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【更新】迷子から始まった異世界冒険譚【無期限停止】  作者: 音燕
第4章 ~首都・ティホルン~
47/47

42―ノーカンで―

今話は少なめです(´・ω・`)スミマセン

(少ないって言っても4000あるんですけどね(苦笑)普段は5000ぐらいなのであんまり変わらない…?)


こないだの木曜は忙しかったので更新無理でした(´・ω・`)

「…なげーな」


「そうですね…もう一週間ぐらい経っていますか」


王子と『先生』がリョウ達のもとを尋ねておよそ一週間が経った。


二人が突然尋ねて来た後、専門の役人と思われる人々が念押しのように連日取り調べを行ってきたが、ここ2、3日は一度も呼び出される事もなくただ3人でし喋っているだけに終始していた。


「……まぁいまさら俺らにどうこうできる話じゃないから良いんだけどな。…それはそうとリョウ、ここんとこ色々と立て続けに取り調べがきてたからうかつに聞けなかったが…『コール』の方は大丈夫なのか?」


「コール?確かリョウ君の『図書館スキル』に付随するAI…でしたっけ?何かあったんですか?」


「うーん…俺にも分かんないんだよね。ただスキルで呼び出せなくなったという事が今のところはっきりしているかな」


つい3、4週間程前にリョウとローとハルは迷宮の中で『異界の理』と呼ばれるモノと遭遇し、コールの力を持って封印したのだが…その直後に発生した異形のサイクロプスとの戦闘の為にコールを送還した以降リョウの持つ図書館スキルは不安定化した。


彼らがそれに気づいたのは脱出してから数時間ほど経った後の事であったが…その時から今に至るまでリョウの『図書館』スキルはその発動が一切不可能になっていた。


「…そんな事が起きていたんですか。ですがそれなら何故二人がここに来た直後に教えてくれなかったんですか?」


「いやあの時は見張りで番兵さんが常時居たじゃん。…今は居ないから良いけど迂闊に話せる内容じゃなかったから」


リョウが廊下の先の方で座っている番兵の方を見ながら言う。彼らがここに閉じこめられた当初は脱走や暴れる事を危惧して彼らが牢のすぐそばで警備を行っていたが、ここ数日リョウ達が暴れる様子を見せなかったため今日からやや遠くで警備を行うようになっていた。


そのおかげでリョウ達も他人には余り聞かせられない話が出来るようになった。


「まぁこれに関しては通知がリョウのスクリーンに出ていたらしくてな。確か案瞑した時点では『40日間使用不可』といった感じの表示だったか?」


「今は…あと6日ぐらいみたいだな」


ローの問いかけに対しリョウはスクリーンを起動してそこに書かれて居る内容を読み上げる。先日のネリーとの会話で他人から見えるところで使用しても問題ないと判断したのか開き直って堂々と使っているようだ。


「期限が決まっているんですか…いったい何なんでしょうね…というか『ぐらい』とはどういう事ですか?」


「正確には『再使用まで:残り5日23時間43分』って表示になってる」


「何というか…完全にFWのままですね。…そう言えばこの世界の魔法と僕たちの魔法が違うのには気づきましたか?」


「…いや、気づかなかったな」


「おっちゃんに同じく」


「僕も王都に来るまで第2騎士大隊の人達と交流していて気づいたんですが…」


アルは一息ついて考えをまとめると話し始めた。

アルの語るリョウ達とこの世界の魔法の違いは次のような物であった。


まず決定的に違うのはその詠唱方法である。リョウ達の魔法はその多くがゲーム時代に読み上げていたものなのだが、ほとんどの詠唱が5音か7音を組み合わせて作られていた。


例として黒竜を捉えたサラの魔法を上げるのならば…


『精霊さん、力を借りるわ。――湧き出す水の 揺らめく下に しかと大地の 固き(いしずえ) 今こそ前に 顕現れよ(あらわれよ) 水面の礎(みなものいしずえ)


最初の導入で精霊に語りかける形で精霊魔法の使用を宣言しそれ以降7音2節ずつでそれぞれ水属性・土属性の使用を宣言し最後に魔法名を宣言する事で事象を引き起こした。

その一方でエインの詠唱を見てみると…


『灼熱の炎よ、空を巡りて猛る焔風となれ――焔風波スチーム・ウインド・ウェーブ』」


一息に火と風属性の使用を宣言している。しかもこの中で最も注目するべきは魔法に対するスタンスの違いである。


リョウ達の魔法は―アルの用いた剣術のような特殊な事例は除くとしても―多くの場合サラのようにいくつかの段階や韻を踏んで発動しなければならなかったが、この世界における魔法はそれらをひとまとめにした詠唱を行っている。


この違いをアルは第2騎士大隊との交流の中で発見したのだ。



「「………」」


「―とこれらの違いからこの世界の魔法は僕たちの用いる『FW』の魔法とは違った体系なのではないかと考えたわけです。


またエインさんも僕が知り合った隊員の人も魔法名が英語でした。僕たちが唱える魔法は詠唱の構成もそうでしたが魔法名は日本風の名前でほぼ統一されています。初級魔法は英語名でしたが…何はともあれこの事から――」


「あーはいはい、で、結局アルが言いたい事は何なんだ?」


いい加減聞き飽きたのか、それとも理解が追いつかなかったのか…恐らく後者であると思われるがローがアルの話をぶった切って結論を聞いた。


「最後まで聞いて欲しいんですが……つまりですね、この世界は、僕たちの居た『FW』とは違う可能性が『魔法』という観点から見ると存在するんです」


「だけどトラベリアで見た地図は…」


「そう…そうなんです。多くの点でこの世界はFWと似通っています。大陸の形も、国の名前も、迷宮の仕組みも以前ハルに聞いた所かなり似ているとの事でしたし……ここにある可能性が存在すると思いませんか?」


「何がだ?」


まだ続いた説明にいらついてきたのかローがぶっきらぼうに問い返す。しかしそれをこともなげにアルは流して――


「これはサラにも言ったんですけどね……もともとFWと同一の魔法技術がこの世界に存在していたとして一度断絶してしまったとしたら…その後全く違う形で復活したとしたら…あり得なくも無いとは思いませんか?」


余りにも荒唐無稽な話にリョウとローはそろって口を開けたまま惚けてしまった。何があったら魔法が一度世界の中から消えると言うのだろうか。


科学が発達していないこの世界において魔法がどれほど重要な位置に立っているのか彼らは既に十分理解している。……特にこの牢屋暮らしでは魔法を使えないため水を出せず滅多に風呂に入れない為かなりの不便を感じているのだ。


「まぁ確証はないんですけどね。…もとの世界に戻れないと言うのを覚悟するべきかもしれません。魔法というこの世界においても、『FW』においても、非常に重要な要素(ファクター)であったものの仕組みが異なって居るんですから。


ましてや片方で体系が一度断絶したとすればより事態は複雑になります。…もし互換性がそのまま存在したとすれば古い書物とか高レベルな転移魔法を研究すれば何とかなったかもしれませんが…」


危惧していた事を十分に伝えきったのかアルはそう言うと黙り込んでしまった。


「おい…そいつはどういう事だ?互換性…だと?」


ローは未だに混乱していたが、アルは黙ったままであった。そこに口を挟んできたのは驚いた事にリョウであった。


「…アルの言いたい事は何となく分かったぜ…おっちゃん、要はこういう事だ。ドアノブ式の扉を引き戸のやり方で開けるわけがねぇ…そんで今の世界じゃ文献をいくらさかのぼってもドアノブの開け方が見付からない可能性が高い……乱暴な言い方だけどそう言う事だろ。


もし戻りたくなったらこの世界と酷似しているFWの世界へ渡り、そこから運営に連絡するなりログアウトするなりやればいいんじゃないかって話を王都に来る前にハルも含めた3人で俺らも話してたけど…」


「そもそもFWに戻れねーってわけか。こりゃあどうしようもない……けどな。前リョウとハルと話した時は言わなかったが正直てめーら現実…いや『日本』に戻りたいと思ってるか?特にアル、お前ここに骨埋める気満々じゃねーか」


ローが聞き返すと2人は驚いたかの様な表情をして揃って横に首を振った。


「だろ。なら別に問題ないんじゃねーか?戻らないんならそこまで悩む必要はねーだろ」


「はは…言われてみればそうですね」


「あーそういわれてみりゃあそうだな…あまりショックに思う必要無かったってことか。…ちくしょうおっちゃんのくせにかっけーな」


「久しぶりに聞いたな『おっちゃん』…そして『くせに』っておまえな……殴られたいのか?」


ローが拳を握り力こぶを見せつけるとリョウは慌てだした。


「あーいやー何でだろうねー思わず口を突いて出てしまったというかー癖になっちゃったというかーまぁとにかく過ぎたことは気にしないでおこうぜ、な?短気は損気っつーだろおっちゃん…………あっ」


「リョウ君…君自分から墓穴掘りなおしてどうするんですか」


「ははははは…リョウ…」


「ははははは…何?おっちゃん」


「そこに直りやがれぇぇぇぇ!」


一気に騒がしくなった空間を破るかのように番兵が近づいてきた。そして…


「お前らに朗報だ。…おい、仲が良いのはありがたいんだがちょっと落ち着いてくれ。おまえらの身元の保証人が現れたそうでな、全員釈放だ。…って事で全員出てこい」


ようやく彼らが待ち望んだ解放の知らせであった。中途半端に止められた3人は微妙な表情になりつつも牢を出て…


「…で、どこに行くんだ?」


「最初はお前らの身元保証をした人の所に連れて行くんだが…その前にまずは風呂だ。おまえら臭いぞ」



―――――――――――――――――――――――


「まさかメイドさんに体洗って貰えるとは思わなかった…20年も生きてねーけど『生きてて良かった』ぜ…」


「「…………」」


彼らは城内の風呂に案内され、そこで城付きのメイドに体を洗われ、新しい衣服を着て先ほどとは別の兵士に急かされるままに歩いていた。


リョウは若さ故かただ喜んでいるだけであったが、ローとアルに関しては茫然自失になっていた。大概の男はいきなり全裸で湯に浸かっているところに女性に囲まれると心臓に悪いのである。


婿に行けないという思いもある…のかもしれない。


暫くいろんな角を曲がりながら歩いていくとある扉の前で兵士が止まり…


「失礼します。例の3人をお連れしました。……分かりました」


扉をノックして話しかけるとすぐさま返事が帰ってきたのか開けようとしたが…ふと振り返り


「おまえらに言い忘れていたが、この向こうにいるのは立場が非常に高い方々だ。くれぐれも粗相の無いようにな。……失礼なことをしたら即首を跳ねるぞ」


そして兵士が扉をあけた先には…


「やれやれ…やっと来ましたね、先生」


「ええ。…さっき決まったばかりだから仕方のないことでしょうけれど」


「まぁまぁ…とりあえずお主らそこで止まっとらんで来なさい」


一週間前に出会った王子と女性、そして白と金のローブを着た偉そうな男性が立っていた。


この時リョウとアルとローは同じ事を思っていた。


(((ガン見とか既に粗相やってしまった後なんだけどノーカンで)))


ここまでです。


ぶっちゃけ、ノーカンじゃ済まない気がしますけども(・ω・)


ここの所忙し過ぎて体調崩しました(・д・)


ちょっと体休めたいので次話は月曜0時→火曜0時に変更します(・д・)

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