19 後始末
部屋に戻ると美人エルフさんはエルと一緒に待っていてくれた。テーブルに腰をかけながら声をかける
「戻るのが遅くなってしまって申し訳ない。あれこれと問題を処理をしていたら朝になってしまった。取り敢えず一段落したけど本番はこれからで頭が痛い。」
「大変だったようですね、でもご無事でなによりです。」
「なにをしていたのか知っているような顔だね」
「この世界に150年いますので目も耳も良くなります。特にこの長い耳は」
「そうか、流石だね。ところで相談なのだが俺の物にならないか?」
「あらっ、いきなり愛の告白?でも、私は高いですよ。」
「そうじゃなきゃ、こんな事は言わないさ。それで、さっそくやってもらいたい事なのだが…」
どうやら彼女は察していたようだ。しかし、内容も聞かないうちに引き受けてくれるとは予想外だったな。期待に応えなければな。
「娼館を始めるのですね」
「ああ、そうだ。それで主人をしてもらいたい。それと娼婦以外もメイドなど幅広く面倒を見て教育をしてもらいたい。この町以外にも増やす予定だし、娼館以外の商売も追々任せるかもしれない。」
「随分と高値を付けていただいたわね。お人形さんでも良かったけど、そこまで言われたら断れないわね。分かりました引き受けさせて頂きましょう」
「感謝するアリーシャ。それともうお前は客は取らないでくれるか」
「初めて名前で呼んでくれましたね。これからアリーシャ・コネリーはあなたの物です。存分にお使い下さい。でも、寂しいのはイヤよ」
「当然だ」
その後、エルをお使いに行かせて…熱いキスを交わした。これまでとはまるで違う…初めて本当のアリーシャを抱いた。背中から腰へ回される手の感覚すら快感だった。
その後、アリーシャと共に娼館赴き金貨100枚で身請けをしてこらから同業になる挨拶をした。競合する事もあるから嫌な顔をされるかと思いきやノウハウの提供や立ち上げ準備のメンバーまで用意してる事になった。どうやらギャングへのみかじめ料が高かったようで、うちと仲良くした方が利益との考えらしい。どこも話が早いな…
◆
リーゼッヒ商会を訪れるとクローニだけでなくセブンス支店長も待機していた。これから事件の公的正当性の証明をしなければならない。そうしなければギャングや捕らえた者を奴隷に出来ないし、財産や諸々の権利の所有権が得られないからだ。奴隷にするにはハロルゼでは町長のようにその土地の統治者の許可が必要なのだ。領主の代行らしいが…全権委任されているようだ。これからその手続きになるが俺だけではどうにもならないのでリーゼッヒ商会に協力を求めに来たのだ。
「おみえになると思っていました。昨晩は大変だったようですね。町中が事件の話で持ちきりですよ。それにしてもここまでされるとは予想外でしたよ。」
「やるなら徹底にやらないとかえって厄介になるからね。中途半端が一番よくない」
「確かに…それでまずは町長ですね。今回は事が大きいのでセブンス支店長にもご協力してもらおうと思います。」
それで2人で待っていたのだな。難題とは面倒だ…。
3人で話し合った結果、悪党商会をつぶしギャングを配下にしただけなので公認は難しくないが、今後の町への協力や賄賂は必要だという話になった。
スラムの奪還や治安の回復、賄賂に金貨20枚程でまとめるようリーゼッヒ商会に渡りをつけてもらう事になった。
その日の夕刻には町長と面会を済ませて事件の報告や今後の方針を説明した迷惑料の支払いをして感謝の言葉を貰い、奴隷化の許可を得た。これで正義を得ることが出来た。勝てば官軍だ。
根回しのお陰で滞り無く比較的短時間で面会は済ます事ができた。
◆
日が暮れてしまったがクローニとアリーシャ、奴隷商館の担当者と奴隷呪術師2人を伴いギャングのアジトへと向かった。
別のアジトへ分けたので捕らえた者は半分ぐらいしか居なかったが、順番に奴隷化を始めていった。
商会関係者が175人、ギャングが全員で220人いるため数日はかかるとのことだ。死んだギャングの家族や財産などは手間をかけるほども価値がなかったので見逃して、今後の協力だけ約束させた。
最後のあがきで暴れたり、泣きわめくので作業には時間がかかる。ハンズに命じて奴隷化を任せた。奴隷商館の担当者が奴隷名簿の作成と査定もしてくれている。売却するものを任せることで協力をお願いしたのだ。概ね価値の高い奴隷になるだろう。
綺麗に掃除されたボスの部屋でクローニとハンズとアリーシャと俺でソファーに座っていた。今後の方針を話し合う為に集まったのだ。潰した3つの商会は統合して不正な取引は清算させて、全うな事業は継続して行うことにした。名前をアース商会と改めた。商会として保有して資産は不動産が商店5軒、料理店2軒、倉庫が4軒だった。下請けの革工房や道具の製作工場なども有るようだ。店舗3軒と料理店2軒はあまり価値が無いので売却した。今後の経営についてはクローニの部下2人がしばらく行ってくれるようだ。奴隷にした優秀なやつを教育して経営者に育てる予定である。奴隷でも一般人と変わらない生活も出来るので権利や報酬で上手く働かせれるだろう。
一番質のいい商会長の元自宅を俺のハロルゼでの自宅にして、残りの住宅の半分を奴隷従業員やギャングのメンバー、娼館の男女従業員の住居とのして活用する。簡単に言えば社員寮である。不要な不動産の売却は全てリーゼッヒ商会に任せえることにした。全部10軒の建物で金額にして金貨250枚~350ほどになるそうで、金貨200枚でまとめてリーゼッヒ商会に売却した。
その他資産は貴金属・調度品から家財道具などギャングがあらかた回収していたので必要なものを残して全て売却した。以外に高く金貨100枚にもなり現金もどうやって溜め込んだのか1250枚隠し財産を含めてあった。合計で金貨1550枚になった。自宅や社宅、商店の整備などはクローニの部下とアリーシャに任せることにした。自宅は豪華な風呂場があるらしいので楽しみだ。商会の運営は掛け金などもあるが全うな商売をしても俺の物資の直接販売などを行えば数ヶ月で利益が出るようにもっていけるとのことであった。商会運営費に金貨100枚とアリーシャに整備代に金貨100枚を渡す。
治安回復の為にハンズには別にの仕事を任せた。まずはギャングの統合と再編だ。ほぼ完了しているようだ。
アジトはここをメインにして、拡張をするため周囲のスラムを一掃することにした。比較的入り口に近いのでアジトを倍の規模にしてスラムとの壁にして、ここより町側を区画整理する予定だ。そして俺の所有する娼館を高級・中級の2軒建設することにした。これにスラムの住人を使えば混乱も減らせるだろう。その他にも飲み屋や宿屋など誘致する予定でこの利権を町長に一部譲ることにした。立地の悪いアジトは1つ潰してここに簡易住居を作り、うちの組織に協力的なスラムの住民に提供する。残りの1つはスラムの入り口だったのでアジトは一部残しながらも孤児院を造り孤児の生活の場とした。ここで将来のうちの商会の従業員を育成していく。孤児院はこれまで無かったそうでリーゼッヒ商会も共同参加として町にも支援を打診することになった。
ここまでしておけばスラムの住民も一般市民も町も多少の不満はあっても大きな文句は無く、印象は良くなるだろう。各施設の完成は早くても半年から1年かかるのでとりあえずハンズに金貨500枚を渡そうとしたが拒否された。ギャングの組織の資金で金貨1400枚はあるそうだ。特に元ボスが溜め込んでいたようだ。それだけあるなら騒動に協力したメンバーに金貨2枚と新しく加わったメンバーには金貨1枚を配るように指示した。当面は悪事を働かないように。アースファミリーとして再編した後はアース商会の傘下に入れた。今までのみかじめ料を見直し概ね半額以下、協力してくれる娼館などは10分の1程度にした。また必要悪の分野以外は制限させた。ハンズとアリーシャが協力して元スラムの土地を繁華街をしてくれるだろう。歌舞伎町のイメージを話したら興味深々だったので、裏の世界が管理する安全で楽しく遊べる街を目指してくれるだろう。
まだまだこれからではあるが部下たちに任せて俺は新拠点と領都進出に目処をたてることにした。それとギャングが保有する武器が大量にあり、クローニには売却すれば高値になるといわれたが、ギャングに必要な分以外は売却せずにおれ自身が使うことにした。なんせこれから増えるスケルトンの数は膨大なのでいくらあっても足りないのだ。
明日からも視察やチェックに交渉があるだろうから宿に帰って休むことにした。
帰ろうとすると斬り込みを行っていた見覚えのあるか顔が5人。
「お待ちしておりました、ボス。これから専属の護衛を勤めさせてもらいます。よろしくお願いします。我々は既に奴隷のなっておりますので遠慮なくお使いください」
「ハンズか…お前ら頼むぞ」
俺なら瞬殺出来るが見た目も大事か…でもまるでギャングのボスだよ…ボスか今日から
世の中、明日はどうなるか分からないね…拠点に帰りたいな




