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生けどりミケ2

遅くなりました。

一人キャラ崩壊します。


玲姉さん…

女豹の名は伊達じゃねえな!



さて、こちらミケ。引き続き同期の女性陣と仲良くランチタイム。一時おっぱい地獄(天国?)により生死の境を彷徨いましたが平和にチキン南蛮を完食。ただいまデザートの白玉をつついております。


「さて、お腹もいっぱいになったところでミケさんに聞きたいことが2点ほどございます」

「何でしょうか美沙さん」


咀嚼しながらの返事ですいません。もっちゃもっちゃいってますが、口を開けて食べてないので許してくださいトラさん。ここにいないトラさんに心の中で謝る。(この時トラさんがくしゃみをしたとかしてないとか)


「なーんで2年近くも猫被ってたのかなー?」


美沙さん。にっこり笑ってますがお顔が怖いです…。


「そ、それには浅〜い訳が…」

「浅いんかい」


美沙さんツッコミ鋭いです。反応早いです。そういえば彼女は関西圏出身だったと思い出す。文化か!文化なのか!?

仕方がないので、トラさんにしたのと同じ様な説明をする。先程までの事はあるが、少しどきどきする…。両手を膝に置いて下を向き、目だけでちろりとみんなの顔をうかがう。


「いってえ!!」


横からのいきなりの攻撃に思ったよりも大きな声が出た。こめかみ近くのでこにデコピンがヒットしたのだ。犯人はもちろん玲姉さんである。ぐぉおうと唸りながらこめかみを摩りつつ玲姉さんをじろりと見る。


「あら睨んでも怖くないわよ」


コロコロと笑って肩をすくめると、玲姉さんはミケの頭を優しく撫でた。


「あら、ミケの髪の毛ふわっふわね」

「え?どれどれ私も触りたい」

「私もぉ!ほらほらぁ頭出してぇ」


頭をテーブル越しに引き寄せられ、美沙と明菜にも髪の毛を触られ…もといかき回される。


「ちょ…」

「うわっ本当にふわふわ!いいなぁ…。私髪の毛硬いからなあ」

「茶色いのに全然傷んでないねぇ」

「あ…染めてんじゃなくて地毛だから…」

「地毛⁉︎ありえなぁい!!」


明菜が頭を両手でガシッと掴み引き寄せる。痛い痛い痛い!!首が伸びる!!!というか体制きつい。テーブルに手をついて頭下げてるって、謝罪かなんかしてるみたいだし。


「うーわぁホント…根元まで同じ色ぉ」

「まさかこのゆるふわも天然とか言わないよね?」

「え?天パだけど?アイロンかけてもストレートならないんだよね…」

「なぬ⁉︎けしからんな!」

「けしからないよねぇ」

「けしからないわよねえ…私なんて、染まりにくいうえにパーマもすぐ落ちるくらい直毛だからストレートでいるのに…」


…玲姉さんのストレートの黒髪にはそんな理由があったのか…。でもよくお似合いです。妖艶な感じで上品かつ女豹らしさが出てて似合ってます!だから頭鷲掴むのヤメテ!!


「いい加減いってえつーの!!」


頭を無理矢理起こす。すると三人は割とあっさりと手を離してくれた。


「元気出たぁ?」


明菜がにっこり笑って問いかける。あ、今のもしかして私が俯いてたから…?


「ほら、これ見て!」

「わぁ…」


美沙に差し出されたスマホを見ると、先程の笑顔のトラさんが…!!これ、私に送ったらダメかな…?見入っていた顔をあげると、三人が自分をじっと見ていたことに気がついた。え?何なに??


「二つ目の質問なんだけど…坂下君とミケの関係は?昔から仲良かったっけ?」


トラさんと私の関係…?うーん…。


「…ご近所さん?」


関係というとそれになるのかなぁ?男友達とかともなんか違う気がするし…。そう思いながら残りの白玉を口に運ぶ。いつの間にかみんな食べ終わっていた。人の頭撫で回してた癖にいつ食べたんだ。


「ご近所さん…ねぇ。じゃあ、ミケは坂下君のことどう思ってるのかしら?」

「どうって?」

「好きとか」

「ぐっ…げほっ!ごほっ!!」


玲姉さんの言葉を引き継いだ美沙の言葉に、白玉が喉に詰まった。し、死ぬ!!


「大丈夫ぅ⁉︎ほらぁ、水飲みなよぉ」

「んぐっ…はぁ、ありがと明菜」

「…で?」

「…え??」


美沙の問いに何を聞かれていたのか忘れて聞き返した。命の危機だったのだ。質問くらい一瞬でとぶだろう。


「だーかーらー!坂下君のこと好きなの?」

「そ、そりゃあ好きだよ」

「それは男性として?」


美沙の言葉に、返事に詰まる。


「あー!男として好きなんだー!!」


ニヤニヤ笑う美沙と他二名に若干イラっとする。今晩も夕飯一緒に食べるのに意識させんじゃねーよ!


「え?夕飯一緒に食べるって⁉︎」

「うぇ⁉︎」


まさか口に出てた⁉︎ホントに、素の自分を認めてもらえたからって、私の猫サボりすぎじゃない⁉︎


「え!何それ何それ!ミケの手作り?」

「い、いやぁ…交代で」

「坂下君も料理作るの⁉︎いがーい!」


…寧ろトラさんの方が上手だと知ったら三人はどんな反応をするのだろうか。でも、その情報は独り占めしときたいような気がするので黙っとこう。


「やー、そんな仲良しでなんで付き合ってないかなぁ。ミケも分かりやすく坂下君のこと大好きだし」

「は⁉︎⁉︎」

「あれだけ坂下君の写真手にした時に顔輝かせてたらわかるよぉ」

「だ、だってレア物の写真だったからさあ!みんなだって欲しいと思わない⁉︎」

「「「思わない」」」

「えぇえ⁉︎」


なんでだ!あんなに笑顔のトラさん可愛いのに!いっつもむっつりしてるからレアなのに!!


「好きなんでしょ?」


…私だって思い至らなかった訳ではない。トラさんの何人いたのかどんな人なのかわからない元カノに腹が立ったり、トラさんを見つけると嬉しくなったり。でも…。


「私にトラさんは勿体無いよ…」


あんなに素敵なトラさんにガサツな私なんて、合わない。だから認める訳には…。


「あほかーーー!!!」

「いっ…⁉︎」


横からチョップが…トラさんの素敵チョップと違ってめちゃくちゃ痛い!


「恋愛なんてねぇ、押し倒したもん勝ちなのよ!利己的なものなのよ!!」


待って!玲姉さんキャラ変わってません⁉︎怖いんですけど!!


「相手の事なんてあとから考えればいいの!身体を手に入れれば心も後からついてくるわよ!」


さ、流石玲姉さん…。

女豹の名は伊達じゃねぇな!!

というか、最早女豹じゃなくて狼じゃないか?男々しすぎる!!あんな女らしい身体しといて!!!


「好きなんでしょ?」

「…はい」

「声が小さい!好きなんでしょ??」

「は、はいぃ!!」

「よっし!じゃあもうすぐクリスマスだし『坂下君を誘惑しちゃおう大作戦』作戦会議始めるわよー!」

「「「お、おぉーぅ」」」

「まずは誘惑…。うん。足しかないわね」

「まぁ…ねぇ」

「そうだねぇ…」


うるさい。誰が貧乳だ。

というか、さっきまで玲姉さんの勢いに引いてたくせに、美沙と明菜ちゃっかりのってきてるし。


そこから玲姉さん曰く

『坂下君を誘惑しちゃおう大作戦』の作戦会議が始まった。…玲姉さんネーミングセンスねぇなあ。



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