表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【更新】迷子から始まった異世界冒険譚【無期限停止】  作者: 音燕
第1章 ~出会い、そして迷子~
14/47

12―街に入ろうか―

遂に街に入ります。


今話は今までの中で一話当たり最長だと思います。8000文字って…

ここが読みにくかった等、意見を感想や活動報告に載せて頂ければありがたいです。


後書きで悲報です。

「灼熱の炎の玉よ顕現せよ――炎球(フレイムボール)

「流れる水よ防壁となせ――水壁(ウォーターウォール)


リョウの突き出した掌の先に見えない魔力が集まっていき…手のひら大の炎の玉が生まれる。

アルが剣を目の前にかざして防御姿勢を取りつつ唱えると少し先の地面から水が湧き出し…瞬く間に壁になる。


リョウはアルの水壁が出来たのを確認するとすぐさま炎球を前に押し出すそぶりをする――


水壁と炎球がぶつかり…共に弾けて消える。


リョウは頷き、アルは一息ついて体から力を抜くと剣を下す。そして両者は走って別の場所に移動するとまた唱え始める――






リョウ達5人は馬車を降りて、町へと歩いていた。その半ば、雑談の中から誰かが言った―『もし町中で女子が襲われたら、どうしましょう?それに冒険者ギルドでの新参への絡みってテンプレですよね!』



アルが目を輝かせて言ったのである。ライトノベルをよく読んでいたというだけはある。しかし彼らの大半は魔法使いか剣士である。一人格闘家もいるが彼女は守られる側なのでカウントできない…。守る側にも若干不安な男がいるが。


また、サラもエルフの立ち位置が不明なためローブのフードを目深に被り、精霊魔法を使わないことになった。


そこでぱっと見人族に見え、問題の無さそうなアルとリョウが魔法で対策することになったのである。二人は他と少し間隔を置いて草原を歩きながら詠唱や魔法の操作の練習をしていた。


FWで詠唱に慣れていたとはいえ、魔力が体内を巡る感覚はなかなかに新鮮だった(くすぐったい)らしく―――


「灼熱の炎の玉よ顕現せよ―ふゎっ―ふぅレイムボール!」

「流れる水よ防壁となせ――ウォーターウォール―――ちょっと、突き抜けてきたんですけど!?躱すの遅れていたら死にますよ!いや残存HPとかで死なないかもしれませんけど!」


ときたま炎球が微妙に大きくなり、水壁を打ち破る。そしてアルは剣を炎球に対して向けつつ横に跳んで回避する。


結果として『回避』スキルの鍛錬になってしまう事が何度かあった。


「わり。何かムズッてこう…きた。」


「くしゃみじゃないんですから…。そろそろ慣れてください」


「そんなに難しいのか?俺は魔法が使えんから分からん…」


「うちが獣化したときはこうぐわぁ~って胸のあたりからから何か熱いものが出てきて、気が付いたら虎になっていたのにゃ!」


全く説明になっていない説明である。


「エルフの精霊も一応魔法なんだけど精霊に語り掛けて魔力を渡すだけだからくすぐったさはあまり無いのよね。…あたしも胸のあたりから手に流しているから多分心臓のあたりに何かあるんじゃない?」


「にしたって何だあれ、くすぐったくなっただけで水の壁を炎が突き抜けるって普通あっていいのか?」


「あれにゃ、ちょっと力んだとかにゃ?」


出産か。


「確かにほとんどの魔法は使う魔力量が定まっているはずだし、今回は両方初級だから打ち消しあうはずなのよね…」


「図書館ごもりの影響か?」


「多分それね。確か魔法攻撃力と別に魔法への理解度が高ければ威力が若干増すっていうのはNPCから教わったし、あたし達は熟練度とかそう言うものかと思ってたんだけど…」


「本を読んで勉強してたからちょっと強くなったって事にゃ?」


「あぁ、それでたまに突き抜けるのか。アルにとっちゃ災難だな」


サラ、ロー、ハルは道を歩きながらちょこちょこ場所を変えては練習する二人を眺めていた。


「あの二人はほっといて聞くけど通れたらまずギルドについて聞くのよね?」


「あぁ、その後は得られたお金の量次第で宿探しだな。…FWの金が使えたら楽なんだがなぁ…」


「ていうかそれで思い出したけど商人だったリョウが5人の中で手持ちが一番少なかったって言うのは驚きね。ハルは迷宮に潜っていたっていうから5人の中で一番稼いでいたというのは分からなくもないんだけど…」


「まぁ迷宮で出るレアドロップは高く売れるし、ハルは下層の方にいたらしいしそんなもんだろ。小僧はわけわからんがな…あいつホントに商会長か?」


商会長だったのである。


「硬貨が使えるか分からないならローが鋳つぶして飾りにすれば売れるにゃ!」


「おう、それもそうだな。」


少ないとはいえ、最低のリョウであってもそれなりの量の硬貨を持っていた。それらすべてを鋳つぶして加工して売るなどこいつら相変わらず迷わない。…一度は迷う場面を見てみたいものである。


「売れたとして5人泊まれる金額になるかにゃ?」


「うーん何とかなると思いたいわね…一応ハルの迷宮出土品(ドロップアイテム)も売る予定だし何とかなるでしょ。…でも本当にいいの?」


「良いにゃ。この5人で何とかやっていく資金の一部に出来るなら問題ないのにゃ!」


「じゃあその時にはよろしくね」


「ていうか卵をずっと持ってるけどよ、早いとこバスケットか何かに入れてぇなぁ…」


「今は無いから仕方ないにゃ。FWでもアイテムボックスに生き物は入れられなかったからある意味当然なのにゃ」


FWの世界ではアイテムボックスには『生きているもの』は入れられなかった。そして卵もその枠内であったためFWの機能を多分に含んでいるアイテムボックスを用いる彼らは卵をしまうという手段が取れなかったのである。


もし『生きているもの』も入れられてしまえば、NPCの商人とリョウ以外にも存在した商人プレイヤーの間で絶対的な格差が生じてしまう。またそれだけでなく冒険者ギルドの依頼の難易度も変化する。


生き物も運べるようにするわけにはいかなかったのだ。


しかしリョウの所有している大鷲『アイン』など『使い魔』はFWにおいては生き物とはカウントされないためアイテムボックスにしまえる特殊な対象であった。そのためにリョウはアインを連れて来てしまったのである。


FWにおける『使い魔』とは何か。まずプレイヤーがモンスターを生きたまま捕らえる。そして『調教』スキルを用いることでモンスターを自分に懐かせる。その上で『魔石』と呼ばれるレアドロップ素材にモンスターを封じ込めることで『使い魔』として成立する。


封じられた時点でモンスターはプレイヤーと同じくレベル1から育てることが出来るようになる。そしてその成長限界は封じた魔石のランクに応じて決まるのである。


魔石のランクはSSが最大、次にS、A、B、C、D、E、Fと分けられていた。最大のSSランクは限界がレベル100、Sは90、Aは80…とランクが1落ちるのに対して成長限界は10落ちた。そして使い魔に用いれるのは最低でもCランクからであった。


以前サラ達がリョウのアインの事を「化け物」「金持ち」などと評していたのはここにつながる。


実はモンスターを『調教』スキルで従えることは非常に楽な事である。極論言ってしまえばスキルなど無くても出来る場合すらある。ハルが馬をあっという間に乗りこなしたのもその影響が出ていた。


しかしそれとは別にモンスター側から「使い魔」になっても良いというサインが出るほど懐かれなければ魔石には封じられない。そしてそれはモンスターと対話出来る『調教』の専売特許なのである。


そして高ランクの魔石は迷宮のボス等からのドロップ品であるなどかなりの難易度を持つ。そしてそれらは武具や装備の大幅な強化に使えるため非常に高い値段でやり取りされる。


SSランクまで行くと手に入ったら即オークションが開催されるのが普通である。まずここで手に入れることが困難だ。


そして使い魔の成長はプレイヤーと同じ速度である。実はサービス開始から数年たっても基礎レベルが200に到達したプレイヤーは数少ない。このことからも分かるように基礎・スキル共にレベルの上昇はかなりのゆっくりなペースである。


そこでレベル100の『使い魔』大鷲が出てきたらサラ達が驚くのも当然であろう。…格上で巨大な相手に手紙を運ぶのが主な任務の鳥が勝ったという桁外れの戦果もあるが。


これにあらゆるチートが存在していないことは運営も当時確認済みである。…正直言って10以上レベルが上のサイクロプスに勝つ大鷲がしれっと存在してたまるかと作者も言いたい。



「まぁ街で籠か何か手に入るだろうしそれまでしばらくはローテーションで持ち回りね」


「はぁ…おーい、町の姿もはっきりしてきたしそろそろ戻ってこーい」


「う~い。っとアル、中止だ」


「…ウォーターウォール!――あっはい、わかりました」


「灼熱の炎の玉よ顕現せよ――フレイムボール…よし行こーぜー」


―――――――――――――――町の門にて――――――――


「お?お前ら初めて見る奴らだな…?どっから来た?…つってもあっちの『魔の草原』からだろうがな!くくっ」


開いた門の両側の壁に男二人が革鎧を着て椅子に腰かけていたが、リョウ達が十分に近づくと立ち上がって茶髪の男が話しかけてきた。


「あぁ、あっちの草原の方から来たな。ところで聞きたいんだがあそこは『魔の草原』というのか?魔物とかは全く見えなかったんだが…。せいぜいが猪ぐらいか」


「あぁ、あそこら辺はあの草原全体を縄張りにしてほぼ全部の魔力脈を支配している竜がいるからな。昔は名前に違わず魔物が良く出てこの町は魔物素材の商売で栄えたって聞いてるぜ。


…あいつは気性が優しくてな、決して俺ら町の人間を傷つけないんだ。逆に助けてもらったってやつもいる。俺もその一人だな!」


もう一人、赤髪の顔面にいくつか古傷を負ったガタイのいい怖めのおっさんが話す。


「竜…ですか。僕らもここに来る前に竜に会いましたよ。」


「お、マジか!?ここんところ最近目撃証言が無くてなぁ…最後に目撃されたのは2週間ぐらい前か。もしあいつが死んだらあの草原も魔物だらけの草原に戻っていくんだろうな…」


「戻るってどういう事にゃ?」


「あぁ、草原の魔力脈(まりょくみゃく)をお前さんたちが見た竜がすべて支配しているんだが、そもそも基本的に魔力脈は地下から地上に魔力を持ち上げ満たす井戸のような役割を持っているだけなんだよ。


だが、そうして汲み上げられた魔力が周囲に過剰に溜まると魔物に変化する。


けどあいつが支配してその魔力を一身に受けているおかげで魔力の余剰が発生せず、そして魔物も生まれず、ものすごくのどかな草原になっているってわけだ。


まぁその分あの竜は強くなってるんだがな…お前ら結構遠いところから来たな?この街道を通る奴なら大概知っているぞ。というかこれは常識だぞ?」


「だな。まぁさすがに嬢ちゃんは知らなかったか?あと付け加えるなら猪、馬、鳥、後たまに蛇か?などの野生動物は影響を受けないんだよな。おかげでそいつら対策に俺らみたいな引退した冒険者がこうして憲兵に就いて門の外で見張ってるってわけだ」


「おっさん達元冒険者なのか?」


「お、おっさん…小僧、俺はこれでも30ちょい前なんだがな…」


リョウの言った言葉に反応して赤毛の男が見るからに落ち込む。


「まぁまぁ、小僧、こいつは引退してこんなことやってるがこの街じゃそれなりに強いし家族もいるんだ、おっさんじゃなくてお兄さんぐらいに留めてやってくれ。それに俺もコイツと同い年なんでな…おっさんはやめてくれや」


茶髪の男が相棒をなだめつつリョウをたしなめ、そして続ける。


「ま、そーいう事だ。んで、竜はどうだった?元気だったたか?」


「いや、それがな…俺らが会った時はもう死にかけだった。卵を守ったまんま巣に引きこもってたぜ。最後にゃ俺らに卵を預けて死んでいったから大往生だったんだろうな…」


ローが禁術の事を隠しつつ話す。


「な!?…そうか、死んだか…卵と言ったがそいつは…あぁ、お前さんが持っている奴か?ちと見せてくれんか?」


赤髪の男がフードをかぶり、卵を抱えているサラに話しかける。


「サラ、見せてやってくれ」


ローがサラを促し、卵を彼らに見せる。ついでとばかりにリョウが少し離れてアイテムボックスから老竜の遺体を実体化させる。


「こいつか…確かにいつもあの竜に会うたび流れてくる気配と同じだな…、ん?エイン、どうした?こっちに来て見てみろよ。多分人生初の竜の卵だぞ?」


赤髪の男が茶髪の男―エイン―に話しかける。

エインは驚いた顔をしつつリョウの出した竜を指さす。


「オウン…卵もそうだがコイツはもっとすげぇぞ…?」


「ん?っておわ!?おいどっからこんなん出てきた?」


「いや、死んだって証明になるかと思って」


「断ってからにしてくださいよ…僕たちだって驚いちゃったじゃないですか…」


「その通りだぞリョウ…まあこういうわけだ。多分これから『魔の草原』とやらになっていくんじゃないか?」


「おいおい、俺が当番の時にこういう面倒事持ち込むんじゃねーよ…書類仕事が増えちまう」


赤髪の男ーオウンーがぼやく。


「死因は…傷が見当たらないし毒か寿命か?」


「寿命の方だな。俺とこのおっちゃん、そこのサラの三人で『鑑定』したら老衰だったからさすがに竜も寿命にゃ勝てなかったっつーとこだろ」


「そうか。…さすがは数百年にわたってあの草原の頂点に君臨していただけはある、死してなお莫大な魔力を秘めているな…。こいつぁ多分一級品だ。絶対盗まれんじゃねーぞ。


まぁでも小僧はレアな『空間魔法』持ちみたいだし出さなければ何とかなるだろう。…でも警戒するんだぞ。


俺らはこの竜に恩があるし、そんな気もねーから周りには言いふらさないが…そうそうみだりに出すのはダメだ。持ってるってだけでも危険だ」


オウンがリョウに厳しい目で忠告する。


「そのとおりにゃ!リョウはすごくうかつな時があるにゃ!次から出す前にうちらに相談するにゃ!」


「そうね。あんたはいい加減にしなさい。」


「はっは、小僧より小さい女の子にも怒られてんじゃねーか!」


エインが言う。しかしそれは禁(ry


「うちは18にゃ!もうほとんど大人にゃ!」


一歩遅かった。


「お、おうすまんな…」


「エイン、やっぱお前デリカシーってもんをもっと勉強しようぜ…」


まさかの赤髪のおっさん、オウンの方が常識人であった。さすがは家庭持ちか。


「まぁとりあえず草原の竜については了解した。報告書を上げるからここにも門番が増えるだろうよ。…冒険者も商隊護衛ばかりじゃなくて魔物退治を受けるようになるんだろうが果たして落ち着いて対処できるのかねぇ…」


オウンがつぶやく。


「ま、それはそれとしてだ。結構時間取っちまったか。お前ら入るんだろ?身分証明書とかあるか?なけりゃあ保証金を支払うって事で問題ないんだが。あ、さっきの竜の体で換金とかやめてくれよ?ここが襲われちまう」


「身分証明書とかは俺ら持ってないから保証金になるんだが…」


「いくらぐらいかかるのにゃ?」


「えーとお前さんらは全員大人って事でカウントしていいんだな?後は馬3頭か…ちょい待っててくれ確認してくる。」


オウンが門のそばの詰所らしき入口に消えていく。


「エインだっけ?おっちゃんに聞きたいんだがだいたいどんぐらいかかるんだ?」


この男何歳以下なら「おっちゃん」もしくは「おっさん」扱いをやめるのだろうか。


「お?何で俺の名前知ってんだ?…大体一人当たり1000カクテって所か?馬や生き物はその都度変わるんだよなぁ…」


5人は衝撃で固まった。『カクテ』という通貨単位、それは彼らがやっていたゲーム、FWの中で使われていた通貨の単位と同じ名前だったからである。FWの世界では1円=1カクテだった。



この保証金は念を押す程度のものでただの偶然だったとしてもイノシシで払えないほどのものではないと考えられるし、彼らのいう『カクテ』が果たして使えるかどうかは分からなかった。



しかしそれでもこれまで『FWの世界にマツたちみたいな馬はいなかった』『魔の草原なんて初めて聞いた』『門番がいるなんて地球じゃない』などの理由から『FWとは違う世界…地球とも違う世界である』と考えていた彼らにとってその通貨の単位は衝撃的であった。



彼らの中に『FWの世界か!?』という思いがせりあがってきたのは当然の事であろう。


「ちょいちょい、おっちゃん、『カクテ』ってのはこれか?あと名前はオウンのおっちゃんが言ってたぞ」


リョウがエインに見せたのはFWの世界では1万カクテの価値を持っていた半銀貨である。FWの世界では全ての国でこの通貨が共通通貨だったのだが果たして…



「おう、それだな。半銀貨か、多分十分なんじゃねぇか?最近商人が来やすいようにって税の変更があったし。


ていうかお前ら本当にどこから来た?通貨なんざカクテしか無いだろうが…あぁ、そういや海のジパングとかいう国は別の通貨だっけか…お前らそこから来たのか?」


「そ、そうにゃ!ジパングの方から来たにゃ!」


まぁ「ジパング=日本」と考えればあながち間違ってはいない。…世界を跨いだ「~の方から来ました」詐欺というのは世界初ではなかろうか。もはや方角ではない。


「なるほどなぁ…ってなるとあっちの通貨はこの町では両替できねぇぞ。あそこと繋がっている貿易港の「ポート」も結構遠いからな。お前ら当座の資金は大丈夫か?」


エイン、結構優しい男である。古傷で怖く感じたのは気のせいか。


「お、おう、このカクテならそこそこ持ってるし大丈夫だとは思う。…一応あんたらに聞きたいんだが冒険者ギルドとかはあるか?後こいつらは草原で捕まえたんだが馬も連れられる宿とかも聞きたい。…馬の登録とか要るか?」


ローが再起動してもしFWと同様に存在していればこれからの収入源となりそうな冒険者ギルドの場所を聞く。


「ギルドか?それなら…っと、オウンが戻って来たし清算してからにしようや。」


「お前ら5人、それと馬3頭で5000カクテ+1500カクテといったところか。先月ならもちっと高かったろうな。合わせて6500カクテか。えーと純銅貨5枚と銅貨5枚だな。一応聞くがあるか?」


リョウが先ほど出した半銀貨を渡す。オウンが受け取り純銅貨3枚と銅貨5枚を返す。


「さて、ギルドだったな。道をまっすぐ行くと噴水広場にぶち当たる。その一本手前の十字角、そこを右に曲がると突き当りだ。宿は…そうだな…」


「なら『動物の憩い亭』でいいんじゃねーか?馬も入れられるし、最近大きな商隊が出ていったらしいから空はあるだろ」


オウンが言う。


「そうだな。そこならいいか。えーと、この通りの途中なんだが…木が中庭に生えてて、馬とかいろんな動物の絵が看板に書かれている宿だ。


商人なんかも結構泊まるし大きいから分かると思うぜ。馬の登録は…確か草原で捕まえたって言ってたな?なら宿で登録も出来ると思うぜ。その手のも代行してくれたはずだ」


「分かったにゃ!ありがとなのにゃ!」


「おうよ。んじゃ他に聞くことはねーな?そんなら…」


「「草原と噴水の町トラベリアにようこそ」」


門番のおっさんたちが声をそろえる。正直暑苦しい。


「エインさんたち息あってますね…」


「言うな…これが出来なきゃここの門番はできないんだよ…」


オウンが沈む。おっさん同士のハモりは結構恥ずかしいようである。さもありなん。


「ま、いろいろありがとう、エインさん、オウンさん」


まさかのリョウのまともな呼びかけである。この男こんな話しかけも出来たのか。なぜ今までしなかった。


「小僧、何かやるときはそこのドワーフやかっこいい兄ちゃんに相談してからにしろよ?」


エインが忠告する。色々とこの男親切である。これが門番の素質か。

門をくぐり、町の中を見たリョウ達一行は驚いた。なぜならそこではエルフ、ドワーフ、獣人、人が様々に行きかっていたからである。


「…とりあえずは動物の憩い亭とやらに行くか。ハル、リョウ、はぐれんじゃねーぞ。」

やっと『迷子』から脱しました。しばらくはこの町が舞台です。


【悲報】

今話でストックがついに切れました。

出来るだけ一日一話目指しますが…夜九時に更新が無かった場合は(あ、バテたなこいつ)って思ってください(笑)

活動報告や感想などでよくわからなかった点など教えてください。何らかの形で回答します。


通貨価値の説明などの各種公式設定は近いうちに入れます。

次話は9/5午後九時予約です。(これは絶対投稿します)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ