

偵察・監視大隊 幽鬼ゴースト 510兵

国境防衛大隊 戦骨鬼(スケルトンウォーリア 500兵 幽卿鬼スペクター 30兵

ヘンリル領防衛大隊 戦骨鬼(スケルトンウォーリア800兵 幽卿鬼スペクター 100兵


そして

侵攻軍である大隊


アルファー大隊 将軍骨鬼(スケルトンジェネラル101兵 戦骨鬼(スケルトンウォーリア800兵 幽卿鬼スペクター 100兵

ブラボー大隊 将軍骨鬼(スケルトンジェネラル101兵 戦骨鬼(スケルトンウォーリア800兵 幽卿鬼スペクター 100兵

チャーリー大隊 将軍骨鬼(スケルトンジェネラル101兵 戦骨鬼(スケルトンウォーリア800兵 幽卿鬼スペクター 100兵


指揮スキルを付与したジェネラルにフォネティックコードを使って名前をつけてそれを大隊名にした。

そして中核となる戦闘用に100合成した。出来ればもう少し戦闘ジェネラルを増やしたかったがこれが限界であった。

もし拡張できていれば倍の兵力は欲しかった。

しかし、時間も魔力も素材も枠も全てが不足していた。


なんと驚いたことに指揮ジェネラルは話ができる。体はウォーリアと大差はあまりないが色が黒くなり威圧感や迫力は段違いである。もちろん能力はスケルトンとウォーリアの能力の差なんて次元が違う別物になっていた。

スペクターも魔術のレベルが上がり、物理攻撃も出来るようになっていた。姿は黒いデーモンのような形をしたモヤである。翼を広げた俺に近いものがある。



新生ヘンリル領の幹部が会議室に一同に集まった。


「いよいよ春となった。侵攻作戦に移る。全員限られた時間と資源でよくやってくれた。最終確認をするからよろしく頼む。まずは辺境伯領の偵察と抱き込みはどうなった?」


兎獣人と商人が応えて説明をする


「要約すれば兎獣人を増員して大都市に密偵を潜ませ辺境伯の関係者の洗い出しと居場所の特定は概ねできていると言うことだな?」


「はい。主様の命令通り私の同族を買い集めました。総数で47名です。監視網も使い村の場所や街道、規模も調べてあります。」


「ご苦労だったな、引き続き頼む」


「商会も上手く行ったようだな。村でヘンリル領寄りは7割といったところか?」


「概ねあっております。ダミーの商会というのはなかなか妙案でした。アース商会が乗り込むわけにも行きませんからな。しかし、さすがと言いますか辺境伯領は物資の不足もあまり無いようで奥地までは入り込めておりませんな。申し訳ありません。ちなみにそれなりの利益が出たのですがいかがいたしましょう?」


「そのままどんどん販路を広げろ。敵国にもぐりこんで経済戦争を仕掛けろ。簡単に言えば敵国の商会を潰してうちの商会のシェアを伸ばせ。戦争は殺し合いより金を奪われるほうが痛手はでかい。しかも合法なら潰すことできまい。荒事は専門に潰しの利く組織をその都度つくり足をつけさせるな。バックを出来る限り掴ませるなよ。」


「相変わらずすごいアイディアですね。承知しました。今後も継続いたします。後ほど詳しい手法や新たなアイディアをご教授ください。」


「了解した。統治はどうだ?」


「出入りは多いですが閣下の骸骨の協力もあり順調です。留守の間はご安心ください。それに税金もありますから可能な限り出来ることはしておきます。それと、支配地の統治専門の人員も既に準備が進んでおります。少しでも経験を積ませておきます。やることはつきませんからな。」


「相変わらず頼もしいな。お前はギャングより政治に向いてるよ。おい、例の剣をもってこい。そこにひざまずけ。簡易だが叙勲式だ。」


「は?」


「お前を今日から貴族にする。早くしろ。」


ハンズと話をした際にいずれ辺境伯の領都をヘンリルの領都にする。その時に現領都についての扱いを検討したのだ。結論は副領都として、部下を法衣貴族にして管理を任せてはどうかと。いずれは俺の子供たちに任せても良いとの事だ。それで、元ギャングのボスにと白羽の矢が立ったのだ。ハンズの部下に当たるが良いのかとは思ったが異存ないそうだ。

ハンズはいずれ、子供がハロルゼの領地をもらったら補佐をする貴族にすることにした。本人は遠慮したがそういうわけにはいかないよな。


「ハンズの兄弟は?」


「心配ない。あいつもいずれ貴族だし、そもそも推薦したのはあいつだ。ほれやるぞ。」


どこかの貴族の屋敷から強奪したミスリルの剣を鞘から引き抜いた。

そして、元ボスの肩にそっと刀身をのせた。


「汝、レッグスをヘンリル伯爵の名において準男爵に命じる。ヘンリルの礎となれ。そして姓も与える、アースロッドと名乗れ。ここにヘンリル領初の貴族、レッグス・アースロッド準男爵の誕生だ。皆も協力をよろしく頼む。」


「レッグス・アースロッド、この命・魂全てを奉げてお使えすることを誓います。」


「ここは近い将来に副領都なりいずれは俺の子に渡すことになるだろう。おれの子供たちもよろしく頼むぞ。それにしても、その凶悪な面で泣くな。」


「命に代えましても必ず…必ず…」


部屋にいた全員が跪いたまま泣いている。奴隷でも尽くしくれるやつは貴族にする。伯爵になった俺にはそれができるのだ。


「さぁ、みな祝福してやれ!軍の準備は出来ているな?出来ているなら酒を持って来い。祝いの宴会だ。無礼講でいいぞ!」


「はい、軍は準備万端です。すぐに宴席の準備をさせます。」


あっという間に部屋には料理と酒が並んだ。


「皆の者、よく働いた。杯を持て。戦の前祝と男爵に祝福を。乾杯!」


「乾杯」「乾杯」「乾杯」


一斉に声が上がりにぎやかな宴会になった。とてもいい雰囲気だ。全員が家族のようで。

必ず勝って戻ってこよう。











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