表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/81

2 神核形成

神様が去った後俺はいよいよ転生となるがいきなり転生するわけではなかった。

キュリエリスに改めて謝罪を受けながら受けた説明によればこれから神核を形成しなければならないとのことだ。

説明を聞く限りまるでゲームのキャラクターメイキングである。


神核形成しやすいようにキュリエリスの神格の半分を数値化して種族・身体的能力・スキル・所持品を選択していくとのことだ。神核は10,000ポイントに数値化し端数は残ポイントとあわせ初期保有魔力となる。形成内容と人間であったころの性質からオリジナルのスキルが1,000ポイントを使用して組成されるとのことで実質的には9,000ポイントで選択して構成していくと説明された。


まずは転生種族について決めなければならない。選択肢は4つ。


人口順に


1・エルフ 種族特性 長命(約500年)・魔力は強いが筋力は弱い・風魔術に特化・不老

2・獣人ビースト 種族特性 寿命は人間並み・俊敏性や体力に優れるがベース動物による・魔力は低い・身体強化魔術に特化

3・ドワーフ 種族特性 比較的長命約250年)・筋力が強く魔力も高い・土・火魔術に特化

4・魔人ワーロック 種族特性 非常に長命(約1,000年)・身体能力に優れ強大な魔力・全属性の魔術を行使可能・個体数きわめて少数・不老


この4種族から選択しなければいけないようだ。なるつもりはないが一応聞いておくか・・・


「モンスターがいるとのことですがそれらには転生できないのですか?」


「知的生命体でしか神核は形成できませんのでモンスターで転生することは出来ないです。モンスターに転生をご希望でしたか?」


「いやそのつもりはないのですが可能かどうかの確認をしたかったので。ちなみに各種族の見た目の確認することは出来ますか?想像と合っているかは分からないので」


「畏まりました、各種族の平均的な男女の映像を出します。」


とキュリエリスが言うと目の前に8体の立体映像が現れた。映像を見る限り想像通りの部分がほとんどだが一部違っていた。


エルフは概ね地球の想像上と一致している。長身で体は細めで銀髪。顔立ちは北欧系の白人と言った感じですっきりとした感じである。日本人としては憧れる。特にエルフの女性はまさに妖精と言ってもおかしくない。貧乳ではあるが。


ドワーフは意外だった。想像では背は低く樽の様にすんぐりむっくりと思っていたが、身長は人間と変わりがなくとても筋肉質でバイキングのような感じだ。バイキングを見たことはないが。女性もマッチョである。これはないなと直感が訴える。


獣人は西洋人に獣耳と尻尾をつけて少し動物よりの顔と体つきになるようだ。ベースの動物の種類によるようだが、映像には犬か狐か狼かと言った感じの男性と猫のような女性が写されていた。男性は逞しく、女性は可愛らしい。ベース動物の種類は選択出来るらしいが獣耳と尻尾は恥ずかしすぎる。ただぜひともウサギの女性がいたならばお知り合いになりたいものだ。


最後の魔人は想像上の人型の悪魔といった感じだろうか。体は人間に近いが角が生えている。西洋人そのものに角が生えているのである。角を除けば身体的には一番人間に近そうだ。女性は蠱惑的魅力にあふれている。見た目的にも一番格好良いし寿命も長く能力も高い。第一候補だが人口が少ないのは疑問だ。


「魔人は一番能力的には高そうですがなぜ人口が一番少ないのでしょう?」


「魔人は生殖行為の際に自身の魔力の一部を一定量男女ともに使用しなければ子をなすことが出来ないためです。エルフは長い寿命のなかで多くの子を作り、獣人は多産であるため一度に複数の子を作るため人口が多いのです。」


「そういうことですか。魔人が魅力的に感じますが、選択した場合のデメリットはありますか?また各種族の必要ポイントはどれぐらいなのでしょうか?」


「魔人ですと社会的マイノリティーである事と多くの子孫を残すことが難しいといた面では不利でしょう。国や組織の上位の立場に就く魔人はおりますが魔人が王の国はございませんので。各種族の必要最小限ポイントはエルフとドワーフが1500ポイント、獣人が1200ポイント、魔人が2500ポイントとなります。」


これはやはり魔人のしかないな。能力は断然高いし見た目も良い上に不老で長寿なのだから。小太りのさえない日本人からすれば最高の条件だ。それに子孫についても多くの魔力を集めれば問題ないし、そもそも独身で結婚願望もない自由人である。しかも避妊の心配がないのであれば夜のお遊びも大いに楽しめる。


「魔人でお願いします」


「承知しました。性別はいかがされますか?」


「はっ、ええっと男でお願いします」


性別は考えてなかった。男しかありえないがせっかくだし女もありだったか・・・?いやないない。


「では身体的能力を調整しましょう。身長や体型はいかがされますか?その他に魔人であれば多くの付加能力を選択できます。角の種類、翼・尻尾の有無と種類、魔眼と腕の数や種類となります。また筋力や体力、俊敏性も上げることも出来ます。魔力に関しては神核による供給なので変更は出来ません。こちらのリストを参照して下さい」


リストを見るが選択肢が多くいろいろと複雑だ。これは悩むな・・・ポイントを多く使ってチートにしておくか?身体形成はここでしか出来ないからケチることはないか。これは直感に任せて選択していこう。


「身長は185センチ、体型は標準で筋肉質に、角は左右に巻きのタイプで。翼は高速飛行でき体に収納可能なこれを。尻尾はいりません。腕は2本のままで魔眼はひとつ追加でこの遠見・夜目を額埋め込み式

でお願いします。筋力・体力・俊敏性は最大限まで引き上げてください。」


翼と魔眼の追加は有効だろう。目立たなく一番質のいいものを選択したつもりである。石化や呪いなど物騒な魔眼もあったが使いどころが難しく目立つのでやめた。


「了解しました。年齢は成長期の終了段階となりますので成人年齢の25歳になります。身体形成に必要な総ポイントは基礎ポイントの2500に、角が50、翼が350、魔眼が400、各種能力の引き上げがそれぞれ200で3900となります。顔はかっこよくなるようにしておきますね」


とキュリエリスは微笑む。


これで残りは半分だ。スキルと所持品はバランスよく行う必要があると思いながら選択可能なリストを見せてもらう。スキルの種類は多いが武術や魔術の戦闘系は意外に少ない。料理・裁縫などの家事や製品加工などの技術系のほうが圧倒的に多い。レンガ製造や木材加工など意外なまでに現実的である。逆に鑑定や成長率倍化などのチートはない。リストを見る限り経験を数値化したようなものばかりで地球で言えば資格試験の等級と同じようなものだ。キュリエリスに確認して見たがやはり間違いではなかった。ちなみにどのスキルもスキル取得時レベルの状態での知識や経験値を神核にインストールして組み込むのでいきなり絶大な能力を取得するわけではなく、また取得していないものも転生後に学ぶことにより取得が可能と言うことだ。


「料理スキルでたとえるならば、スキルが無くても普通に料理は出来ます。料理が得意と言ったレベルでスキルが身につき、スキルを保有すればスキルの共通知識・経験の恩恵により少しだけ上手に出来るようになります。スキルにはレベルがあるもの無いもの、レベルによる恩恵などはスキルによって違います。女神がこのスキルについて管理しております。」


無理して取得することも無いが魔法系統や地球に無いものは取得しておいた方が良さそうだ。所持品に関しては武器・防具・日用品・お金があるがどれが良いのかは分からない。貨幣価値も分からないので金額が決められないが必ずいるだろう。その辺はキュリエリスから情報集数も兼ねて決めていくか。


「所持品は現地でも入手出来る物なのでしょうか?それとリスト以外のもの可能でしょうか?」


「そうですね・・・基本的にはすべて入手可能ですが高ランクのものは希少性や入手難度が高く難しいかもしれません。リスト以外のものでもリストにあるものの類似品などアレンジの範囲であれば可能です。また転生時には多くの所持品を持ってはいけません。所持できる範囲になります。」


リストを見ながら悩むが最低銀必要なものから選択していくことにした。高品質な服は2着・保存食・水筒に毛布など日用雑貨・半年分のお金を選択して背嚢に入るだけお願いをそたが30ポイントだった。武器は西洋式の剣・槍・ナイフ・弓などものがほとんどだ。危険な世界なら銃火器や爆弾などが良いがリストには無い。せめて刀があればと探したがこちらも無い・・・10年も剣道を習い有段者なのだから本物は振ったことは無いが他のものよりいくぶんかましだろうと思ったのだが。


「銃や爆弾は無いのでしょうか?」


「それは無理です。存在しませんので。」


やはり無理か。現地で開発できるかな?


「では剣を日本刀にアレンジしえもらうことは可能ですか?」


「はい、それであれば可能な範囲でございます。」


「ではこの黒魔竜剣を日本刀でお願いします。それとこの漆黒のローブをお願いします。」


鎧や兜などの防具は重くて邪魔になりそうだし、ポイントが足りないから取得しないことにした。最高ポイントクラスの剣とローブを選んだのだのだから致し方ない。しかしローブは防御力も高く体感温度を一定に保つなど申し分ない機能で、剣も切れ味、耐久性、切れ味の劣化耐性の高さは際立っているようだ。なんせ黒魔竜剣は1,500ポイント、漆黒のローブは800ポイントもかかるのだから。

どうしても好みの黒い装備を選んでしまう。


「スキルは剣術・四元魔術・回復魔術・無詠唱・魔力感知・魔力循環・魔闘気をお願いします」


スキルは一応の剣術が100ポイント。その他300ポイントで合計1,900ポイントだ。

スキルは神核形成の際には一般スキルは6つを組み込むのが最大であるとのことで厳選したチョイスだ。制限がなければまだ欲しいスキルはあったのだが我慢だ。

これでオリジナルスキル分も含めて9,130ポイントで残りは保有魔力としておこう。

魔力がなくて魔術が使えませんでは最悪だからな。


「オリジナルスキルは現地に転生時取得されますので問題がなければ以上で終わりになります。転生後に神核を起動してもらえれば能力を確認できます。最後になりましたがこのような事態になりました事を心よりお詫び申し上げます。申し訳なく思いますが新たな人生が良いものになりますように見守らせていただきます。世界への直接干渉出来ないため手助けは出来ないことが心苦しく思います。現地は単一言語ですので意思疎通に不便のないように会話・読書きが出来るようにさせていただきます。では転生となりますがよろしいでしょうか?」


「はい。両親を悲しませてしまいましたが家庭もなかったので。心機一転がんばってみます。」


「では良い旅を」


ふっと意識が遠のき気がついたら真夜中の森の中。見上げた空には大きな朱色の星があり、本当に異世界転生をした事を確信した。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ