表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

32/81

32 貴族へ

初めて王都に来たがフィレンツェに旅行で行った時を思い出すような都市だ。

石造りの建物が並び規模も活気もこれまでの町とはいえ違った。


「これが王都か…凄いな」


「そうですね…私も初めて来ましたけどワクワクしますね。」


今回は兎獣人を2人連れてきていた。箱魔車と5台の魔車で領都に入った。俺が一行に加わったのは昨日の夜であったが。


領都に到着後は王城に知らせを出し宿を手配した。そこそこの宿をほとんど貸し切ったような状態で俺は最上階でくつろいでいた。


「のんびりはいつもしてるけど仕事も戦争も無いのは久しぶりだな。」


膝枕でうとうとしながら耳掻きをしてもらう。手足もマッサージしてくれるし至れり尽くせりだ。

王城からほ5日後に登城しろとのお達しがきた。


しばらく時間が出来たので王都を観光していた。部下達は新しい販路を開拓したり、屋敷を探したり、様々な物の買い付けをしたりと忙しくしていた。


貴族なら王都に邸宅も必要らしい。普通の住宅か商会の一室でいいんじゃないかと思うがそういう訳にもいかないようだ。貴族なら貴族らしくと言うのが貴族ではない部下の話だ。


一度深夜に抜け出しハンズのところによってからエルの待つ拠点にもどった。深夜で寝ていたがすぐに迎えてくれる。


朝まで2人で楽しんだがゆっくり寝ていられないので、スケルトンを合成進化させてから王都へと戻ることにした。一瞬このままボイコットしてしまおうかとも思ったがエルに行くように言われてしまった。



あれこれ礼儀作法から儀式の流れまで役人に教わり国王に謁見していた。

めんどくさい事この上ない。時間より早めに登城したが叙勲式よりも遙かに早い時間だった。


国王の前で跪き頭を下げる。


「汝ペルセ・アースを伯爵に任ずる。我が王国のために尽力せよ。領地として新たな領土と奪い返した土地を汝に授ける。ヘンリル領として新たなる王国の領土に繁栄を。これが汝の紋章でる、永久の栄光を。」


国王から紋章入りのマントを恭しく受け取った。


「ペルセ・アース拝命いたしました。王国の剣となり万難を排し、王国の盾として身を捧げることを誓います。」


なんとも厳かな叙勲式は参列した貴族達の拍手で終わった。貴族はそれなりにいて伯爵となれば上位の身分だろう。ワーロックだからこそ反対はでないが子爵や男爵はあまり良い感情は無いだろう。


様々な祝賀会の誘いや茶会の誘いがあるようだが戦時中と言うことでほとんどを断った。

しかし、公爵や侯爵クラスの誘いと派閥の集まりには参加せざるを得なかった。


商会や工房関係は出来る限り面会した。使えそうな取引先が目白押しだから…名誉より金が優先だ。


王都にも屋敷を用意したり、商会の支店や取引先の開拓、物資の調達など部下達がどんどん進めていく。


今回は王都進出に5000枚の金貨を用意した。これだけあればかなりの事が出来よう。


貴族としての務めや行事など様々な説明を専任の役人から受ける日々だ。

勉強の後は執務が待っている。膨大な書類にサインをする。その合間に訪問者の面会。


「バカにしていた政治家さん達ごめんなさい。これは国会で居眠りしてもしょうがなわ。一分の休みもないとか戦争より大変だぞ。死ぬわ。貴族はブラック企業だわ、こんなに働いたの初めてだ」


疲労のせいで兎獣人にベッドまで運び込まれてそのまま爆睡している毎日。屋敷はかなり立派なものを購入していたので広い。小さいのにしておけば良かった…


着替えも風呂もメイドや兎獣人達にやって貰っていた。とにかく眠いのだ。

疲れているのに毎日やってくる役人がとんでもない無いことを口にする。


「結婚の予定なんてないぞ。そもそも結婚するつもりは全くないぞ!」


「閣下それは困ります。伯爵にあるものが独身など有り得ません。数人は夫人を娶り下さい。こちらが候補です。格式も人格も厳選しておきました。」


「まじかよ…」


目の前に肖像画つきのプロフィールが書いてある冊子が山と積まれている。

選ぶのか?今選ばなきゃならんのか?


「まだ戦時中でいつ死ぬかもわからんから結婚なんて出来ないぞ」


「逆にその時のためです。伯爵の資産はどうされるのですか?現金や不動座、奴隷数などわが国の貴族でも上位の資産を持たれているのですよ。相続はどうされるのですか?早く世継ぎをお願いします。」


「あっ、いやー、その、えらぶの?ちょっとだけ時間くれない?」


「はい、当然です。2人ほどお選び下さい。第一夫人は国王の第八王女が内定してますので3日のうちでお願いします。」


おいっ!こいつなんつった?


ひとりは王家で決まってる?


なに言ってんだ?


ハァ~~~~~~アッ?


思わず刀に手をかける


「どういうことだ!聞いてないぞ!」


「っどうか剣は納めて下さい!昨日王から申し遣ったのです!王は閣下に大変期待をされておるのです。何卒ご納得下され、名誉なことですので。」


これは断れない命令か!いつか裏切るかもしれないと不安になったからだろ。くそが期待とか抜かしやがって。


貴族にはなったが面倒な事ばかりだ。良いように使われて損ばかりじゃねーのか?

だんだんとイライラが溜まりイヤになってきていた。もうさっさと結婚して領都に帰ろう。結婚はしょうがないから諦める。


「分かった。ただし、領地の戦争が終わってからだ。いいな?」


「はい、それはこちらも希望するところです。明日、王女様と面会のみお願いします。」


「分かった。それが済んだら俺は帰る。」


かれこれ10日程王都に滞在したからもう帰ろう。そろそろ敵も仕掛けてくるだろうし。

あれだけ領土を奪われて黙っている国は無いからな。こちらも辺境伯の領土は奪いたいしな。


その後は王都を任せる部下を選び、新たに官僚を募集させたり執務をこなした。


明日の王女との面会はイヤ、イヤとぼやきながら兎ちゃんに慰めてもらった。結婚するならエルで良かったがそうもいかないんだろうな。面倒だよ貴族は…それに夫人全員で楽しめないだろ?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ