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【更新】迷子から始まった異世界冒険譚【無期限停止】  作者: 音燕
第1章 ~出会い、そして迷子~
17/47

15―ロー達の密談―

忙しくて遅れました。

とりあえず投稿です(。-`ω-)

気絶したリョウにポーションを飲ませ、彼らは宿『動物の憩い亭』に帰っていた。



「っかー、世界が変わっても酒ののど越しは変わらねーな!」


「これはビール…に近いですかね?ワインとかあったらそっちもいずれ頂きたいですね」


「二人ともすごいにゃ…辛くて飲みにくいにゃ」


「無理しなくていいのよ?水もあるし」


「初めて飲んだがこりゃあ慣れねーとしばらくは苦いな」


この世界では15才で成人という事を女将から聞いたリョウ達は酒を飲んで今日の勝利を祝っていた。


「ふー、飯も旨いしこりゃいい宿だったな」


「ええ。…リョウ君、さっきのスキルで体に悪影響は無いんですか?」


「おう。…まぁたぶん大丈夫だろ。前にもあんな感じで発動したことあるし」


「ならいいんだけど…正直異常だったわよ?スキルもそうだけど結構体に負担かかっているんじゃない?」


「あーまぁそこら辺はHPで相殺って感じかな?まぁ俺にも正直分かんねぇ!…つか腹減ったし食おうぜ」


「そうにゃ!思い出したんにゃけどアルのネリーさんへの誘惑についても聞くにゃ!」


「え」


「そういえば『今度聞きます』とか言ってたわね?」


「おうそうだ。この町に定住するとも限らんが…お前さんどうするつもりだったんだ?」


「いえいえいえあれ僕の普通の話し方ですよ!?」


「そう言ってもあちらさん結構アルを気に入ってんじゃねぇの?王子様だし」


「惚れてたような気もするわね。王子様オーラが初見で効くなんてあんたリアルじゃどんな生活送ってたのよ?」


「消防隊員のトレーニングばっかりですけど…」


「おめー既婚者か?」


「…」


ローが刑事のような雰囲気でアルに尋ね、アルは冷汗を掻きつつ黙りこくっている。…とその肩にリョウが手を回し…


「よしよしアル、おめーが既婚者だって嘘ついてたとしても皆怒んねーよ。な?吐いちまった方が楽になれるぜ?」


悪魔のささやきでアルの精神に揺さぶりをかけた。結果…


「…独身です…」


「よーし気分が楽になったろ?もっとはいて楽になっちまおうぜ?ハルの方を見ていて変な顔になっていたのは?」


「昔…亡くなった妹に似ていましてね…。懐かしく感じるんですよ…」


「本当かにゃ?」

下から見上げて確認するハル。えぐい。


「…黙秘です」


「ちっ」


サラが舌打ちをする。そしてリョウとハルは電池が切れたようにテーブルに突っ伏した。どうやらこのメンツが酒を飲むとやっかいなことに連携を組んで絡み下戸になって眠るらしい。「危なかった…!」アルはそう思っていたがローがただ1人アルの方を見つめていたのには気づかなかった。


「てーかこいつら完全に酔ってやがるな。アル、ポーションで治せるか?」


「うーん…どうなんでしょう?もうほぼ食べ終わってますし上に連れて行って寝かせとけばいいのでは?幸い少ししか飲ませていませんし」


「それもそうか。サラ、部屋に行くぞ」


「はいはい。…この子たちがこんな風に酔っ払っても大丈夫なようにあたしたちがきちんとしないといけないわね」


「あぁ…言われてみれば確かにそうだな。こいつら肉体はともかく精神はまだ子供なんだろ。…小僧の昼間のなんて結構異常だった。小僧の幻術だって言い張って何とかしたがありゃあなぁ…。普段の小僧にゃ不釣り合いな力だ。あんなのを使わんですむように俺らでどうにかしてやらんとな」


「まだまだそこまで親しいわけでもないですからもしも何か彼にあるというのなら行ってくるその時まで待ちましょう」


「だな。…小僧にゃ悪いが今は奴の商会探しはやめるぞ」


「?…なんでよ?」


「ある意味今の環境は小僧にとって過去を忘れられる状況だ。つらかったのか楽しかったのかは知らんがここで商会を探すとなるとリョウのためにならん可能性がある。無いものとして動いた方が一番楽だろうよ」


ローの懸念は当たっている。リョウにとってかの商会は壊れかけた心の拠り所であった。しかし今現在リョウはたった三日間の間の付き合いとはいえ久しぶりに心を許せる他人に出会った。生身の熱のある付き合いがないFWはリョウにとって人ではない別物との関わりだった。しかしこの世界に来て熱を感じた時、リョウの心は久方ぶりの人とのかかわりを望んでいた。それに応えるかのように現れたロー、サラ、アル、ハルは今やリョウにとって最も信頼のおける人々となっていた。


最も落ち着ける居場所を決闘でサラに対し暴言を、親子の絆を考えさせた竜に対しぞんざいな扱いをしたモヒカンに対し「怒り」という感情を感じたリョウは今自らの中を吹き荒れる久方ぶりの激情と共にロー達に対して絶対の信頼を自覚し始めていた。


そしてそれは酒の絡みにより意図せずしてロー達に伝わっていた。今までリョウは自分の内面を自ら言い出したことはあれど、他人の内情に踏み込むことは決してなかった。どんな無駄話であれ、まるで意図しているかのようにさらりと避け、別の話題へと場を誘導していた。


そしてそれに気づかない大人たちではなかった。彼らもまた隣人たちを見つめており、その中でリョウの異常に気付いていた。故にリョウがアルに絡んだとき、内心ではその前向きな変化に喜んでいた。


そして現在リョウの商会を探すという事はリョウに昔の事を絶えず意識させることと繋がる。それが良いのか悪いのかは判断はつかないとしても先送りにすることでリョウのためには良いのではないかという意見で一致していた。


「そうですね。…では明日からはそのようにしましょうか」


「そうね。どうせ無くたって問題ないんだし、いっそ冒険者として活動していきましょう」


「だな。…今日の卵の事もあるしサラと俺とハルは固まって行動だ。卵の守りにゃ最大レベルのハルとこの格好でも大人に見える俺の方がいいだろ」


「じゃあ僕とリョウ君ですね。彼とは…そうですね町の外の方の依頼をメインにしてみましょうか」


「あたしやハル、卵に対してはかなりの執着があるみたいだし、引き離すのは良いかもしれないわね。ローにもかなりの信頼を持っているみたいだし」


「そこんところは狙ってたわけじゃないんだがなぁ…」


「そうですね、この町でローさんの工房でも開くってのはいいんじゃないですか?」


「そうね、そうしてみましょうか」


「分かった。小僧の前ではなるたけ商会の事は出さないで行くぞ」


「分かりました。じゃあリョウ君は僕が運んでいきますね。よっこらしょ」


「おう、ついでにクロロホルムでも調合できるんなら深く眠らせろ」


「あんたおっそろしいこと言うわね…」


「さすがに無理ですよ。では早いですがおやすみなさい」


「おう」


「おやすみー」


「…俺らも寝るか」


「そうね」


ローとサラもハルを抱えると自らに宛がわれた部屋へと引き上げた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

翌朝、冒険者ギルドに彼らは来ていた。昨日同様ネリーのところに来て、ギルドカードを受け取っていた。


「おおう、FWの時とは微妙に違うんだな…」


「ローさん、驚くのはそこですか?」


「リョウはCだけどそれ以外のあたしら全員いきなりBランクという方がまず衝撃よ?」


サラの言う通り量を除く全員がBランクになっていた。そしてそれは彼らの目の前にいる初老の男性によって決められていた。


「何か問題はあったかね?」


「マスターのおっちゃん…俺は何でCなんだ…」


リョウの言った通り彼らはギルドに来るなりネリーに呼ばれてギルド長の部屋に来てギルドマスターと会っていた。


「ふむ…いや、昨日のリョウ君の決闘の内容を聞いてね、君ら全員が初心者のEランクから始めるのはもったいないし他の冒険者たちがいささかかわいそうでのう。…主にプライドの面でじゃが。それに君たちの中で最もレベルの低いリョウ君が練習場全体に幻覚を張っているというではないかの。


それよりレベルの高いものが多い君たちを見るに大体Bランクというのが最適かなと思ったわけじゃの。Aランクにするには実力が見極められておらんし、Cでは足り無さそうだったからのう。リョウ君に関しては……Bも同じく考えていたんじゃがそのランクにするには限界突破……レベル100を超えてもらう事が絶対条件なのでな。すまないがCにさせてもらった次第じゃ」


「くっそ…!FWじゃランク制じゃなかったからレベル上げてなかったのが失敗したぜ…!」


「…ま、まぁ早くレベルを上げたいというのなら町の外の討伐依頼を受けるのを薦めるぞい」


「分かりました。リョウ君、僕と一緒に受けてみましょう」


「…え?サラやおっちゃん達は?」


「あ~俺らなんだがな、ちょいと俺用の工房でも建ててみようかと思ってな?この町から動くかどうかは分からんが自前の武器を俺が修理できるようになった方がいいだろうしな」


「うちは今更急いであげる気はないのにゃ!ローのそばで手伝いとかするのにゃ!」


「あたしもこいつは金銭管理が危険そうな気がするからね、そこらへんでサポートするつもりよ」


「オッケー。んじゃあアルと俺は町の外、サラとハルとローは町の中って事だな!」


「ええ、そういう事です。…じゃあすみませんが失礼します」


「おう、気を付けるんじゃぞ。…ギルドマスターの部屋で今後の活動方針を相談するなんぞお主らいい度胸じゃの」


「あはは…すみません」





リョウ達がネリーの先導でギルド長室を出ていくとマスターはため息をついた。


「はぁ…一応念のために面談をしたが問題は無さそうじゃの。昨日の練習場の幻術とやら……あれは間違いなく『異界化』じゃった。もてあますようならわしが直々に指導を…と思っておったがなかなかに優秀な者共が付いておるようじゃな。特にドワーフの男と金髪の男…。あ奴らならあの少年を正しく導けるじゃろ。



リョウと言ったか、どうにも強大すぎる力をその身に抱えておるようじゃな。…まさしくかってのわが師よ。師が生きておれば指導の助力を願うんじゃが…仕方あるまい、出来るだけ儂も気に掛けるとしようかの。…おおそうじゃ、昨日決闘騒ぎを起こした者共の尋問も待っておるんじゃったか。…久しぶりに本気で訊こうかの」

ちなみにこの後モヒカンたちの悲鳴がギルドの地下で響いた模様。


明日は分かりません。とりあえず今のうちから書いていきます(; ・`д・´)

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