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18―俺は鍛冶師なんだが…―

ぎりぎり一分前投稿!

セーフ!?

昨日九時半に投稿したので読んでない人はそちらも読んでいただけると嬉しいです。

そしてすみません( ;∀;)

「お前らがBランクたぁ思ってなかったぜ」


「僕たちもオウンさん達がAランクだとは思っていませんでしたよ。何で門番をやっていたんですか?」


リョウ達が店に来てから二日後、俺らは南門で他に待っていた冒険者たちと共に一路俺らが元来た草原へ向かっていた。

『他のBランク以上の冒険者』の中に街に来た初日に出会ったオウンとエインの二人が居たのには驚いた。彼らはもともと他の街でAランクにまで上がって十分な蓄えをしてから余生を過ごそうと出身地のトラベリアに帰ってきていたらしい。

リョウ達におっさんやおっちゃんと言われている俺が言える事じゃあないかもしれんが爺さんみたいな考え方だな…


「別に冒険者を続けても良かったんだが、それなりに十分な蓄えは出来ていたからな。それに冒険者っつーのは存外危険でなぁ…足や腕が無くなる前に引退しようと決めていたからな。嫁さん見つけたかったってのもあるが。」


「エインの言う通りだな。…ここまでくるうちにいろんなけがを負ってやめてった奴らもわんさかいてな、そうならないうちにやめたかったのさ」


「Aランクか…早くそこまで行きてぇなぁ…」


「リョウ、そんなに焦ってもいいことは無いと思うぞ」


急いては事をし損じるって言うしな。


「オウンはどうか知らんが俺はやめといた方がいいと思うぜ」


何でだ?


「何でにゃ?」


「俺もエインに同じくだな。…Aランクぐらいになってくるとめんどくさい指名依頼が来る頻度が上がるんだよ。このシークアランス海洋王国にゃああまりいないが他の国には町の領主とは別枠で偉いやつがわんさかいたりもするらしくてな。そんなのからやたらと依頼が来て断るのに苦労するらしいぜ。…俺らも何度か受けたがやたらと難易度が高かったぜ…」


貴族とかか?ふむ…


「そこまでなのか?」


少なくともハルにはいずれランクを上げるかどうかの話が来るはずだ。その時の為にもぜひ聞いておきたいものだ。


「ああ。…Aまでくるといろんな待遇が一気に良くなるがその分依頼を断りづらくなるんだよ。だから引退してこの町に帰って来たわけだ。十分な蓄えがあるからこれ以上働く必要が無いからな」



「なら何で今回は復帰したの?せっかく引退したんでしょう?」


「ギルドマスター直々に頼み込まれちゃあな…」


「あぁ、お前さんらの腕を信用してないわけじゃなくて、ただ草原の広さに対する人手の足りなさだろうよ」


そういう事か…同情したくなるな。


「猫の手も借りたいって奴かしらね」


「猫…?」


サラ、この世界に猫がいるかどうかは分からんぞ…


「俺らの世界のことわざだ。気にしなくていいと思うぜ!…で、オウンのおっちゃん、どこからどう動けばいけばいいんだ?」


リョウの言う通りだな。どこから草原の中に入るか…一度迷ったら抜け出すのは困難だろう。それを防ぐためにもきちんと動きを聞いておきたい。


「まずこれを見てほしい」s


エインが大きな羊皮紙みたいなものを出して地面に広げたんだが…何だこりゃ?この草原の地図か?赤い点は…まさかと思うが俺らの位置か。この草原相当広いな…


「何人かは気付いているか?こいつはこの草原の地図だ。マスターから預かってきた。赤い点はこの地図がある場所…要は俺らが今いるところだな。これを見ながら入っていくぞ。目的地だが…お前らの中にエルフが居たな?」


サラの事か?


「ええ、私よ。…何かすればいいのね?」


「察しが良いな。精霊との会話は出来るか?」


「一応ね。あまり詳しい話は聞けないけど…。何か変な場所があるかどうか聞けばいいの?」


「その通りだ。まぁ見てわかると思うがここの草原は馬鹿みたいに広くてな、細かく調査が出来てないからどこに何があるか分からん。その中で調査なんぞ出来っこねぇ。だから精霊の力を借りる…まぁそのこともあってお前らがここに回されたんだろうな」


げ…リョウ達がギルドで納品中にギルドマスターに依頼されたと聞いたが、どう考えてもこれは俺らを引っ張り出すことを狙っていたな…。卵を預ける時に散々確認してきたのはそれでか。


「…なるほど、そういう目論見でしたか」


お、アルも気付いたか。サラも苦い顔をしているところを見るに大体は察したようだな。


「はぁ…これが終わったら報酬のかさましを要求するわ」


「どうしたにゃ?」


「おっちゃん達どうしたんだ?そろって苦い顔してんぞ」


「自分で考えてみろ。…はぁ、サラ頼むわ」


「そうですね。面倒事は一刻も早く終わらせるに限ります」


「お前らどうした…?オウン、何があったんだ?」


「エイン、どうやらこいつらも俺らと同じようにギルドマスターに謀られたって事らしいぞ」


「お二人もですか?」


「ああ、そういうことか…。俺らの場合は元迷宮(ダンジョン)挑戦者(プレイヤー)でな、魔物相手にゃかなり立ち回れる。…んで、マスターから簡単な町の外の調査だと聞いてお使い気分で受けたのがこの『魔の草原』だ。どう考えても狙っているだろう…」


「おまけに迷宮出土品(ドロップアイテム)もいくつか俺らは持ってるからな。何があっても帰れると踏んだんだろ」


うげ…


「うわぁ…」


アルが珍しく引いていやがる。…正直俺も同じ気分だが。


「何となくわかったにゃ。サラ、どこか変なところはあったにゃ?一気に終わらせるにゃ!」


「えっと…むこうの方、ここから1日半、本当の意味で昼夜ぶっ通しで歩き続けたって所で以上に魔力が貯まっているところがあるらしいわ。精霊たちも怖くて近づけないみたい」


サラが指さす。地図で見てみると…


「大体草原の中央って所か。一日半でようやく中央とか…どんだけ広いんだよここ…」


そして俺ら絶対同じところ回ってたな…良く出られたもんだ。


「ちょっとジープとか前の世界の車に乗りたくなってきました」


それは同感だがもし実現しちまったら色々終わりそうだからやめてくれ…


「ま、ここは俺のテントの出番だな!」


まぁそれは良いんだが…


「(おい小僧)」


「(何?おっちゃん)」


「(寝床代わりの馬車は出すな。竜もそうだがあんだけ大きいものをそう簡単に出し入れしちまったら面倒なことになりそうだ。特にオウンたちには以前に竜を見せちまってる。それに馬車となるとどうなっているんだと問われかねん)」


実際俺らのメニュー機能のアイテムボックスは10種類×10個の大きさ制限なしなんだが…何はともあれ出来るだけ摩擦は無い方がいいだろう。


「(この人たちだったら大丈夫な気もするけど…了解。しばらくは毛布とテントで野宿か)」


よし。なら…


「まだ明るい今のうちに行こうぜ。俺らも一応食糧は用意してきているができるだけ早く終わらせたい」


「?お前ら手ぶらのような気がするが…ああそうか、例の空間魔法か」


「おう。…まぁ俺らは全員使えるんだけどな。あんたらは?」


今のうちに言っといた方が楽だろう。


「お前ら全員かよ!?…まぁこないだリョウがあんだけ大きい竜を入れてたんだしな。お前らも持ってて当然か。…あれより大きいのも入れられるとかはねぇよな?」


おっとあぶねぇ…


「まぁな」


なんとか濁せたか?…早く終わらねぇかなぁ…こんなめんどくさい事じゃなくてひたすら鉄とか打っていろんな物作る方が楽しいんだがなぁ…。おうそうだ今度リョウに頼んで竜素材の加工にトライしてみるか。


FWじゃあ竜の牙とかなぜか鍛冶で加工できたが、改めて実験してみたいな。テッケンの爺さんにも手伝ってもらうか…。


――――――――――――――――――――――――――――――


二日間歩き続けてやっと地図上では草原の中心部に来たわけなんだが…


「なぁ、アルさんや」


「何ですか?ローさんや」


案外ノリいいなお前!?…それはともかく


「ここらって俺らが出会ったところだよな?」


「…ええ、周囲の(・・・)風景は草原しかないですけど木に巻き付けた目印も見えますし多分あっていると思いますよ?」


「俺らが出たのは岩山だよな?」


「そうにゃ。岩山の山腹にあった洞窟だったにゃ」


「…目の前に岩山も何もないんだがどうなってんだこりゃ?」


そう、アルやハル達が言う通り俺らが初日に出会ったところに来ていた。ここを発つ時に目印になるようにと近くに生えていた木に布を巻き付けて一応の目印にしていたんだが、例の岩山が消え、何もない土が丸見えの場所になっていた。そして中央には穴?がある。

俺らは離れたところからそこを眺めていた。



「…なぁ、オウン何とも懐かしい気配じゃねーか?」


「だな。南門でも魔物が出ていたってのにここらじゃ見なかった理由はこれか…」


オウンたちが何やら相談している。…その言い方って…


「ちょい待ってくれ、ものっすごく嫌な予感しかしねぇんだが」


不吉な旗立ててないか?


「お二人とも何か知っているんですか?」


「何なのにゃ?…できれば厄介ごとは避けたいのにゃ」


ハルに全力で同意するぜ…


「そうだな…俺らの経験に基づく推測だが恐らくは合っているだろう。…ここは恐らくダンジョンだ。それも生まれたて(・・・・・)かつ成長途中(・・・・)のな」


エインが言い切ったが…何でそんなことが分かるんだ?


「なぁ、エインのおっちゃん、それは迷宮挑戦者の勘って奴か?」


「いや、エインが言っていることは勘だけで判断しているわけじゃねぇぞ。魔法使いタイプなら分かると思うが、草原に入ったばかりのところは魔力があふれていただろう?だがここらにゃそんなに魔力がねぇ」


オウンが横から言ってきた。…よくわからねぇよそんなん。一介の裁判官…今は鍛冶師か。一般人にそんなこと聞かんでくれ。


「言われてみれば確かにそうね…」


「お?…俺も一応炎魔法使いなんだが…そこまで差を感じねーぞ?」


「微妙な違いですね…ですが確かに言われてみればここら辺は薄いように感じます」


お前ら一般人じゃなくなってきたな…だが


「それがどうつながるんだ?」


「あ、お前らは知らねーか?魔力脈からあふれた魔力は周囲にいる生き物や魔物が吸収して自分の力に変えるんだ。だから多くの国の首都や大きな町は大きな魔力脈の上に立っていることが多いな。さて、ここで問題だ。この辺りに魔物やそうでなくても生き物はいるか?」


…大体読めてきたな。そういう事か。


「あんまりいないわね。…ならおかしくない?この辺りには多くの魔力脈があるんでしょう?」


「いや、だった(・・・)だな。あふれまくった魔力が凝縮して迷宮核(ダンジョンコア)になったんだろうよ。おかげで中央付近の魔力脈が(コア)に一本化されてこの辺りの魔力が薄くなったと考えられるな。


…本来なら草木も魔力を吸収して成長するから魔力が薄くなったダンジョンの周辺土地は砂漠のようになるんだが…おそらく竜が生きていた時からこのぐらいの濃度だったんだろう」


「てことはあの土がむき出しの部分は?」


「おそらくあの穴がダンジョンの入口だ。…近すぎて魔力濃度が薄くなるどころか無くなったんだろ」


エインが草との境界から中央の穴を眺めつつ言ってきた。てことはダンジョンの中は魔力無しなのか?


「お?魔法が使えるか気になってんな?そんな心配はいらねぇよ。ダンジョンの中には魔物がいてな、そいつらの為にも魔力は十分あるぜ」


「ふむ。…異常の原因はこれか?」


「他の門にどうつながるかは予測でしかねぇが…おそらくこれが原因だろう。ある程度の数の魔力脈がダンジョンの支配から逃れ、魔力を出しているはずだ。


それ単体ではわずかな魔力濃度の上昇でしかないが…中央付近に魔力が集中している分密度の薄い魔力は外へ追いやられたはずだ。それが生命力の上昇に繋がって大量発生にまで行きついたんじゃねぇか?」


またオウンが言ってくる。原理はよくわからんが…


「とにかく俺らは潜った方がいいのか?報告しに潜った方がいいのか?」


「多分潜った方がいいな。このダンジョンは出来たばかりだ。そのくせしてかなりの魔力脈を支配しているから相当数の魔物が内部に発生していると考えていい。


迷宮じゃあ魔物が増えすぎてあふれ出てくることがある。迷宮決壊(ダンジョンアウト)って言うんだが、そうなるとボスまで出て来て色々やばいから報告に戻る前に一度間引いて時間を稼がにゃならん。」


めんどくせぇなおい!?うっわ帰りてぇ…


「要は潜ればいいんですね?分かりました、リョウ君、行きましょうか」


「おうよ!」


「うちも行くにゃ!」


「あらら。あたしも行かないといけないのかしら?ロー、すっごく嫌そうな顔しているところ悪いんだけど行くわよ?」


「俺はただ鍛冶がしてぇんだが…」


「おうおう、若いってのはいいねぇ。エイン、行くぞ」


「はいよ。…もう潜ることはねぇと思ってたんだけどな…」


おい、小僧ども…決断早すぎるだろうが…ったく










な ん で 鍛 冶 師 が ダ ン ジ ョ ン 潜 ら な き ゃ な ら な い ん だ ぁ !?


明日も投稿します。

今回はロー視点でした。

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