14―VSモヒカン―
タイトル通りモヒカン戦です(笑)
今日あらすじを少し変更しました。
見知らぬ人が楽しんで読んでくれるって言うのはどこか嬉しいですね(^^)
拙い拙作ですがこれからも楽しんで読んでいただけたら嬉しいです(^^)
「…すまん俺ぁ目がおかしくなっちまったらしい。冒険者ってこんなんだったか…?」
「いえ、違います。言いたいことは分かりますが…。大半の冒険者は自由だったり荒事が好きだったりしますけどさすがに彼らほどではないですよ…」
突如現れた世紀末モヒカンとその後彼の後ろから現れた男たちがぞろぞろと酒場に入り、騒々しく酒盛りを始めた様子を見て思わず出たローの独り言に受付をしてくれていた女性が答える。
彼女は黒髪で知性を感じさせる16才ぐらいのきれいで若い女性だったがその額にはしわが寄り、どこか諦めた口調だった。
「まぁ彼らに関してはギルドでも一応問題にはなっているんですけど…とりあえず新人の皆さんは関わらないでくださいね?」
「言われなくても関わりたくないわよ…とりあえず登録を早く終わらせてくれないかしら?嫌な予感がするからさっさとしたいの」
「分かりました。えーと、皆さんのレベルが測定できたので手を置かれた順に名前を言って頂いていいですか?」
「名前とレベルだけでいいんですか?他の情報は?」
「出身地を聞いても別に何かに使うわけじゃありませんし、得意武器とかも変わることがありますから結局のところレベルと名前、顔、それと魔力波長が登録できてさえいればいいんです。それに冒険者が出身地にこだわるイメージあります?」
「ないですね。…色んな質問失礼しました。名前は知りませんが、お嬢さん進めてください。」
アルが苦笑しつつなかなか進まない登録を進めようと受付の女性を促す。
「あ、私の名前はネリーです!好きなものは…」
アルに『お嬢さん』呼ばわりされた女性は頬を染めて自己紹介を始める。と同時にアルは自分以外の4人、特に女子からの目線がきつくなったのを感じ冷汗が背中を流れた。
「あ、あぁ、ネリーさんの話は今度聞くから登録を進めてもらっていいかい?」
「…え?あ、はい、分かりました」
自己紹介の途中で我に返ったネリーはハルから受け取った板をカウンターの内部の装置に差し込んだ。
これで本題に戻れると安心したアルだったが…
「…ちょっとアル、あんたの変態疑惑が深まったんだけど?」
「後で色々聞くにゃ。それにさりげなく今度会う約束取り付けてるにゃ」
「ここが日本じゃなくて良かったな?向こうだったら交番に連れて行こうか迷うところだ」
「自首すんなら今のうちだぜ?庇ってやらねーけど」
「誤解です…!これが終わったら僕の話を聞いてください…!」
こっそりとささやかれた彼の仲間たちの宣言を聞き、「地雷だった。」そうアルははっきりと感じた。
「えっと…見間違いですか?レベル136と表示されている人がいるんですけど…」
「あ、それは僕ですね。名前はアルです。何か問題がありました?」
「アルって言うんですか!?いえ、貴方なら問題ありません!」
それはえこひいきではないだろうか。どうやら完全にアルはネリーを落としてしまったようだ。さすがは王子ルックス。
アルはもう一度どこかの扉を開けて別の世界に行きたくなった。
「次は…レベル112ですか?これも100越えですか…」
「私ね。サラよ」
「次に…レベル146?」
「俺だな。ローだ」
「次は…一気に下がりましたね?レベル83ですか?」
「そいつは俺だな。やっぱ低いか?名前はリョウ」
「…いえ、ここまで高レベルな中である意味オアシスです。普通レベル100に行く事自体が大変なんですよ…。ていうか最後のレベル160って何ですかこれついに壊れましたか」
ネリーが装置を確かめながら言う。
「うちにゃ。名前はハルにゃ。そして数字は間違ってないにゃ」
「あぁ、そうですか…いえ、これも壊れていないようですし皆さんを疑っているわけではないんですが……本当に今まで冒険者やっていなかったんですか?とてもレベルが高いんですけど」
「あ~、あれだ海の向こうのジパングの方では冒険者をやっていたんだがこっちでも使えるか分かんなくてな?」
ローまでもが「~の方から来た」詐欺である。説明が楽なのは分かるが元裁判官までそれをしていいのだろうか。
「そ、そうなんですか?それなら一応問題なしになるとは思いますが…ギルドマスターに報告は上げます」
ネリーが彼らの顔を窺うようにして宣言する。実際彼女は報告する気であったし、ここでもし妙な反応を起こせば他の街で犯罪を犯して逃げてきていたりと厄介ごとの可能性が出てくるからだ。
しかしそんなネリーの緊張とは裏腹に彼らは
「あ、どぞ~。別に問題ねぇし、逆にツテが出来そうでラッキー?」
軽かった。
その時彼らの近くに先ほどのモヒカン男とその取り巻きが近づいてきた。そしてモヒカン男が口を開いた。
「おうおう、おめーら新人の癖にかなりのレベルに行っているらしいな?装置が壊れてないとかそこのねーちゃんは言ってたが…本当はどうなんだろうな?」
「何これ、絡んで来てんの?ぜんっぜん威圧とか感じないんだけど」
リョウがつぶやく。
「俺らはな、実はこう見えてもレベル90越えのパーティーなわけよ?」
全然見えないが。
「それがどうしました?こっちは多分余裕で100超えていると思いますけど」
地味にアルが挑発した。
「それがおかしいって言ってんだよ。そうそうレベル100越えがいてたまるかっつーの。それに話を聞いてみりゃあそこの獣人の女がレベル160?一番寿命が短い獣人族の癖にそれはねーだろ。てめーら偽造してんな?」
「ちょっと待ってください。ギルドのレベル計測システムは一切の異常をきたしていませんし、彼らの装備はいずれも高位のものです。
ギルドとして冒険者同士のいさかいには極力口を挟みませんが、高ランクと推定される冒険者への根拠の無い罵倒には口を出させていただきます。
というかあなた達自分でレベル90パーティとか言ってますけど80にすら達してませんよね?虚偽の申請はギルドの信用を損なうとして取り締まりますよ?」
ネリーが怒った表情でモヒカンに言う。
「へっ、高ランクだっつーなら俺らと戦っても勝てるんだろーな?なら俺らと決闘しやがれ」
「決闘?それって戦いにゃ?」
「冒険者同士でもめ事が起きたときに良く用いられる解決方法です。基本的には戦って勝った方の言い分が通りますね。皆さんに何のメリットは無いですから受けなくて結構です」
「ならうちが行くにゃ!」
「やめとけ、受けるだけ無駄だ」
張り切るハルをローが止めた。しかしその様子を見つつモヒカンが手下を指しながら言葉を続ける。
「おっと、そうやって逃げるんなら町中にこいつらがおめーらの事をばらまくぜ?どんなことをばらまくかは知らねーけどな!」
「と言ってるが?」
「はぁ…。町で流れる噂に対してはギルドはあまり手を打てません。…あまり勧めたくはないですがいっそ勝っちゃってください。皆さんのレベルなら勝てるでしょうし、今後の面倒事をつぶせるでしょう」
「おっと、戦うのはそこの小僧だ」
モヒカンがリョウを指した。
「まさか女と戦って勝つわけにもいかねーだろ?それにてめーは83だってな?偽造してないんなら俺といい勝負が出来るんじゃねーか?」
「ちっ、理屈がめちゃくちゃな気がするが受けるしかねーみてぇだな」
「ふん、俺やアルを選ばんのは何でだ?」
「はっ、てめーらは鍛冶師とそこの娘の護衛って所だろ?てめーらみてぇな冒険者っぽくない奴に勝っても意味がねーんだよ。どうせなら冒険者同士で勝たねぇと意味がねぇよ。受付!決闘をすっから練習場を使用する許可を出しやがれ」
「はぁ…リョウが一番の非戦闘員なのが心配なんですが…。勝てますか?」
「しらねぇよ。勝てなかったらどうすっか…」
「結局言いがかりのようなもんだしどうもあいつら自分達と同じぐらいのレベル、なおかつ戦闘経験の無さそうに見えるお前を狙ってる節があった。
酒場の冒険者たちも睨んでたから嫌われているんだろうよ。負けてもそこまで問題は無さそうだから小僧は精いっぱいやってこい」
ローがそう言いつつリョウの肩を叩く。
「分かった」
――――――――――――――練習場にて――――――――――――
練習場は四角く区切られてギルドとは別の建物内に存在していた。野球場ほどの広さで何人もの冒険者が魔法や連携の訓練をしていたがギルド職員によって端の方に寄せられていた。そしてモヒカンとリョウが中央に立っていた。
リョウの側の端にはローたちが立ち、モヒカンの反対方向には下っ端らしき奴らがいた。そしてそのほかの部分に酒場などにいた冒険者が立っていた。彼らはこの決闘で新しい新参者の実力を見極めようとしていた。
「てーかネリーさんに聞くけど決闘のルールって何なの?」
リョウが端で審判を務めるネリーに大声で聞く。
「は、はい!えーと、基本的に武器とか何でもありです!ただこの決闘でギルドの壁などを壊したら両者に弁償請求します!他者からの介入があったら助けられた方を反則負けとします!」
「おーけー、何でもありなのね。他に注意することは?」
「相手を殺すことは禁止です!瀕死の重傷もです!もみ消すの大変なので!」
「もみ消すとかブラックな事さらりと言ってんな!?他には!?」
「えっと、もう一つ大事なことは…!」
リョウは最後までその言葉を聞けなかった。モヒカンがいきなり剣を持って振りかぶってきたためあわてて避けたのである。
「あぶねぇな!?合図とかはねーのかよ!?」
「へっ!冒険者の決闘に合図なんざいらねーよ!おらぁ!」
モヒカンが切りかかるがリョウはしゃがんで横なぎに払われた剣先を避ける。そして剣が頭上を通り過ぎた瞬間足に貯めた力を開放して後ろに飛び退くと同時に――
「『炎球!』」
モヒカンに向けて炎の玉を打ち出した。
モヒカンは振りぬいた剣を強引に戻し炎を切り裂いた。
「詠唱省略とかできるのな…!アルに教わっといて良かった…!さすがラノベ愛好家、ぶっつけで成功とか俺マジラッキー」
「ふん、魔法使いだったか?残念だな、そう簡単に距離を取らせるわけねぇだろ!」
モヒカンが勢いよく斬りかかる。リョウは―――
「いやいやさすがに下がらせてもらうぜ!『灼熱の炎の槍よ顕現せよ、炎槍』――やっぱこいつは斬れねぇみたいだな!」
「ふん、その魔力と体力がどこまで続くか見ものだ!」
暫く逃げ回りつつ炎槍を放つリョウと追いかけるモヒカンの絵が展開された。…誰得の光景なのかはなはだ疑問である。
ふとモヒカンが止まるとー
「おうそうだ、景品の話をしてなかったな?」
リョウも足を止める。
「景品だと?」
「へっ、受付の説明を聞けてなかったか?冒険者同士の決闘ではな、勝者は敗者から何でも1つ取れるんだよ。俺はおめーのパーティのエルフの女の移籍を求めるぜ」
「てめーが聞く前に攻撃してきたんだろうが。……移籍?どういうことだそれは」
リョウの声が低くなった。
「てめーらのパーティのエルフの女が俺らのパーティに移籍するっつー話だよ。勿論あの大事そうに持っている籠もな」
「……なんだと?移籍…籠…?」
さらにリョウの声が低くなった。
「見てたぜ?誰がどんなに動いても常にあの女はお前らの中心にいて籠を大事そうに持ってる。そこまでして守るものだって事だろ?
偽造なんてのはこの決闘のきっかけにすぎねぇよ。ははっ、エルフの女も色々楽しみだが……あの籠の中にあるものはどれだけ貴重なんだろうな?高く売れそうで良かったぜ!」
遂にリョウは無言になった。
その時ローたちの脳裏には「…チッ…」とかすかに何かが擦れた音が聞こえた気がした。
「急に黙ってどうした?驚きで声も出ねーか?へっ、ここで負けとけや。こんな風に新人のパーティが崩れるのが楽しみで毎回楽しみで仕方ねぇな!」
モヒカンが大剣を振りかぶってリョウに突進する。リョウの口がわずかに動くのが見えたが、構わず突っ込む。
モヒカンはリョウの少し手前で急停止、剣を地面にたたき下ろす。すると剣の刃からその大きさに不釣り合いなほどの衝撃波が生じ…
ドォン!
リョウにぶつかり大きな土煙を立てた。
ロー達はリョウのいたあたりを必死で見つめる。
周囲の冒険者たちは苦々しい顔や怒りの顔をしてモヒカンを見つめている。中には憤怒の形相で突っ込んでいこうとする者も居るが仲間たちに止められていた。
―――――――――――――――――――
『ははっ、エルフの女も色々楽しみだが……あの籠の中にあるものはどれだけ貴重なんだろうな?高く売れそうで良かったぜ!』
『…こんな風に新人のパーティが崩れるのが楽しみで毎回楽しみで仕方ねぇな!』
何だろう。ひどいことを言われている気がするのに心が冷静だ。
…ああ、そうか。
「てめーは俺の大切なものを侮辱した。それにやっとはじめて出来たかも知んねー新しい仲間…勝手に持ってくんじゃねぇよ」
馬鹿が剣を振り下ろし、白い衝撃波がやってきたけど…
「そんなもん屁でもねーよ」
――――――――――――
煙が晴れたとき、リョウは右腕から血を流して立っていた。ローたちはひとまずリョウが無事な事に安堵したが、その後聞こえてきた心も凍るほど冷たい声に体が硬直した。
「今度はこっちの番だ。……なめんなよ?
―――誓約に従いここに命じる――『図書館起動』」
リョウを中心に周囲の光景が変わっていく。
土がむき出しになっていた訓練場の床がタイル張りに変わり、更にアジア風の赤を基調とした絨毯が広がっていく。そしてロー達観衆の足元にまで変化は及ぶ。
天井は高くなり柔らかな色合いの照明が皆を照らす。瞬く間に練習場の内部は広大な図書館の内部に変貌した。
モヒカンは茫然と突っ立っていた。ハルや他の冒険者たちが周囲を見渡してもどこにも窓は見えず、出口も見えなかった。
ただ中央のリョウ達や観衆の居るところだけは広間のようにぽっかり空間が空き、それ以外の部分にはぎっしりと本の詰まった本棚が規則正しく並んでいた。
ふとハルがリョウに目を向けると、リョウの普段は青い軍服までもが変化し、金のラインがところどころ走る黒いマントを付け、白いシャツ・黒の上着・黒のぴっちりしたズボンなど全身を黒の衣服に包んで威圧感満載のいでたちとなっていた。
「『図書館端末』…今回は執事か。」
リョウの目の前に年老いた執事が現れ、一礼した。
『はっ、今回は「怒り」でございますれば。此度は多くても5まででございます』
どこからともなく声がその場にいる全員の頭に響いた
「そうか。『書籍形態』」
老執事が煙になり、そのまま革張りの表紙の一目で年代物と分かる本に変化する。それをリョウは左手に持つと――
「『蔵書領域解放』『第一書庫解放――並列思考』」
本棚の一つから一冊の本が飛び出て、リョウの目の前で勝手に開く。そしてその中から大量の文字が何本も列をなして現れ、中空に浮かぶとまるでベールのように浮かんだままリョウを囲う。
「…どうした?攻撃してこないのか?」
「は、ははっ…訳分かんねえ…てめーは何者だ…俺に負けやがれ…!」
モヒカンが剣を持ってがむしゃらにふるいながらリョウに突進する。
リョウは無言で大量の炎球を射出して戦いつつ移動する。
「はぁ、はぁ、ちくしょう、何で魔力が尽きねぇんだよ…」
結果としてモヒカンは細く青い鋼鉄の棒で構成された門の前まで追い詰められていた。その向こうにはまた多くの本棚が見えた。
ロー達も彼らを追いかけて走ったのだが、どこまでも続く本棚の中、無事帰れるか不安になっていた。
「ここは俺の『図書館』だからな。自動で消費魔力が抑えられる。とはいえさすがにきついか。『第二書庫解放――魔力運用』」
またそばの本棚から一冊の本が飛び出て、リョウの目の前で開く。そしてその中から先ほどと同じように文字の列が現れベールのようになる。そして今度はリョウの右手を囲った。
「とっとと終わらせてやる。『第三書庫解放――氷の拘束』」
またそばの本棚から一冊の本が飛び出て、今度はリョウの右手の下で開く。そしてその中の文字が光ると本の上、リョウの右手の前に光が集まり冷たさを感じさせる青色の光の玉となる。
リョウが手をふるうと球体が紐状になりかなりの速さでモヒカンに向かう。
モヒカンは剣を振り回して斬ろうとするがむなしく手に当たり、そこから一気に体が氷で覆われていく。
10秒もしないうちに氷がモヒカンの首から下を覆い、動けなくさせた。
そしてモヒカンが床に膝をついて見上げている氷像が出来上がった。
「さて、何か言う事はあるか?」
リョウが別人のように冷たい目でモヒカンを見る。
「ちょ、ちょっとまて!悪かった、俺が悪かったからいったんこれを解いてくれねぇか!何でもする!」
「謝られて許す気はねーよ。残念だったな。…それと最後の衝撃波だがお前らのパーティーの誰かが後ろから魔法を放ってたな?……決闘のルール違反だ」
「ちょ、てめぇ…!?」
リョウが歩み寄りながら右手を挙げる。モヒカンの攻撃を受けて血が流れたためかシャツの袖と手は真っ赤に染まっていた。
モヒカンの後ろの門が開くと一冊の重厚な本が飛んできてリョウの右手に収まる。そして自動でページがめくられ、途中で止まる。
「人の大事なものを踏みにじり、売るなどとのたまい、揚句には自分で提案した決闘ですら平気で不正を侵す………そんな奴にはこいつが最高の夢を見せてくれるだろうよ。……ただただ、絶望の中で無様にあがけ」
リョウは本の背中を右手で掴むと見開きの部分をモヒカンに向け頭から思いっきり振り下ろすと――
本の中にモヒカンの頭が取り込まれた。リョウの手から本が離れてもそれは続き……最後には床に一冊の本が置かれているだけになった。
リョウは左手に持っていた本を宙に放る。――と、本は再び老執事の姿へと変化した。
「『全書庫閉鎖』…………一通り味あわせたら禁書からあの馬鹿を叩き出しとけ。本が汚れる」
『承知いたしました。……後ほど呼び出してください。規約の変更が存在する可能性があります』
「ふん、分かった――『図書館閉鎖』」
リョウは手をかざし、指を鳴らす。
すると図書館内の風景が一気に崩れ、元の練習場になった。観衆の位置は変化したときから動いておらず困惑しつつも中央に目を向けると――
そこには本に吸い込まれたはずのモヒカンとリョウがいた。モヒカンは気を失って倒れており、リョウは右腕が血に染まっているが無事立っていた。
「…はっ!?え、えっと、戦闘続行不能、リョウさんの勝ちとします!」
すぐに我に返ったネリーによってリョウの勝ちが宣言された。
「冒険者はすぐに彼らのパーティを拘束しろ!新人冒険者への強要・決闘に対する妨害疑惑の対象として拘束する!」
ネリーと同様に審判として参加していた男性のギルド職員が命令する。先ほどまで憤怒の表情で睨んでいた冒険者たちが逃走を図るモヒカンの部下たちのもとに真っ先に向かっていった。
「リョウ君大丈夫ですか?」
アルたちがリョウのもとに駆けつけると、リョウは
「やべぇ、勝てたのはいいんだけど調子乗って放置してたらちょっと血ぃ失いすぎたかも…?」
そう呟いて倒れた。
ここまでです。
次話ですが、明日は朝早くから遅くまで出かけるので明日の更新はありません(早くも毎日更新中断)。一応高速バスの中でちまちま執筆するつもりですが…
明後日も厳しいので3日後…ぐらいになるかと思います。
更新時間は午後9時投稿で固定します。




