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25 ディナー会議

日も暮れようかという時刻になったのでリーゼッヒ商会での話を早々に切り上げて領主の屋敷に向かっていた。


「領都でもひと騒動起きるし、落ち着いている暇がないな。また面倒を押しつけられないと良いけどな。」


今回は執務室ではなく、小ぶりな食事を取れるテーブルの有る応接室に案内された。綺麗な猫獣人のメイドがお茶を出してくれたのでのんびりと口を付けながら部屋を観察すると品の良い調度品が飾ってあった。そばに控えるメイドは小綺麗な服を着ていたがメイド服ではない。残念だよ。


「ちょっといいかな。こう行った屋敷で働くメイドは決まった服装とか有るのかな?みんなそれぞれ違う服を着ているけど私服なの?」


「はい、みな私服を着用しております。統一の服を着るといった事は聞いたことが有りません。」



「そうか。制服といった同じ服を着るという習慣は無いんだね。」


「有りませんね…でも同じ職場ならいいかもしれませんね。毎日悩む事も無くなりますし」


「そうだね、でも今日の服はとても素敵だよ。毎日違った服も楽しみがあるよ」


「ありがとうございます。主がお見えになったようです。」


扉が開くと領主が数人を引き連れて入ってきた。なにやら書類や箱を持ってきている。


「ペルセよ待たせたな。食事を取りながら話をしよう。今日はリーゼッヒ商会の倅は来ておらんのか?」


「あちらも忙しいようですし、今回は同行をお願いする事もないかと思いまして。」


「そうじゃな。ゆっくりと食事するのも久しぶりじゃから早速食べるとするか。」


素朴なドイツ料理に近いようなコースメニューを食べながら色々な話をしていく。

魔石に関しては上位クラスのモンスターと同じで、特質するような事は無いのですぐに返却された。

報酬は金貨2000枚と言われたが辞退した。しかし、領主が討伐したのに約束を違える事は出来ないというので妥協案として開拓砦へ出資する形にして利益がでたら配当をもらうことにした。

領主は不満げであったが周りの役人達はホッとしていた…そりゃこれから復興に金かかるから当然だよね。

但し税金は10年は約束の通り半分にしてもらう事にした。こちらも金が有るには越したことはないし、商会に娼館、マフィアと幅広い複合企業になっているし素材市場もこれからやるのだから利益は多いから。


素材市場の話をしたら領主もかなり乗り気になってくれた。スケルトンが集める素材が幅広い商人に公平に取引されたくさん出回るのだ。物流や価格形成にも迅速に対応出来るしメリットは大きくなる。


「一つの町のようになることを想定してます。私が集めた大森林の素材を競りで売買する。仕入れるだけでは片道ですので市場まで様々な商人が商品を持ち込んだ物も同様に競りをする。基本は大きな商会で大量の商品を市場で売買を行い、市場に参加した商会から小規模な商会や行商人が仕入れて一般に販売する。こういった事を検討してます。私は場所やシステム、倉庫の保管業務や輸送を提供して使用料を頂こうと思います。それに安全性やルールを確立する事も約束ができます。商売は信用が第一ですので。」


「素晴らしいな。今までそんなに大がかりなものは無くそれぞれの商会でやっていたからな。それで場所はどこを希望する?」


「領都とハロルぜのちょうど中間の街道沿いを希望します。川の橋よりハロルゼ側に少し行ったところに大森林の私の拠点からの輸送に使っている街道を確立していますのでその合流地点を希望します。基本は素材の売買が基本になるので。」


「あの辺りは何もないから一体をお主に譲ろう。自治権をお主に与えよう。我が領の繁栄の為に励んでくれたまえ。」


「ありがとうございます。土地の費用はいかほど用意すれば宜しいでしょうか?」


「費用はいらん。町を造ってくれるのに費用を要求するわけなからう。きちんと税金は稼いでくれさえすればな。」


「ありがとうございます。是非とも期待にお応えしたいと思います。」


これで新たな商売が出来るな。市場の売買に加え参加者の宿や食事処や倉庫や商店に使う不動産の売却代。莫大な利益が今後は期待できる。川を使った海運や大きな取引用の銀行業務まで発展の幅は大きい。


今後は人材の育成が急務ではあるが現代日本のシステムを真似するだけで大社長だ。奴隷にした元商人の家族達には親の商売に反対していた優秀でまともな奴もそれなりにいたらしいから色々と部署を分けて任せていこう。


最初のやり方に激怒していたがその後の俺のやり方に付いて来たいと言う奴がいるらしい。ハンズ曰わく親のあこぎなやり口に嫌気がさしていたそうだ。


「最後になるがあのモンスターの卵じゃが無害で有るそうだ。大森林の奥地などの魔力の高い場所に長い年月おいておかなければ孵化はしないそうじゃ。ただ他の従魔同様に魔力を与えれば言うことを聞くモンスターが産まれるそうじゃ。お主ならいつか従魔が出来るかもしれんから返しておくぞ。」


忘れていたけど卵もあったな…


「そうなんですか。それは面白そうですね。因みにどんなモンスターが産まれるんですか?」


「それは分からん。高ランクの従魔になることは間違いないがな。お主の助けになると良いの。」


「分かりました。では有り難く頂きます。」


こうして領主との食事はゆっくりと終わった。今後は忙しくなる。従魔も楽しみだから鬼兵旅団と共に育てていこう。


領都で数日を過ごし各大商会に市場参加の誘致やそれまでの取引について会談をして帰途についた。


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